”おまいら何ロットでやってる?”
FX初心者ほど、ロット数をどうやって決めてよいのか悩みます。
ロット数ってどうやって決めるのだろう?
目安がわからない…
適切なロット数の目安って難しいですよね。
ロットの概念については以下の記事で詳しく解説しています。
ロットは各FX会社が定める取引最小単位です。ロットの基準(単位)はFX証券会社によって異なりますので、まずはあなたが使っているFX会社のルールをチェックしましょう。
ロット単位の基準
- 1ロット=100,000通貨(←グローバル・スタンダード)
- 1ロット=10,000通貨(←日本国内のFX会社の多くが採用)
- 1ロット=1000通貨(←まれにある、マイクロロット)
ここでは1ロット=10,000通貨として話を進めます。
”まず生き残れ!儲けるのはそれからだ”
適切なロットサイズを語る前に重要な点を一つ。
FXに限らず、あらゆる投資で絶対に避けなければいけないことは何でしょうか?
それは「生き残ること」です。「退場させられないこと」とも言えます。退場とは、資金の大半を失い新たな取引ができなくなることを指します。
ジョージ・ソロスも次のように語っています。
まず生き残れ!儲けるのはそれからだ
byジョージ・ソロス
FX初心者ほど”勝ち”にこだわりますが、まずなによりも退場させられないことを意識すべきなのですね。
そして、相場で生き残るため(退場しないため)には、適切な資金管理が欠かせません。その資金管理において最も重要な要素がロット数(ポジションサイズ)なのです。
適切なロット数を決めるために必要な要素は2つだけ!
適切なロット数とは、負けたときにできる限り『退場させられないロット数』であること。
『退場させられないロット数』を決めるために必要な要素は以下の2つです。
- 1回の取引における損失許容額の割合
- 損切り幅
この2つがわかれば、あなたにとっての適切なロット数はすぐに算出可能です。
1.1回の取引における損失許容額の割合
損失許容額とは、1回のトレードで失っても良いと考える金額。
トレードで負けたときに当然掛け金を失うことになりますが、その金額を事前に決めておくということです。
損失許容額を決定するルールとして最も有名なものが『投資苑2』(Alexander Elder アレキサンダー・エルダー著)の中で提唱された2%ルールです。
非常に優れた投資本ですので、一読をオススメします。
2%ルールは、第7章の資金管理の公式(MONEY MANAGEMENT FORMULAS)にて詳しく解説されています。一部を引用します。
第7章 資金管理の公式(MONEY MANAGEMENT FORMULAS)
(中略)
特に重要なルールは、どんなトレードの場合でも、損失を口座の小部分に限定することです。
どんなトレードの場合でも損失を口座の資金の2%に限定すること
2%ルールはもっぱら取引口座に適用されます。トレーダーの預金、持ち家の純資産価値、年金講座、あるいはクリスマスクラブ預金などは適用されません。トレーディング資金はトレーディング専用のお金です。これは真のリスク資金であり、トレーディング事業の資金です。そこに含まれるのは、口座の現金や現金等価物さらにすべての未決済ポジションの当日の市場価格です。トレーダーのシステムは儲ける手段、2%ルールは避け難い下落を乗り切る手段です。
仮に、5万ドルの口座で取引しているとします。買いたい株はXYZ株で、現在20ドルでトレードされています。利食い目標は26ドルで、逆指値は18ドルに置きます。XYZ株を何株買えるでしょうか?5万ドルの2%は1000ドルで、これが最大受容リスクです。20ドルで買って逆指値を18ドルに置くと、1株当りのリスクは2ドルです。最大受容リスクを1株当たりのリスクで割ると買える株数がわかります。つまり、1000ドルを2ドルで割って500株になります。これが、理論上の最大株数です。実際は、手数料を払わなければならないしスリッページを被る準備もしなければならず、それをすべて2%の上限内に収める必要があるわけですから、さらに株数を減らさなければなりません。だから、500株ではなく400株がこのトレードの上限です。
(中略)
可能性のあるトレードを調べるときは常に、取引単位、つまり1枚当たりの論理的な逆指値が2%ルールに沿っているかどうかをチェックします。2%を超える場合、そのトレードは休みます。
引用:投資苑2
2%ルールは以下の一文に集約されます。
つまり損失許容額を全口座資金の2%に設定するというものです。口座に10万円が入っているならば一度の損失許容額は2,000円(10万円の2%)。100万円が口座にあるなら、一度の損失許容額は20,000円(100万円の2%)。
2%ルールならば、連続10回負けてもダメージは全口座資金の20%で済むぞ。
2%ルールにおいては、リスクを2%超えない範囲で決定するのは自由です。1.5%だったり、より慎重にトレードするなら1%もアリです。
損失許容度は、トレーダーのスキルによって様々です。アグレッシブに攻めるならば2%を越えても良いかもしれませが、口座資金を失うリスクは高まります。
2.損切り幅を決める(手法による)
次にトレードにおける損切り幅(ストップロス=SL)を決めます。
損切り幅はあなたのトレード手法によります。損切り幅を常に一定で取引するのか、それともトレードごとに微調整するのか。
たいていの手法において、損切りラインまでの距離(=pips)は利食い目安と一緒に、仕掛け(Entry)前に決めますよね。
よし!
利益確定は30pips(あるいはボリバン上限タッチ)だ。
損切りは10pips(あるいはボリバンセンターラインタッチ)にしよう!
あるいは…
トレンドが続けば含み益は伸ばしていきたいわ!
だけど逆行したときは15pipsで損切りするのが無難ね!
などです。
【2024年5月版】優位性の高いFX商材 Best4
あなたに適切なロット数を計算してみよう!
必要な項目は出揃いました。では適切なロット数を算出してみましょう。
まずはAさん。取引通貨はUSD/JPY(米ドル円)です。
【Aさん】
口座資金は30万円。2%ルールを使います。
今回のトレードでは損切り幅は10pipsで設定します。
Aさんの口座資金は30万円です。
1回の取引における損失許容額を2%ルールに基づいて算出すると…
= 30万円 ✕ 2%
= 6,000円
損失許容額は6,000円です。
今回の取引における損切り幅は10pips(0.1円)です。
ここでおさらいです。1pips動くといくらの損益が発生するかは、以下の計算式でしたね。
1pipsの損益額計算式
pipsの計算、わかりやすく解説するよ!小学生でも理解できるよ!で詳しく解説しておるぞ。
最も計算が簡単なUSD/JPY(ドル円)で計算してみます。取引量が1万通貨(1ロット)のケースでは…
損益 = 10pips ✕ 取引量
損益 = 0.1円 ✕ 10,000通貨(1ロット)
損益 = 1,000円
まとめた表がこちら。
1ロット(10,000通貨)あたりで10pips動けば1000円の損益です。6000円までの損失を許容できるならば…
6000円÷1000円✕10,000通貨
=60,000通貨
つまり60,000通貨、6ロットが適切なポジションサイズとなります。※1ロット=10,000通貨で計算。
計算が面倒くさい!…ていうあなたへ
えぇー、なんだかロット計算って面倒くさくない?
トレードするたびに、毎回こんな計算しなくちゃ行けないの?
ほほほ。説明のために回りくどい解説をしたが、簡単な計算式はあるぞ。
先ほどは、まどろっこしい解説になりましたが、もっと簡単に算出する方法があります。
口座資金量 ✕ 1回のトレードにおける損失許容額(%)÷ 損切り幅
この計算式に先ほどの例を当てはめてみましょう。
【Aさん】
口座資金は30万円。2%ルールを使います。
今回のトレードでは損切り幅は10pips(0.1円)で設定します。
=口座資金量 ✕ 1回のトレードにおける損失許容額(%)÷ 損切り幅
=30万円 ✕ 2% ÷ 10pips
=6,000円 ÷ 0.1円
=60,000通貨(6ロット)
60,000通貨=6ロットが適切なポジションサイズとなります。※1ロット=10,000通貨で計算。
別の例で計算してみましょう。
【Bさん】
口座資金は100万円。2%ルールを使います。
今回のトレードでは損切り幅は15pips(0.15円)で設定します。
=口座資金量 ✕ 1回のトレードにおける損失許容額(%)÷ 損切り幅
=100万円 ✕ 2% ÷ 15pips
=20,000円 ÷ 0.15円
=133,333通貨(≒13ロット)
Bさんの適切なロット数(ポジションサイズ)は13ロット(13.33万通貨)と算出されました。※1ロット=10,000通貨で計算。
慣れれば簡単です。以下の式を覚えておきましょう。
口座資金量 ✕ 1回のトレードにおける損失許容額(%)÷ 損切り幅