為替相場は週末(土日)が休み?
為替相場が動くのって、平日だけだよね?
土曜日や日曜日って止まってるよね?
為替相場が土日に動かないと思っているFX初心者が多いですね。
FX中級者ならばこう言うでしょう。
土曜日の朝までは動いているよ!
なぜならNY(ニューヨーク)相場が閉まるのは、日本時間の土曜日の朝だからね。
実はこれ(↑)も正しくはありません。
ほほほ。
正しくは『為替相場は土曜日も日曜日も動いている』じゃよ。
つまり、週末も含め24時間ずーっと動いているのじゃよ。
実は為替相場は土曜日・日曜日も動いています。
為替相場が土日(週末)に動く理由とは?
為替相場は、土曜日・日曜日でも動いています。なぜなら、土曜日でも日曜日でも為替取引が行われているからです。
でも、土日はFX会社で取引できないよね?
週末でも為替相場は動いているのですが、日本をはじめ欧米諸国では取引がお休みです。
一方、土日でも取引が行われているのが、イスラム教を奉じる国々(イスラム諸国)です。イスラム諸国とは、
- UAE(アラブ首長国連邦)
- オマーン
- サウジアラビア
- モロッコ
- エジプト
- バーレン
などです。地図ではこのあたりの国々。
イスラム教徒の休日は金曜日です。金曜日は安息日とされています。翌日の土曜日から1周間がスタートします。つまり、土曜日や日曜日はイスラム教徒にとっては「平日」なのですね。
土曜日・日曜日でも為替相場が動く理由は、平常取引を行なう人々が少なからず存在するからです。これが中東マーケットです。
一方の、アメリカや欧州などは、キリスト教の教えが色濃く反映されています。キリスト教では「日曜日」が礼拝日です。つまりお休み。そしてユダヤ教では土曜日が安息日です。土日は業務を行わないことがビジネス慣行として定着しました。日本人の大半は無宗教ですが、ビジネス慣行上、土曜日や日曜日が休日です。
ここで、為替相場と為替取引を分けて考えてみるとわかりやすいです。
為替相場 | 為替取引(欧米・日本・アジア) | 為替取引(イスラム圏) | |
月曜日 | 動いている | 取引されている | 取引されている |
火曜日 | 動いている | 取引されている | 取引されている |
水曜日 | 動いている | 取引されている | 取引されている |
木曜日 | 動いている | 取引されている | 取引されている |
金曜日 | 動いている | 取引されている | 取引されていない |
土曜日 | 動いている | 取引されていない | 取引されている |
日曜日 | 動いている | 取引されていない | 取引されている |
欧米では土曜日・日曜日が休みなので、全ての金融機関が閉まっています。結果的に銀行間取引(インターバンク)も機能しません。大半のFX証券会社もビジネス慣行に則り、業務をおこなっていません。だから私たち個人投資家は、週末は取引できないのです。
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過去には土日取引できるFX会社が存在した
厳密に言えば、土日も為替相場は動いている(イスラム圏で取引されている)ので、FX会社も取引機会を提供することは可能です。ただ、平日と比べると極端に取引ボリュームが少ないため(=薄商い)、ボラティリティ(流動性)はほとんどありません。スプレッドも大きくなり稼ぎにくい相場です。
2011年頃にはOANDAが土日取引できるサービスを提供していましたが、結局すぐにサービス終了しました。
メジャー通貨ペアですらスプレッドは20〜30pipsくらいありました。このスプレッドで取引したい人っていますか?いませんよね。
中東マーケットは、FXトレーダーにとって全く旨味がないのです。サービス終了もうなずけますよね。
中東マーケットは基本的に薄商いだ
土曜日・日曜日の為替相場は、中東マーケットによって支えられています。しかし欧米が参加しないため取引量は極端に少ないのが特徴です。
実際に土日のレートを見ればわかりますが、ほぼ動きません。土曜日早朝のNYクローズ値と、月曜日早朝のオセアニアオープン値はほとんど同じです。
もちろん、週末に世界のどこかで大きな事件(戦争や政治危機、金融危機など)が勃発すれば為替レートに大きな影響を与えます。そうなれば週明けの月曜日は相場が荒れます。一気にレートが飛んでスタートすることもあります。これが窓開けとよばれる現象です。
まとめると、土曜日・日曜日でも為替相場は動いているということじゃよ。
ただ中東マーケットがメインなので薄商いなのじゃ。