PIVOT(ピボット)とは?
投資を始めると『PIVOT(ピボット)』という聞き慣れないワードを耳にするようになります。
ところでPIVOT(ピボット)とはなにでしょうか?「PIVOT」は、前日の高値、安値、終値の平均値を当日の価格帯の中心軸とし、その上下に一定幅で抵抗帯や支持帯を定めて価格変動幅を予測するためのテクニカル指標です。正しくは「PIVOT POINTS」(ピボット・ポイント)。
「PIVOT」のそもそもの意味は、「中心」とか「要点」「かなめ」「(旋回の)軸」です。
英語「PIVOT」の意味
- 中心
- 要点
- かなめ
- (旋回の)軸
PIVOT POINTS(ピボット・ポイント)の考案者はJ.W.ワイルダー
「PIVOT POINTS」(ピボット・ポイント)を考案した人物は、ATR、RSI、ADX、パラボリックSARなど数々のテクニカル指標を考案したJohn Welles Wilder.Jr(J.W.ワイルダー)です。彼の著書『New Concepts in Technical Trading Systems 』内では、THE REACTION TREND SYSTEM(リアクション・トレンド・システム)として解説されています。
前日の高値(H)、安値(L)、終値(C)の平均値を算出し、当日の価格帯の中心軸(つまり、PIVOT POINTS)として定めます。その中心軸(PIVOT POINTS)から想定される支持線や抵抗線を割り出し、当日の価格変動幅を予測するというテクニカルです。支持線や抵抗線の算出方法も『New Concepts in Technical Trading Systems 』内に記載されています。
ワイルダーの計算式を整理してみましょう。
- H=高値
- L=安値
- C=終値
- X(PIVOT POINTS)=(H + L + C)÷ 3
- S1(Sell Point)=2X - L
- B1(Buy Point)=2X - H
- HBOP(High Break Out Point)=上方ブレイクアウトポイント=2X - 2L + H
- LBOP(Low Break Out Point)=下方ブレイクアウトポイント=2X - 2H + L
PIVOTで通常使われる「S」や「R」は、Supportの「S」、Resistanceの「R」ですが、ワイルダーの原書では「S」はSell Pointの「S」、そしてBuy Pointの「B」が使われているため、ちょっとわかりにくいかもしれませんね。
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John Welles Wilder.Jr(J.W.ワイルダー)の「PIVOT」は逆張りを想定したテクニカル指標だ
計算式から分かる通り、基本的には逆張りで使うことを想定したテクニカル指標です。概念としては、PP(PIVOT POINTS)を中心軸に据え、そこから当日の抵抗線や支持線の目安を求めるというもの。
使い方としては、支持線(B1)や抵抗線(S1)への近接で逆張りで仕掛けていきます。つまり、B1への到達は「買いサイン」。そして「S1」への到達は「売りサイン」です。
HBOP・LBOPブレイクで順張りで仕掛ける
そしてHBOP・LBOPは、順張りで仕掛けていく目安となるラインです。HBOP(High Break Out Point=上方ブレイクアウトポイント)は、このラインを上抜けたら「買いサイン」となります。LBOP(Low Break Out Point=下方ブレイクアウトポイント)は、このラインを下抜けたら「売りサイン」ですね。
John Welles Wilder.Jr(J.W.ワイルダー)の「The Reaction Trend System」をベースに、現代版『PIVOT』へと改良された
私たちが通常目にするPIVOTの原型は、John Welles Wilder.Jr(J.W.ワイルダー)の「The Reaction Trend System」だったわけです。前日の高値・安値・終値の平均値から、当日の支持帯や抵抗帯を求め、価格変動を予測して仕掛けの目安とする。普遍性があり、汎用性の高いテクニカル指標として、現代でも多くのトレーダーに使われています。
前回紹介した『PivotPoints.All-In-One.ex4』も、ベースはJohn Welles Wilder.Jr(J.W.ワイルダー)の「The Reaction Trend System」です。
『PivotPoints.All-In-One.ex4』は、PP(Pivot Point)を中心に上下合計8本のラインを自動で描写してくれる便利なインジケーターです。
PIVOTをトレードに活用したいならば、ぜひ導入してほしいインジケーターの一つです。