スプレッドが変動する理由、説明できますか?
スプレッドってときどき変動しているけど、どうして動くのかな?
真の外国為替市場(インターバンク市場)では、スプレッドは変動するのが常識じゃよ。
それをFX会社の企業努力で固定スプレッドを提示しているだけなのじゃ。
つまりFX会社が変動スプレッド分のリスクを引き受けているのじゃ。
じゃから相場急変や指標発表時は企業努力の範囲を超えるから、そのときだけはスプレッドが拡大してしまうのじゃよ。
スプレッドには固定スプレッドと変動スプレッドがあることはよく知られています。
- 固定スプレッド
- 変動スプレッド
固定スプレッドは、レート変動してもスプレッド幅が一定に保たれています(原則)。例えばUSD/JPY(米ドル円)のスプレッドが固定で「2銭」と表示されていれば、レートが変動しても売値と買値の幅が常に「2銭」のままです。
一方、変動スプレッドは、レートの動きに応じて売値と買値の幅(=スプレッド)が広がったり縮まったりします。いわゆるプロの世界(インターバンク市場)では、変動スプレッドが基本です。相場状況に応じて常に売値と買値の幅が動いています。
FX会社が固定スプレッドを提供できる理由
多くのFX会社では、メジャー通貨に関しては原則固定スプレッド制でサービスを提供しています。「原則」固定というのは、常にいかなる時も固定スプレッドということではないことを意味します。
例えば、重要指標発表時や、何らかの外的要因で相場が急変したときや、極端にボラティリティが低下した状況では、スプレッドが拡大して提示されることがあります。逆にいえばそれ以外のときは、固定スプレッド、つまり売値と買値の幅は固定されています。
一方、プロの世界(真の外国為替市場=インターバンク市場)では、変動スプレッドが常識です。
ではどうしてFX会社は(原則)固定スプレッドを提示できるのでしょうか?それはFX会社が変動スプレッド分のリスクを引き受けているからです。いわゆる企業努力ですね。
結局のところ、私たちが取引しているのはインターバンク市場を精巧に模したヴァーチャル市場です。FX会社が作った仮想空間の中で外国為替取引のマネごとをしているに過ぎません。
- FX会社は、本物の為替市場を精巧に模した”ニセモノの為替市場”を作っている
- あなたは”外国為替市場で取引している”と勘違いしていないか?
- ”我々が目にするFXチャートは実際のマーケットを精巧に模倣したものにすぎないのだよ”
- 厳密に言えば東京市場、ロンドン市場、NY市場など存在しない…
だからこそ、スプレッド(価格差)も本物の市場とは異なるわけです。
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スプレッドが変動する理由とは?
(原則)固定スプレッドを提供できるのは、FX会社の企業努力の賜物であり、企業間競争があるからこそ私たちは低スプレッドの恩恵を受けられるのですね。
基本的には取引量が多くボラティリティが高い通貨ペアにおいては、低スプレッドの提供が行われます。特に米ドル円などは極めて低いスプレッドで取引できます。
それでもスプレッド(価格差)が変動するケースがありますよね。先に挙げた重要指標発表時、そして何らかの外的要因で相場が急変したときや極端にボラティリティが低下した状況です。
どちらに動くか予測できない指標発表時などは、ボラティリティが一時的に低下し、流動性が著しく低下します。取引相手が減少することで、インターバンク市場ではスプレッドは大きく開くことになります。当然、FX業者のカバー先金融機関でもスプレッドが拡大します。
スプレッド(価格差)があまりにも拡大した場合、FX会社がその変動を吸収しきれなくなってしまいますよね。結果的に私たちのスプレッドも拡大してしまうのです。
意図的にスプレッドを拡大させるケースもある…
スプレッドを拡大させる理由はもう一つあります。スプレッドは取引コストと捉えられているので、難しい相場で取引コストを引き上げることで、顧客の無謀な取引を回避させる効果もあります。
指標発表時や、もともと流動性の低い通貨ペアなど、流動性が低い相場での取引は非常に難しく、ミストレードに繋がります。取引機会を限定し顧客の損失を防ぐ狙いでスプレッド(手数料)を意図的に引き上げるケースもあるのですね。
その逆もあります。稼ぎやすい相場であえてスプレッドを拡大させることで、顧客が稼ぎにくくさせるのです。
FX黎明期に、早朝逆張りスキャルEA(自動売買ツール)がFX業界を席巻した時期がありました。トレンドが発生しにくい日本時間の早朝を狙い撃ちした逆張りEAです。このEAが勝ちまくったのですね。当時は多くの早朝逆張りスキャルEAが販売され、そのどれもが大きな成績を残せたのです。FX業者にとってはこれは面白くありません。
早朝逆張りスキャルEAの優位性を奪うために、FX業者は早朝のスプレッドを拡大する対策を講じました。またEAそのものの使用を禁止するという暴挙に出たところもあります。結果的に早朝逆張りスキャルEA(自動売買ツール)の息の根を止めることに成功したのです。
結局のところ、われわれはFX業者が作った箱庭(ヴァーチャル空間)の中で取引させてもらっているわけじゃ。
顧客に儲けさせることよりも、自分たちが損をしないことを優先する…これがFX業界であることを忘れてはいかんのじゃよ。