スワップポイントが高い通貨ペアはどれ?
不労所得に近いFXのスワップポイント。
スワップポイントは高金利通貨と低金利通貨の組み合わせによって発生します。”高金利通貨を買い低金利通貨を売る”ポジションを建てれば、スワップが手に入ります。
スワップポイントを手に入れるには…
- 高金利通貨を買う
- 低金利通貨を売る
様々な通貨ペアの組み合わせの中で、スワップポイントが高い通貨ペアはどれでしょうか?GMOクリック証券を例にあげてみましょう。
GMOクリック証券|スワップポイント一覧
- MXN/JPY(メキシコペソ円)…400円
- ZAR/JPY(南アフリカランド円)…70円
- GBP/CHF(ポンドスイスフラン)…57円
- GBP/JPY(ポンド円)…35円
- USD/CHF(米ドルスイスフラン)…31円
- GBP/AUD(ポンド豪ドル)…30円
- TRY/JPY(トルコリラ円)…18円
メキシコペソ円と南アフリカランド円のみ10万通貨単位での算出なので、すべての通貨ペアを1万通貨単位で並べ直したものが以下のランキング。
GMOクリック証券|スワップポイント一覧(1万通貨単位で並べ替え)
- GBP/CHF(ポンドスイスフラン)…57円
- MXN/JPY(メキシコペソ円)…40円
- GBP/JPY(ポンド円)…35円
- USD/CHF(米ドルスイスフラン)…31円
- GBP/AUD(ポンド豪ドル)…30円
- TRY/JPY(トルコリラ円)…18円
- ZAR/JPY(南アフリカランド円)…7円
意外に思われるかもしれませんが、最も高額のスワップポイントを得られる通貨ペアはGBP/CHF(ポンドスイスフラン)の57円でした。
スワップポイント狙いで通貨ペアの買いポジションを長期保有する戦略が容易ではない理由
じゃあ、スワップポイントの高い通貨ペアを長期保有すれば、不労所得がじゃんじゃん手に入るってことだね!
話はそう簡単ではないぞ。スワップポイントが高い=高金利通貨…には理由があるのじゃよ。
スワップポイント(=不労所得)狙いで通貨ペアの買いポジションを長期保有する戦略は、思っているほど容易ではありません。スワップポイントが高い=高金利通貨を買う…この戦略には避けられない欠陥があります。
例えば、GMOクリック証券でスワップポイントが最も高いとされる「GBP/CHF(ポンドスイスフラン)の57円」。ではGBP/CHF(ポンドスイスフラン)を長期保有するとどうなるのでしょうか?以下のチャートはGBP/CHF(ポンドスイスフラン)の長期推移です。
ご覧の通り2000年以降右肩下がりですね。2017年以降は下落幅は収斂してきていますが、ポジションを持つタイミングによっては、含み損が発生しやすい状況が続いています。つまり、GBP/CHF(ポンドスイスフラン)を長期保有すれば、せっかく溜まったスワップポイントが含み損によって相殺されてしまう可能性が高いのですね。
これがスワップポイントが高い=高金利通貨を買う戦略の避けて通れない最大のデメリットです。
このデメリットは、他の高金利通貨でも同様です。スワップ戦略の代名詞とも言われてきたTRY/JPY(トルコリラ円)のチャートがこちら。
もはや買いポジションを持つのが怖いレベルです。逆張り狙いトレーダーの多くが玉砕sていることからもわかる通り、TRY/JPY(トルコリラ円)のスワップ戦略はすでに機能していません。
以下のチャートはMXN/JPY(メキシコペソ円)の長期チャート。
全体的には右肩下がりのチャートですが、2012年以降は6円を挟んでの攻防が続いています。とはいえ、今後の上昇をするかどうかは神のみぞ知る…です。
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スワップ戦略における最大のリスクは”相場下落”と”金利低下”
スワップ戦略における最大のリスクは”相場下落”です。これはわかりやすいですよね。
相場が下落すれば含み損が発生し、積み上げたスワップを相殺してしまう。場合によっては含み損のほうが大きくなり、トータルでマイナスになってしまう。
もう一つのリスクが、高金利通貨の金利が低下してしまうことです。国の方針によって政策金利は決定します。政策の変更があれば当然金利も変動し「高金利➔低金利」となるケースも発生します。そうなると高金利通貨ではなくなってしまうのでスワップポイントも下落。場合によってはマイナススワップにってしまうケースもあります。
FX会社もアナウンスをしています。
トルコリラのスワップポイント受取額と相場変動リスクについて
トルコ銀行監督庁が日本時間13日早朝に非居住者によるリラ売り制限を強化したことで、トルコリラのフォワード市場が不安定となり、今後トルコリラは、スワップポイントの受取額がゼロになる、あるいはマイナスとなる観測が浮上しております。またスワップ規制でトルコリラの減価が続いており、昨日(4月15日)には「トルコリラ/円」が約20ヵ月ぶりに史上最安値を更新しております。
引用:外為どっとコム|お知らせ
【重要】「トルコリラ/円」の相場変動ならびスワップポイントに関するご注意
現在、トルコの地政学リスクの高まりにより、トルコ金融市場が乱高下しております。お客様におかれましては、以下の点にご注意くださいますようお願いいたします。
トルコリラ/円のスワップポイントに関するご注意
すでにスワップポイントは乱高下しておりますが、今後の状況により、さらに変動する場合がございます。
また、金利情勢によっては買い建玉売り建玉ともにスワップポイントが支払いになる可能性もございますので、あらかじめご了承ください。引用:楽天証券|お知らせ
【最重要】トルコリラ/円のスワップポイントの変動について
平素より、トレイダーズ証券をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
現在、トルコの短期金融市場の急変動により短期金利に変動が生じているため、当社においてもスワップポイントが不安定な状況でございます。
今後も、トルコリラ/円のスワップポイントが政策金利から大きくかい離した金額となる可能性があり、また、広告表示の金額を提示できないことや平常時と大きく異なる金額を提示する場合がございます。
なお、短期金利の需給が一時的に急変した場合、受け払いの方向が逆転することや売り・買い両方の取引で支払いになること、場合によっては、営業日の途中で当日スワップポイントを急遽変更させていただく等の可能性もございます。
引用:みんなのFX|お知らせ
いままで受け取っていたスワップポイントが、支払いに転じてしまうケースもあるわけです。
スワップ戦略は諸刃の剣なのじゃよ。デメリットも理解した上で取り組むべきじゃの。