バカをカモるためのSNS詐欺の手口を詳しく紹介するよ!【その2】
前回、バカをカモるためのSNS詐欺の手口を詳しく紹介するよ!【その1】で、SNS偽アカウントを盛るための方法を解説しました。今回はその続きです。
偽のセレブアカウントが完成したら、いよいよ次のステージへ。
投資で勝ちまくっている様(さま)を見せるために、偽の取引履歴(改ざんした取引履歴)を定期的に投稿していきます。
取引履歴を改ざんしよう!
SNS上でよく見かける『取引履歴』。みなさんはあれを100%本物だと信じ込んでいませんか?
※上の画像は、Twitterの海外アカウントから拝借してきたものです。
こうして取引履歴のキャプチャ画像をSNS上に掲載されると、それを本物だと疑わない人が多いのですね。
でもこれらの取引履歴画像は比較的容易に作ることができます。最も知られている手口を紹介します。まずは2012年に執筆した記事をお読みください。
複数口座で成績を偽装するトリック
成績(取引明細)を偽装する手法で、最も手の込んだものが、以下の手口です。
まず、同一証券会社で複数のデモ口座を用意します。そして両方の口座でトレードを行い、一方の口座では反対売買をします。口座のどちらかは勝つでしょう。勝ったトレード成績のみをつなぎ合わせれば、凄い成績が完成します。
法人と個人であれば、同一証券会社にリアル口座を開設できます。デモ口座を2つ使っても偽装は可能ですね。
2つの口座を使って両建てすれば、トータル損益はゼロです。その上で、勝った成績のみをつなぎ合わせて公開すれば、素晴らしい成績の完成です。履歴画像を公開する際は、もちろん注文番号は隠します。
某有名トレーダーが、この方法を使っていたのでは?という疑惑があります。これをされると、一般人はなかなか見破ることができません。
含み損隠蔽(いんぺい)トリック
トリックでもなんでもないのですが、単に含み損が発生したポジションは、塩漬けにするという手口です。
利益が発生したトレードのみを公開すれば、連戦連勝ですね。含み損ポジションは、適当な時期に一括損切りして、隠しておけば良いだけです。
取引履歴で公開する場合は、注文番号が抜けてしまうので、連番になるようにペイントソフトなどで書き換えたりします。
分割決済による獲得pips水増しトリック
この手口も、有名です。
ちょっと複雑なので詳しく解説してみます。ポジションを建てるときに複数ポジションを同時に建てます。
勝っている場合ですが、最初に建てたポジションを、複数回に分けて決済(分割決済)します。例えば5枚でポジションを建て、1枚ずつ5回に分けて決済をしたとします。
- 1回目決済:+10pips
- 2回目決済:+2pips
- 3回目決済:+4pips
- 4回目決済:+8pips
- 5回目決済:+6pips
この結果を(10+2+4+8+6)=30pips として掲載(公表)します。30pipsの勝ちとなりますね。
逆に損失が発生した場合は、一括で損切りします。そうすれば、損切りpipsは、一定(1回)の数字になります。
- 例)一括決済(損切り) ▲10pips(5枚)
実際は(▲10pips)×5枚=▲50pips ですが、公表する数字は▲10pipsとするわけです。
この手口のポイントは、損益金額や枚数(ロット数)を隠すという点です。枚数(上記の例では5枚)や損益金額を記載しないことで、成績を水増しすることができます。
勝った場合は数枚を分割決済した形で表示、負けた場合は1枚での表示、としているわけです。
この手口も、注意深く見ないと簡単に騙されます。
ペイントソフトで取引明細を書き換えるトリック
最初の方にも書きましたが、ペイントソフト(画像加工ソフト)を使って取引明細の数字を書き換える(もしくは、新たに作る)という手口です。
比較的よく使われる手口ですね。
スキャルのように毎日多くのトレードがある場合はかなり面倒な作業ですが、デイトレやスイング的なトレードであれば、月に20~30個程度を書き換えればOKです。
手作業で行うので、時々ミス(書き換えミス)をしてしまうのでしょうね。そのミスから、手口が発覚してしまうことも多いようです。
証券会社の口座キャプチャを偽造するトリック
さらに大胆な手口としては、証券会社口座画面の残高を書き換えるというものもあります。
手口は大胆ですが、作業は極めて簡単です。書き換える場所は数カ所でOKです。口座残高や決済損益などを、巧妙に書き換えます。
同じ画面から数字画像をコピーして組み直し、上から張り直します。この手口について解説しているサイトがあります。
- favorite のFX捏造日記
- お金を偽造する方法
ご覧の通り、結構簡単にできてしまいます。証券会社の口座残高を提示されれば、たいていの人は本物だと信じてしまいます。怖いですね。
当サイトでも、証券会社口座キャプチャに関する記事を書いています。
EA(自動売買)のバックテスト結果を偽造するトリック
EA(自動売買)のバックテスト結果も、簡単に偽造できます。EAにおいては、バックテストデータが、結構重要視されますね。
だからこそ、販売者も必死に良い成績を出そうと工夫します。カーブフィッティングですね。
しかし、どんなにカーブフィッティングしても、あるタイミングでバックテスト成績が悪化してしまう時期が発生するケースも出てきます。
そこで、バックテスト用のヒストリカルデータを改ざんするわけです。ヒストリカルデータとは、過去レートのデータのことです。
通常は、FX業者などから入手した過去5~10年のヒストリカルデータを、そのまま使用します。
このヒストリカルデータの一部(1日~数日分)を削除するわけです。
バックテストにおいて、大きくドローダウンする(もしくは破綻する)箇所の、ヒストリカルデータを削除すれば良いわけです。5~10年間のデータの内数日分を削除しても、一般の人にはなかなか見抜けません。
販売者にとって都合の良いバックテストデータの完成です。
2012年に書いた記事ですが、2020年になってもやっていることは上と対して変わっていません。
以下の記事は、週刊SPA!の記事『SNS上に増殖する[偽トレーダーの手口]を暴く! 取引履歴の改ざんツールも配布!?』からの引用です。
取引履歴をどう偽装するのか。
「単純なのは2口座用意すること。一方は買い、他方は売りポジションを持てばどちらかは儲かる。SNSでは勝ったほうの口座だけを見せる。
このほかデモ口座を使う方法もありますが、口座番号や接続先サーバーに『Demo』と表示されることもあり、バレやすい。実際に偽装がバレたヤツもいます。
50万円もする自動売買システムを使えば大儲けできるとYouTubeで宣伝していたら、一瞬『デモ口座』の文字が映り込んでしまったんです(苦笑)。その“デモトレーダー”はまだ名前を変えて活動していますが……」
引用:ハーバービジネスオンライン
やはり一般的なのは、2口座用意して、別々のポジションを建てて、勝った方だけをSNSに投稿するというシンプルな手口のようですね。
「取引履歴改ざんツールを提供するから、宣伝してくれない?」
さらにもっと衝撃的な事実が。
海外FX業者が、宣伝用の「取引履歴改ざんツール」を提供しているというもの。
ただし、近年は改ざんの手口が高度化。もはや虚実の判別は困難になっているという。
「実は、海外FX業者の代理店を名乗る営業の人から何度もDMをもらったことがあります。『自由に取引履歴をつくれるようにしているので、それを使って宣伝してもらえませんか?』と。『宣伝用』の改ざんツールがあるんです。本口座のサーバーでデモ口座を利用できるようにして、本口座とまったく同じ取引画面なのにデモのように数字をいじれるようにしている海外FX業者もあります」
引用:ハーバービジネスオンライン
もはやここまでくると、組織的で大掛かりな詐欺行為といえます。
引用元に、非常にわかりやすい詐欺の構図を表したものがあったので画像を引用させていただきます。
まさに、今、SNS上で行われている投資詐欺の手口をそのまま構図化したものです。
SNSが大量の”バカ”を集めるプラットフォームであり続ける限り、結果的に、手練手管の詐欺師を呼び寄せてしまう…
SNSを舞台にした投資詐欺。今後も決してなくならないでしょうね。なぜなら、SNSはバカの集まりだからです。SNSが大量のカモが集まるプラットフォームであり続ける限り、結果的に、手練手管の詐欺師を呼び寄せます。
SNSは、詐欺師にとって格好な狩場なのです。