FXで24%の運用益をうたって4億円を集金か
FXで高い運用益得られるとうそ 愛知県警、詐欺容疑で男逮捕
外国為替証拠金取引(FX)で成功している有名な投資家と連携することで高い利益を得られると偽り、運用資金をだまし取ったとして、愛知県警は13日、詐欺の疑いで、H容疑者(52)を逮捕した。
逮捕容疑では、昨年1月下旬ごろ、神奈川県南足柄市の会社役員の女性(46)に「100万円を1カ月で2億円以上にした『ミスターブレイン』というカリスマ的なFXトレーダーが仲間。年間24%の利息を必ず渡せる」などとうそをつき、運用資金名目で500万円を自分名義の預金口座に振り込ませたとされる。「納得できません」と容疑を否認している。
県警によると、H容疑者は2013年9月から翌年8月に、愛知、岐阜両県や東京、大阪などの少なくとも46人に、元本保証や高配当を約束。1口100万円での投資を持ちかけ、計1億4190万円を集めていたとみられている。H容疑者が実際にFXで資金を運用していた実績はなく、元本の返金などを求めて民事訴訟を起こしている出資者もいる。
H容疑者が被害者に説明した「ミスターブレイン」と呼ばれる投資家は国内に複数存在。うち1人はH容疑者と面識があったが仕事上のつながりはなく、H容疑者が資金を集める際に名前などを利用していたとみられている。
引用:中日新聞 CHUNICHI WEB
興味深いニュースです。FX投資詐欺の容疑で逮捕された事件ですが、どうやらお金を集める際にミスターブレインの名を利用していたということです。
FX界でミスターブレインといえば、何人か存在します。まずは、当サイトでも取り上げた商材「トリニティスキャルパー」や「クロスファイア」などのEA開発を手がけたMr.Brain氏です。
それから2年で3億円以上をEAで稼いだとされるM氏の知人である二人組のミスターブレイン氏(ミスター氏とブレイン氏の2人)。
ちなみに、今回のFX詐欺容疑事件は名古屋市在住の男性が逮捕されています。そして二人組のミスターブレイン氏も上の記事によれば「名古屋からやってきた」とされています。このほかにも、ミスターブレインと自称しているトレーダーが存在するかもしれません。
【2024年5月版】優位性の高いFX商材 Best4
ミスターブレインに運用を委託するとウソをついてお金を集めた?
今回の事件の容疑者が、どの「ミスターブレイン」氏の名前を利用したのかは不明ですが、多くのメディアに登場していて有名なのは二人組のミスターブレイン氏です。雑誌ザイにも掲載されていましたね。しかも容疑者と同様に名古屋に拠点をおいている可能性が高いです。容疑者と面識はあったようですが、勝手に名前を使われてしまい資金集めのエサにされてしまうとは、非常に迷惑な話です。
それにしてもFXで24%の配当をうたうとは、なかなかの大風呂敷ですね。「H容疑者が実際にFXで資金を運用していた実績はなく」と記事にありますが、本当であれば詐欺で起訴される可能性もありそうです。
ただこの手の投資詐欺事件では、容疑が不十分ということで不起訴になるケースもあります。今後の実態解明に注目したいところです。
多発するFX投資詐欺(容疑)と、失われた金額の大きさに驚く
FX投資詐欺のニュースが流れるたびに、集まった金額の大きさに驚かされます。不起訴にはなりましたが札幌のオール・インによるFXソフト事件では337億円を集めたとされています。
また愛知でおきたFXファンド詐欺事件では4億円弱を集めています。
東京のFXファンド事件では25億円を集めています。
新宿の無登録業者がFXファンドで集めたお金は百数十億円とのことです。
これらは氷山の一角に過ぎず、世に出ていないFX詐欺容疑事件はもっと存在しそうです。
FX投資詐欺がなくならないのは何故か?
どうして投資詐欺がなくならないのか?最大の理由は、投資という行為そのものにあると考えています。「投資」が不確定要素を多分に含んでいること、そして大きなリターンを得るためにはリスクがあって当然であるという現実があるからです。
高い運用益をうたってお金を集め、実際に運用して失敗すれば、これを詐欺と立証することは困難です。投資には失敗がつきものであり、ハイリターン=ハイリスク(元本を失うリスク)だからです。この現実が、投資詐欺を実行しやすくしているのではないかと考えています。つまり、まともな投資と投資詐欺は紙一重であるということです。
スタート時はまともな投資ファンドだったものが、投資に失敗することで元本を失い、結果的に出資者から訴えられる、というケースも多く存在するのではないでしょうか。もちろん最初から投資詐欺を行なうつもりでお金を集め、投資に失敗したと見せかけてお金を奪うという行為もあるでしょう。そして、その両者の違いを明確にすることは非常に難しいというのが現実なのではないでしょうか。
実際にオール・イン事件では幹部が逮捕されていますが、結果的に不起訴となり釈放されています。
実際に運用して失敗したのか?それともウソの運用をしていたのか?第三者に運用を委託した時点で、運用の実態を正確に把握することは困難になります。
投資は自己責任といわれる理由
結局、他人にお金の運用を任せる時点で、全てを失うリスクがあることを理解すべきです。全てを失ってから「詐欺だ!」と騒いでも、そのお金が戻ってくる可能性は限りなく低いです。逮捕させることはできても起訴することは難しく、民事訴訟を起こしてもお金がストックされていなければ(隠されていれば)、まず戻ってきません。
そもそも、その儲け話が本当なのか詐欺なのか、それを事前に見極めることは難しいです。儲け話に乗る人は、楽してお金儲けをしたい方ばかりなので、最初から思考停止しています。投資は自分で判断し、決断するべきです。投資は自己責任であると言われる理由は、この点にあると思います。
世の中にうまい話はない、ということを肝に銘じるべきです。