高齢者から「181億円」をだまし取った大規模詐欺
またまた大規模投資詐欺の摘発です。
「大富豪輩出システム」と呼ばれる海外広告収入を謳う投資詐欺で、2万人から181億円をだまし取ったグールプが逮捕されました。首謀者は66歳の「おばさん」です。
高率の紹介手数料で集金額拡大 SNS広告権虚偽勧誘
マレーシア発の交流サイト(SNS)の広告権購入を持ちかけて不正に資金を集めていた勧誘グループが逮捕された事件で、このグループが、知人を紹介した出資者に対し、知人の出資額の10%を紹介手数料として支払っていたことが13日、捜査関係者への取材で分かった。
警視庁は高率の紹介手数料を媒介にした連鎖販売取引(マルチ商法)で集金額を急拡大させたとみて調べている。
特定商取引法違反容疑で逮捕されたのは、会社役員のY容疑者(66)ら男女4人。グループは遅くとも2013年夏には資金集めを始め、4年間で全国の高齢者ら延べ約2万3千人から約181億円を集金していたとみられている。
引用:日本経済新聞 2019年3月13日版
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壮大なウソ
首謀者であるY容疑者(66)は、マレーシアのSNSである「Mface」(フェイスブックのようなもの)の代理店であると称して、「Mface」の広告枠を高齢者に販売し、181億円ものお金を集めました。
広告枠を購入すれば、電子クーポンと呼ばれる配当が手に入り、現金化も可能との触れ込みでした。電子クーポンは持っているだけで値上がりし儲かるから、絶対に現金化せずに持っていたほうがお得だと説明して、現金化されることを回避していたわけです(実際に現金化を申し出ても、ほとんど応じなかった)。
もともとY容疑者(66)が代表を務める「クラブワン」とマレーシアの「Mface」との間には、公式な代理店契約など皆無だったのです。
すべてが、壮大なウソだったわけです。
「マルチ勧誘」で被害が急拡大
被害総額181億円、被害者2万人…。
ここまで被害が拡大した原因は、やはり「マルチシステム」による勧誘でした。会員が知人を紹介すれば、知人の出資額の10%を紹介手数料として支払っていたのです。
このマルチ勧誘によって被害額・被害者の人数が急拡大したわけです。
もう、お決まりのパターンですね。
高齢者が、自分の友だちを勧誘し、紹介手数料を10%手にする。アコギというか、意地汚いというか、非常に浅ましさを感じます。
被害者のほとんどの人は、「良かれと思って…」勧誘したなどと綺麗事を述べるでしょうが、その裏には損得勘定丸出しの下品な下心が見え隠れしています。
「DMM」亀山会長の「寓話」を、いますぐ読むべき!
DMMグループを一代で築いた亀山敬司会長が主催する「DMM亀山塾」。その中で、亀山氏が語る寓話を紹介します。少し長いですが引用します。
昔話でこういうのがある。どこかの村にお地蔵さんがあって、そこに村人がお饅頭を1個お供えしたんだって。
ところが翌日になったら、お饅頭が2つになっていたらしい。「あれあれ? おかしい」と思いながらそのままにしていたら、そのまた次の日になったら4個になっていた。
これはすごいなと噂が広がって、村の衆が集まってきて、じゃあ俺も置こう、俺も置こうと言って、みんな置いたわけよ。
そしたらやっぱり100個置いた饅頭が、翌日には200個になった。噂は隣村まで広がって、試しに米やら野菜やらいろんな物をお供えしたら、これもすべて翌日には倍になっていた。
そうしたら村のみんなは狂喜乱舞して、家中のものを集めてお供えしたんだ。そして翌日、村人たちが勇んでお地蔵さんの前に行ってみると、そこには何一つ残っていなかったとさ。おしまい。
この寓話ですが、まさに投資詐欺の本質そのものだと思いませんか?
そもそも、「必ずお金が増える」ならば、自分で銀行からお金を借りて自ら投資すればよいわけです。
本当に一月(ひとつき)に20%儲かる話があるならば、金融機関から月10%の金利で借りたとしても、毎月10%儲かるわけです。必死に1億円かき集めれば、毎月1000万円儲かります。
どうして、毎月高配当が確約される儲け話に他人を勧誘するのか?そんなこと、少し冷静に考えればわかるはずです。
騙される人に同情する人は少ないでしょうね。