【FX】東京市場の次はなぜロンドン市場なのか?
東京市場の次って「ロンドン市場」だって言われてるけど、どうしてなの?
デリー市場とかドバイ市場とか入らないのかな?
それは日本を基準に考えているからじゃよ。
ロンドン市場やNY市場以外にもたくさんの市場があるのじゃ。
極論じゃが、為替取引に参加する国の数だけ、市場があると言っても過言ではないぞ。
日本人の多くが耳にする三大市場といえば次の3つですよね。
- 東京市場
- ロンドン市場(欧州市場)
- NY市場
しかしこれらはあくまでも日本人目線からみた市場であり、世界には多くの市場が存在します。
アジア・ユーラシア圏
- ウェリントン(ニュージーランド)
- シドニー(オーストラリア)
- 東京(日本)
- 香港(中国)
- 上海(中国)
- シンガポール(シンガポール)
- ニューデリー(インド)
- ドバイ(ドバイ)
- モスクワ(ロシア)
ヨーロッパ圏
- フランクフルト(ドイツ)
- チューリッヒ(スイス)
- パリ(フランス)
- ロンドン(イギリス)
- ヨハネスブルグ(南アフリカ)
北アメリカ圏
- ニューヨーク(アメリカ)
- シカゴ(アメリカ)
- トロント(カナダ)
極論ですが、(為替取引をおこなっている)国の数だけ市場が存在するとも言えます。東京市場・ロンドン市場・NY市場は、数ある市場(国)の中の一部に過ぎません。
そして日本人にとって馴染みの深い市場が、東京市場・ロンドン市場・NY市場なのです。
一方、世界的に見れば、日本人の多くが参加する「日本市場」の規模は第5位。
国別の1日当たり外国為替取引額(2019年)
日本の市場規模は世界でみれば第5位。
シンガポールや香港市場のほうが遥かに大きいのじゃ。
イギリス人やアメリカ人から見れば、世界の三大市場は、
- イギリス
- NY(アメリカ)
- シンガポール
かもしれませんし、香港人から見れば世界の三大市場は、
- イギリス
- NY(アメリカ)
- 香港
ということになるかもしれないのです。
日本人は日本円がからむ通貨ペア取引を好む
日本人トレーダーの多くは、日本円が絡む通貨ペアの取引を好みます。一般社団法人金融先物取引業協会のデータでは取引量ランキングは以下の通り。
FX取引金額TOP10(一般社団法人金融先物取引業協会データ)
順位 | 通貨ペア |
1位 | USD/JPY(米ドル円) |
2位 | GBP/JPY(ポンド円) |
3位 | AUD/JPY(豪ドル円) |
4位 | EUR/USD(ユーロ米ドル) |
5位 | EUR/JPY(ユーロ円) |
6位 | GBP/USD(ポンド米ドル) |
7位 | AUD/USD(豪ドル米ドル) |
8位 | NZD/JPY(NZドル円) |
9位 | MXN/JPY(メキシコペソ円) |
10位 | GBP/AUD(ポンド豪ドル) |
日本円が絡む通貨ペアを見れば、おのずと日本人にとって重要な市場が見えてきますよね。つまり…
- アメリカ(米ドル)
- イギリス(ポンド)
そして「日本(円)」です。
なので、日本人トレーダーにとっての主要市場は以下の3つなのですね。
- 東京市場
- ロンドン市場(欧州市場)
- NY市場
USD/JPY(米ドル円)は世界で二番目に取引量が多い
一方、世界規模でみたときの取引量の多い通貨ペアランキングは次の通り。
世界で取引量(1日)の多い通貨ペアTOP10【国際決済銀行=BIS調査】※2019年4月データ
順位 | 通貨ペア | シェア |
1位 | EUR/USD(ユーロ米ドル) | 24.0% |
2位 | USD/JPY(米ドル円) | 13.2% |
3位 | GBP/USD(ポンド米ドル) | 9.6% |
4位 | AUD/USD(豪ドル米ドル) | 5.4% |
5位 | USD/CAD(米ドルカナダドル) | 4.4% |
6位 | USD/CNY(米ドル人民元) | 4.1% |
7位 | USD/CHF(米ドルスイスフラン) | 3.5% |
8位 | USD/HKD(米ドル香港ドル) | 3.3% |
9位 | EUR/GBP(ユーロポンド) | 2.0% |
10位 | USD/KRW(米ドル韓国ウォン) | 1.9% |
ご覧の通り、日本円が絡む通貨ペアは1つだけ、USD/JPY(米ドル円)のみ。あとは、人民元や香港ドル・韓国ウォンなど、日本人にとっては馴染みの薄い通貨ペアがランクインしていますね。
とはいえ、USD/JPY(米ドル円)は世界第二位の取引量(13.2%)です。米ドルの世界的な流動性の高さと、日本円のアジア圏での流動性の高さ、この2つの要因によって取引量が多いのですね。
ただ、この事実が日本市場の大きさを表しているわけではなく、ただたんに世界規模でみたときに流動性の高いUSD/JPYの取引量が多いということを示しているだけ。
イギリス人やアメリカ人(あるいは香港人・シンガポール人)にとっては、やはり自国での市場時間(日中)が最も取引が盛んになるわけじゃ。
それぞれの国にとっての”重要な市場”はそれぞれ異なるということじゃの。
- 東京市場
- ロンドン市場(欧州市場)
- NY市場
上の3つの市場しか存在しないと勘違いしていると、相場を俯瞰して見ることができなくなります。より高い視点から相場を見るように意識しましょう。