- みんな間違ってる!Dealing Desk方式(DD)とNo Dealing Desk方式(NDD)の本当の話
- Dealing Desk方式(DD)・No Dealing Desk方式(NDD)はFX業者のオペレーションの違いに過ぎない
- No Dealing Desk方式(NDD)とは?
- Dealing Desk方式(DD)とは?
- DDとNDDの違いは「FX業者が自己勘定するかしないか」の違いであり私たち側からの”見え方”はまったく同じ
- 「なるほど、違いはわかった、で、どっちがいいの?」
- 味も価格も同じならば、どっちでも良くない?
- 「No Dealing Desk方式(NDD)は、個人投資家とFX業者の利益相反が起きないから、非常にフェアで透明性が高い…」はナンセンス!
- 【注意】NDD方式をベタ褒めするサイトは、アフィリエイト報酬目的で海外FX業者で口座開設をさせたいだけ
- 【結論】NDD方式とDD方式の違いを気にするよりも、信頼できるFX業者を選択することのほうが100倍重要だ
みんな間違ってる!Dealing Desk方式(DD)とNo Dealing Desk方式(NDD)の本当の話
『インターバンク市場』って何なのさ?の中で、「※FX業者が私たちの注文をマーケットに流す方法には2種類あります。Dealing Desk方式(DD)と、No Dealing Desk方式(NDD)です。」とお伝えしました。
今回は、Dealing Desk方式(DD)とNo Dealing Desk方式(NDD)に関する解説です。
Dealing Desk方式(DD)とNo Dealing Desk方式(NDD)の話は、思った以上に闇が深いです。ネット上には事実をねじ曲げたウソがまかり通っていて、誰もが簡単にダマされてしまいます。発信者の都合のいい話(ポジショントーク)にまんまと誘導され、彼らの肥やしとなっていることに気が付かないのです。
この記事は、あなたの視点を変え、正しい認識を持ってもらうことを目的に執筆しています。
Dealing Desk方式(DD)・No Dealing Desk方式(NDD)はFX業者のオペレーションの違いに過ぎない
『インターバンク市場』って何なのさ?で解説したように、真の外国為替市場はインターバンク市場だけです。残念ながらインターバンク市場は選ばれた金融機関しか参加することを許されていません。
私たちがFX取引に参加するためには、FX業者を介して為替相場の取引環境を提供してもらうしかないのですね。つまり、私たち個人トレーダーに為替相場の取引環境を提供することがFX業者の役割といえます。
取引環境の提供とは、私たちの注文をどのように処理するか?ということ。つまりオペレーションです。
オペレーション方法は大きく分けて2種類あります。それがDealing Desk方式(DD)・No Dealing Desk方式(NDD)です。
[box class=”glay_box” title=”FX業者のオペレーションの種類”]
- Dealing Desk方式(DD)
- No Dealing Desk方式(NDD)
DD方式・NDD方式は、単なるFX業者のオペレーションの種類(注文の処理方法の違い)を表しているにすぎません。どちらが優れているとか、公平性が保たれているとか、顧客に有利だとか、そういうことではありません。
No Dealing Desk方式(NDD)とは?
No Dealing Desk方式(NDD)は、私たち投資家の注文を、カバー先金融機関を介して直接インターバンク市場へ流すオペレーションスタイルです。
FX業者は、あなたの注文をダイレクトに市場へと流す役割を担っています。いわば取引の仲介役としての存在です。
FX業者…「オッケー、100円の買い注文をカバー先に流すよ!」
カバー金融機関…「ドル円を100円で買う注文を受けたよ!」
ざっくりとしたイメージですが、こんな感じです。FX業者が窓口となり仲介役に徹してることがわかりますね。
実際は、無数の細かな注文を一つ一つ仲介しているわけではありません。顧客の売買注文を相殺し、まとめたものをカバー先に流しています。
NDD方式のFX業者はリスクフリー
100円で買ったものを120円で売れば、投資家は20円の利益を手にしますよね。一方、FX業者は、100円の注文も120円の反対注文もすべて仲介しているだけなので、儲けも損もありません。FX業者のマーケットリスクはゼロです。
FX業者は仲介時に手数料を徴収することで儲けを得ているのですね。え?NDD方式の業者なのに手数料とられていない?それはスプレッドに上乗せされていて、あなたが気づかないだけです。
私たち個人トレーダーにとっては、インターバンク市場のスプレッドがもろに影響してくることと、スプレッドに手数料を上乗せされることもあるため、取引コストは大きくなる傾向があります。その一方で約定力は高くなる傾向にあります。つまり注文が滑りにくい(スリッページが少ない)ということ。
海外FX業者ではNDD方式を採用しているところがある
海外FX業者の一部には、NDD方式を採用していてそれをウリにしているかのようなマーケティング戦略を取っている会社があります。
当然ですが、海外業者のすべてがNDD方式を採用しているわけでもなく、NDDとDDの2つのオペレーションが存在します。
Dealing Desk方式(DD)とは?
Dealing Desk方式(DD)は、私たち投資家の注文をFX業者の中で処理するオペレーションスタイルです。
私たちの取引相手は、FX業者となります。FX業者と通貨の売買をしているわけですね。
イメージとしてはこんな感じ。
FX業者…「オッケー、ドル円を100円であなたに売るよ!」
カバー金融機関…「…」
投資家とFX業者の二者で取引が完結していますね。注文を流さずに自己勘定することから「注文を呑む」=呑み行為とも揶揄されたりします。大半の売買注文は相殺させて、相殺できない差分をFX業者が呑んでいるわけです。
DD方式のメリットは、FX業者側でレート操作性の裁量が高まるため狭いスプレッドを提供できることにあります。つまり私たちにとってはスプレッドコストを抑えられるという利点に繋がります。
DD方式が「利益相反」と言われる所以(ゆえん)
100円で買ったものを120円で売れば、投資家は20円の儲けを手にしますよね。一方でFX業者は、100円で売ったものを120円で買い戻さなければいけないので、20円の損失が発生します。
逆に、100円で買ったものを90円で売れば、投資家は10円の損失です。FX業者は100円で売ったものを90円で買い戻すわけですから、10円の儲けが発生します。これが利益相反と言われる所以です。
国内FX業者にDD方式採用が多い理由
日本国内の大半のFX会社はDD方式を採用しています。つまり大半の注文をカバー先に流さずに社内で処理をしていることになります。
国内FX業者の多くがDD方式を採用している理由は、過酷なスプレッド競争が存在するからです。ドル円で0.2〜0.3銭という信じられないほど低い固定スプレッドを提供する国は、世界広しといえど日本だけです。海外のメジャーなFX業者(日本人を相手にしていない業者)は、スプレッドは広く常に変動しています。
以下のサイトをご覧ください。
いかに日本のFX業者のスプレッドが狭いかよく理解できるはず。ドル円を比較しても、4倍から10倍の開きがあります。
低スプレッド&固定スプレッドをウリにするマーケティング戦略が主流となった日本では、もはや高いスプレッドでは生き残れないのですね。国内では低スプレッド&固定スプレッド業者が選ばえる傾向が高く、結果的にどのFX業者も熾烈なスプレッド競争に参加せざるを得ません。
会社の収益構造としてスプレッドへの依存を避けるために、結果的にDD方式を採用している…これが本質です。
ただ、全ての注文をDD方式で呑んでいるわけでもなく、注文のサイズに応じてNDD方式を採用したりなど、ハイブリッドに対応している国内業者が多いことも知っておくべき。
【2024年5月版】優位性の高いFX商材 Best4
DDとNDDの違いは「FX業者が自己勘定するかしないか」の違いであり私たち側からの”見え方”はまったく同じ
結局、私たち側から眺めたときに、どちらも見え方は同じです。
Dealing Desk方式(DD)もNo Dealing Desk方式(NDD)も以下のような見え方です。
FX業者…「ドル円を100円で買う注文を受けたよ!」
注文を受けた後の処理が異なるだけなのですね。
- NDD方式…注文をカバー先に流す(自己勘定処理しない)
- DD方式…注文を社内で処理する(自己勘定処理する)
私たちの注文を社内処理しているか、カバー先に流しているかなんて、チャートを眺めているだけでは絶対にわかりません。
「なるほど、違いはわかった、で、どっちがいいの?」
Dealing Desk方式(DD)とNo Dealing Desk方式(NDD)の違いは、なんとなくイメージできたと思います。
では、いったいどちらが良いのか?
結論は、どっちでも良いです。
DDとNDDの違いを、あなたが気にする必要性はほぼゼロです。
DD方式とNDD方式の違いは、単なるFX業者の経営方針の違いに過ぎず、あなたの投資行為に大きく影響を与えるほどの重要な要素ではありません。
味も価格も同じならば、どっちでも良くない?
分かりやすい例え話をします。
あなたがファストフードにハンバーガー(定価100円)を買いにいったとしましょう。A店もB店も、味も価格もまったく同じハンバーガーを提供しています。
DD方式とNDD方式の違い例えるならば、
- A店は、バックヤードで調理して提供している
- B店は、セントラルキッチンで調理したものをバックヤードで温めて提供している
この違いです。
カウンターの奥(=バックヤード)は私たちには見えません。味も価格も同じならば、どっちでも良くないですか?
カバーしているかしていないかは、FX業者の各々の経営スタイルに過ぎず、会社の規模や資金量、そして競合他社との競争に依存します。
「No Dealing Desk方式(NDD)は、個人投資家とFX業者の利益相反が起きないから、非常にフェアで透明性が高い…」はナンセンス!
No Dealing Desk方式(NDD)は、個人投資家とFX業者の利益相反が起きないから、非常にフェアで透明性が高い…だからNDDが断然オススメだ!という意見を目にしますが、まったくのナンセンス(屁理屈)です。
なぜなら、利益相反が起きようが、起きなかろうが、私たち個人投資家には関係のない話だから。
利益相反が起きるから、なんなの? なにか問題がありますか?
あなたが、100円で買った通貨を120円で売って20円の利益を手にする過程において、DD方式であろうがNDD方式であろうがまったく関係のないことです。
通貨が上がると予想して買い注文を出す判断は、あくまでも私たち個人投資家の判断であり、それが正しければ儲かるし、間違っていれば損をする。ただそれだけです。
FX会社がNDDを採用していたから、投資家に有利に働いた!などということは1ミリもありません。
【注意】NDD方式をベタ褒めするサイトは、アフィリエイト報酬目的で海外FX業者で口座開設をさせたいだけ
DD方式やNDD方式をネットで検索すると、たくさんの解説記事がヒットします。
残念ながらその大半は、NDD方式の方がはるかに公平性が保たれていて有利であるかのようなアンフェアな解説ばかりです。
DD方式よりもNDD方式のほうが遥かに優れていると説き、DD方式を採用している国内FX業者ではなく、NDD方式を採用している海外FX業者を推奨する(アフィリエイトする)という、お決まりのパターンです。
国内FX業者の大半はDD方式だからやめたほうがいいよ!それよりも公平性が保たれているNDD方式を採用した海外FX業者がおすすめだよ!的な誘導ですね。
DD方式を採用している国内FX業者を貶(おとし)め、アフィリエイト報酬の高い海外FX業者に誘導して口座開設をさせてお金儲けすることが彼らの目的です。
NDD方式の優位性を説く記事と海外FX口座開設アフィリエイトは、セットなのです。つまりステマ記事ということ。
【結論】NDD方式とDD方式の違いを気にするよりも、信頼できるFX業者を選択することのほうが100倍重要だ
DD方式よりもNDD方式のほうが優れているとか、得だとか、公平性が保たれているとか、そんなことではありません。
NDD方式とDD方式の違いを気にするよりも信頼できるFX業者を選択することのほうが100倍重要です。
結論としては、普通にスプレッドコストを抑えたいならば信頼できる国内FX業者を選べばOK。
NDDだとかDDだとで悩む時間があるならば、その時間をあなたの投資スキル向上のためにに使うべきですね。