FXブローカーの楽園”キプロス”が事実上の破綻
驚きのニュースです。キプロス共和国で預金封鎖が行われました。
ギリシャ問題を発端とした欧州経済危機の余波は、地中海の小国”キプロス共和国”の経済を大きく揺るがしました。キプロスの経済危機にともない、EU(欧州連合)とIMF(国際通貨基金)から金融支援を受ける条件として、一時的に国内の全ての預金を封鎖したという驚愕のニュースです。
キプロス共和国が”事実上”の破産状態です。実際のデフォルトではありません。預金封鎖ですので、預金は引き出すことができません。これは一時的な措置です。さらに、預金額の約1割(10%)を一律課税することで合意しました。つまり、預金者は一方的に自分の預金の10%を棒引きされる、ということです。預金者としては、たまったものではないですね。
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寝耳に水! 口座引き出しの凍結
キプロスの破綻にともない、預金口座からの引き出しが凍結されました。さらに、全預金者の預金額に応じて約10%の預金を”帳消し”し、預金税として徴収されることが発表されました。寝耳に水とは、このことでしょうね。
徴収される預金税の額は、約58億ユーロ(約7200億円)だそうです。キプロス共和国のGDPの3分の1に相当する額です。ただし、この1割没収は、現時点での公表です。キプロスでの混乱が大きくなれば、今後5割(預金の50%)が徴収される可能性もある、という話も出ています。
キプロス危機(キプロスショック)は、まだ始まったばかりです。
キプロスのブローカーを使っている人も課税対象なのか?
日本人でもキプロスのブローカーを使ってFXトレードをしている方も、今回のキプロス経済危機の影響を受けそうです。預金ではなくブローカーの口座に資金を預けている状態ですので、預金封鎖や預金税の対象となるかは、不明です。今後、明らかになるでしょう。
ただ、FXブローカーは大きな影響を受けるでしょうね。その影響が投資家に派生するかどうかが、問題です。ちなみに、キプロス共和国に拠点を置くブローカーは以下の通りです。
※日本語サイトを開設し、日本人を勧誘しているブローカーをピックアップしました。
- ChargeXP Investment Ltd.(Smart Option)
- Cbay Financial Services Limited(24option)
- MARKETS.com
- TFI Markets
- eToro
- XEMarkets
- AmigaFX
特に、SmartOptionは多くのFX商材販売会社が指定(推奨)しているブローカーです。
それから24optionは以下の商材で採用されています。
キプロスは”金融の楽園”だった
なぜ、多くのFXブローカーが、地中海の小国「キプロス共和国」に拠点を置くのでしょうか?
キプロスはEU(欧州連合)の中でも非常に税率の低い国として有名です。そして2007年に制定されたEU金融商品市場指令(MiFID)によって、キプロスでライセンスを取得したブローカーは、ヨーロッパ全土で営業することができるようになりました。
さらに、キプロス証券取引委員会(CySEC)、つまり金融監督庁のようなものですが、このCySECのルール(基準)が非常に”ゆるい”のです。
結果的に、多くのFXブローカーが税率の低いキプロスに拠点を移し、ヨーロッパ全域での営業を行うようになったわけです。つまり、金融業者にとってはまさに楽園(オフショア金融センター)なのですね。当サイトでも、何度か話題として取り上げました。
- キプロス共和国ってご存じですか?
- 評価以前の問題
- 金融庁未登録のキプロスのブローカー
- キプロス共和国にあるブローカー
- 大半の海外ブローカーは信託保全していない
そんなキプロスも、ギリシャ危機を発端とした経済危機に飲み込まれました。
ギリシャショックから、キプロスショックへ
今回のキプロスショック(預金封鎖、預金税の一律課金)は、大きな波紋を広げそうです。
EU(欧州連合)がこの危機を乗り切らなければ、ギリシャ危機同様、世界中に影響が広がりそうです。
すでに為替も影響を受け始めています。今週(2013年3月18日~)が山場ではないでしょうか?
キプロスの口座凍結が解除されれば、一斉に預金引き出しが行われる(取り付け騒ぎ)恐れがあります。そうなれば、さらなる措置(再度の預金封鎖など)が取られる可能性もあります。
国際ニュースから目が離せません。