楽天・三木谷「仮想通貨の税率、高すぎません?」
2019年2月14日、一般社団法人新経済連盟が「暗号資産の新たな規制に関する要望」を金融担当大臣に提出しました。
要望書の内容は以下のPDFから閲覧可能です。
一般社団法人新経済連盟の代表理事を務めるのは、楽天の三木谷社長。
「暗号資産の新たな規制に関する要望」中で、仮想通貨の売買益に対する税率の高さに苦言を呈したのです。
国税庁は、仮想通貨の売買益は雑所得に分類されるとの見解を示しています。つまり、他の所得と合算して税金を計算されてしまう総合課税が適用されるわけです。
最高税率は55%(所得税45%+住民税10%)。給料に仮想通貨の売買益を加えた所得(課税所得)が4000万円を超えれば、自動的に55%の税率が課せられることになります。つまり、4000万円の課税所得のうち、手元に残るのは1800万円です。
この税率が高すぎるのでは?と提言したのが、楽天の三木谷社長(一般社団法人新経済連盟)。総合課税ではなく、株やFX同様に一律20%の申告分離課税を適用するのが妥当であるとの主張です。
税制に関する要望
暗号資産の市場を拡大しイノベーションを後押しする観点から、税制が暗号資産への投資の阻害要因とならないようにするため、以下のような措置を講じることを検討すべき
- 総合課税から、申告分離課税への変更(税率は株やFXと同様に20%とする)
- 仮想通貨間の交換は非課税とする
- 損益通算や損失の繰越控除を可能とする
どちらかといえば、世界でも暗号通貨に対する規制のゆるい日本。さらに規制をゆるめることに金融庁が難色を示すことは大いに考えられますね。とはいえ、税制は国を支え産業の方向すら支配する重要な政策のひとつです。
はたして今後どのような施策が取られるのか、注目です。
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全ての仮想通貨取引所に対し個人情報(住所・氏名・マイナンバー)を照会できる仕組みが整った
仮想通貨取引での利益をこっそり貯め込む…という行為は日本においては不可能です。
なぜなら、すべての仮想通貨取引所に対し「氏名」「住所」「マイナンバー」などのあらゆる個人情報を照会できる仕組みを国税当局が整えつつあるからです。この仕組は2019年度の「与党税制改正大綱」に盛り込まれます。
課税逃れはもはや不可能なのです。一網打尽です。他の雑所得の利益合計が20万円を超える場合は「確定申告」が必須です。しかも前年度との損益通算や損失の繰越ができないというがんじがらめ。なかなか厳しいですね。
ここに一石を投じることになりそうなのが、今回の「暗号資産の新たな規制に関する要望」です。
今後の動きに注目です。