レバレッジで語るな!ロットで語れ!
連日、レバレッジに関する質問が届きます。
うーん、なかなか真意が伝わらずもどかしいです。レバレッジは意識する必要がないとしつこいくらいにお伝えしているつもりなのですが…。
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多くのメディアがレバレッジを取り上げること、そしてなによりFX会社がレバレッジ解説を中途半端におこなうため、FX初心者が混乱してしまうのだと思います。
最大の責任はFX会社の(意図的な)説明不足にあります。
本来ならばFX会社がレバレッジを分かりやすく解説すべきですが、あえてわかりにくく解説しているように感じます。なぜならそのほうがFX会社にとって都合が良いから…。穿った見方かもしれませんが、FX会社にとっては大量の情報弱者がお金を落としてくれればそれで良いと考えているフシがあります。
とにかく!
「レバレッジで語るからややこしくなるのだ!ロットで語れ!」と言いたいです。
レバレッジで語るからややこしくなるのじゃよ。
取引は、ロット数(と資金量)で語るべきなのじゃ。
レバレッジで語るから混乱を招く
以下はすべて間違った認識です。
ハイレバにまつわる間違った認識
- 強制ロスカットを回避するためにレバレッジを低くするべき…
- ハイレバにすればロスカットされにくい…
- ハイレバは危険と言われた…
- ハイレバの海外FXはリスクが高い…
- 適切なレバレッジは3倍前後らしい…
- 稼ぐためにはハイレバじゃないとダメ…
- レバレッジ800倍は非常に危険…
- ハイレバの方が実は安全…
メディアがレバレッジを解説する際に、そもそも『実効レバレッジ』なのか『証拠金に対するレバレッジ』なのか、あるいは『最大レバレッジ』について語っているのかも不明です。さらに、レバレッジについて間違った解説をしているメディアも非常に多く存在します。
最悪なのは、レバレッジに関して意図的に論点のすり替えをおこない自身に都合の良いように(海外FXや国内FXの口座開設ビジネスのために)事実を歪めて伝えている者も存在するという事実。
レバレッジに関するポジショントーク(一例)
- 「ハイレバは危険ですよー!」➔「だから国内FX会社を使いましょう!」
- 「ハイレバの方がロスカットされにくいです!」➔「だから海外FX会社を使いましょう!」
事実を歪めたポジショントークに騙されてはいかんぞ!
ロットで語ることの重要性
先の誤った認識を正しく述べるならば次の通り。
正しい認識(ロットで語ろう!)
- 強制ロスカットを回避するためにロットを小さくするべき
- 適切なロットにすればロスカットされにくい
- 適切なロットにすれば危険はない
- ハイレバの海外FXでも適切なロットで取引すればリスクは高くない
- 適切なロットは資金量から算出する
- 生き残るためには適切なロットを維持して取引すること
- レバレッジ800倍でも適切なロットならばリスクは低い
- 適切なロットさえ守ればFX取引は安全
つまり…FX取引リスクをハイレバで語るから(考えるから)ややこしくなり誤った理解をしてしまうのです。FXはロットで語るべきなのです。
ロットは誰でもイメージしやすく、概念は一つしかありません。ロット概念とはつまるところ「何通貨を取引するか?」です。極めてシンプルかつ間違いようがありませんよね。
ロットの単位はFX会社によって多少ことなりますが、だいた以下のどちらかです。
- 1ロット=10,000通貨
- 1ロット=100,000通貨
1ロット、2ロットではなく、10,000通貨、20,000通貨と表現すれば、プラットフォーム(FX会社)に関係なく、全トレーダーが共通認識を得られます。
【Aさん】
10,000通貨(1ロット)を取引します。
【Bさん】
100,000通貨(10ロット)を取引します。
このときにわかるのは以下の事実です。
BさんのポジションはAさんの10倍である。
驚くほどシンプルですね。レバレッジが何倍とか一切関係ありません。ロット(ポジションサイズ)で語れば、全てがスッキリします。
ロットで語れば、シンプル!
では取引リスクとロットとの関係はどうなるのか?これもロットで語れば極めてシンプルかつ、比較も容易です。
【Aさん】
口座資金は30万円
ドル円を1万通貨(1ロット)を取引した
Aさんのリスクは、口座資金(30万円)に対して、どれくらいのサイズの取引(1万通貨=100万円)をしているかで表すことができます。『ポジション評価額(ポジションサイズ ✕ レート) ÷ 全口座資産』で算出可能です。
100万円÷30万円=3.3(倍)
Aさんのリスクは3.3倍と評価できます。
【Bさん】
口座資金は30万円
ドル円を10万通貨(10ロット)を取引した
Bさんのリスクは次の通り。
1000万円÷100万円=33(倍)
Aさんのリスク3.3倍であり適切です。一方のBさんのリスクは33倍ですので、極めてハイリスクと言えますね。
この倍率は一般的に実効レバレッジと呼ばれていますが、ここに「レバレッジ」というワードが含まれるがために、FX初心者を混乱させてしまうのです。
実効レバレッジではなく、本来ならば『ポジションリスク』『取引リスク』などと別名称をつけるべきです。その上で、
『ポジションリスク』は3倍前後が安全です…
『ポジションリスク』を10倍以上にすると危険です…
このように解説するべきです。そうすれば混乱は避けらたはず。
証拠金に対するレバレッジ、実効レバレッジ、最大レバレッジ…など様々な概念のレバレッジが混在するために、FX初心者は頭の中が「???」になってしまうのです。
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FX取引リスクはロットと資金量のバランスのみで決まる←これが真実
もう一度AさんとBさんの取引をご覧ください。
【Aさん】
10,000通貨(1ロット)を取引します。
【Bさん】
100,000通貨(10ロット)を取引します。
BさんのポジションサイズはAさんの10倍です。一見、Bさんの方がリスクが高いように見えますね。でも、もしも二人の資金量が以下のように異なっていたら?
【Aさん】
資金30万円で10,000通貨(1ロット)を取引します。
【Bさん】
資金300万円で100,000通貨(10ロット)を取引します。
Aさんの『ポジションリスク』(実効レバレッジ)は、3.3倍(100万円÷30万円)です。
Bさんの『ポジションリスク』(実効レバレッジ)も、同じく3.3倍(1000万円÷300万円)です。
つまり、二人のリスク(資金量に対するポジションバランス)は同じとみなすことができます。
取引リスクは、ロットと資金量のバランスで決まる…これが普遍的な真実であり、FX初心者が最初に覚えるべきルールです。
FX初心者ならば、
『取引リスクは、ロットと資金量のバランスで決まる』
ということを一番最初に覚えるべきなのじゃよ。
レバレッジのことなど1ミリも考える必要ないのじゃ。