※2013年12月6日裁判の判決が出ました。
週刊SPA!の投資記事で裁判勃発
本日は、気になる情報をご紹介します。
FXではなく、株式投資に関する話題ですが、投資業界を取り巻くメディアに関する、極めて重大なテーマです。週刊SPA!(スパ)という雑誌をご存じでしょうか?
マニアックな特集を掲載することで有名な週刊誌です。恋愛からお金儲け・アングラ・その他独特な切り口で、面白い記事が毎週掲載されています。
週刊SPA!(スパ)は、お金儲け系の記事の一つとしてFXや株式投資などの投資記事を掲載しています。FX系の情報商材などを取り上げた記事も過去にありますね。さらには、投資関連のコーナーを常設して毎週興味深い記事が更新されています。
実は、この投資記事に頻繁に登場していたあるトレーダーに関して、ちょっとした問題が起きています。
今回はこの問題を取り上げたいと思います。
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週刊SPA!が「架空投資家」をでっち上げた?
週刊SPA!(スパ)の投資記事に登場したあるトレーダーについて「架空投資家」ではないか?という疑惑が持ち上がっているのです。架空投資家つまり実在しない投資家(作り上げられた虚像)ということです。さらにはその投資履歴(実績)にも疑惑をもたれています。
誰かがキャラクターを作り上げ、さらにはそのキャラクターを使って、投資履歴や成功までの過程を「捏造」したという疑惑です。
疑惑トレーダーの名前は「M」
その疑惑のトレーダーの名は、M氏です。2005年頃だったと思いますが、M氏のメディア登場は非常にセンセーショナルでした。
まず若い。現在(2012年)は28~29歳くらいだと思いますが、2005年当時はまだ名古屋在住の大学生でしたので20歳前後でした。そして、何よりも投資によって得たお金が半端ではありません。わずか2年3ヶ月で30万円を3億円に増やした大学生として、週刊SPA!に華々しく登場したのです。
30万円を3億円です。しかも2年で。さらに現役大学生。稀に見るサクセスストーリーですね。
2005年8月には、週刊SPA!の出版元である扶桑社から書籍まで出しました。それがこちらです。
- 「平凡な大学生のボクがネット株で3億円稼いだ秘術教えます!」
- 出版社:扶桑社
- 価 格:1,365円
- 発売日:2005年8月
古本ならばAmazonのマーケットプレイスで1円~で購入できます。
当時はだれもM氏の存在を疑わなかった
疑惑をかけられているトレーダーM氏は、メディアには一切顔を出していません。後ろ姿の写真(後頭部だけ)などは、何度か雑誌SPA!に登場しています。
当時、私を含め当時の読者の中には、M氏の存在そのものを疑う者は一人もいなかったと思います。いわゆる、ラッキーボーイの一人として、うらやましく思いつつ、遠巻きに眺めていたような感じです。
2000年前半はBNF氏を始め、若手でやり手のトレーダーが非常にもてはやされた時代でした。多くの「億トレーダー」が現れては消えていくような時代だったんですね。M氏は、その中の一人としてメディアに彗星のごとく登場したわけです。
Mの資産はついに10億円へ到達
有名トレーダーが破綻して消えていく中で、M氏は大きな火傷(やけど)をすることもなく、順調に資産を大きくしていきました。株式だけでなく、FXなどにも手を出していました。
そして2011年10月には、遂に10億円の大台にまで、資産を増加することに成功しています。20代で総資産10億円の大富豪となり、その名は日本の投資家連中にとどろくこととなったわけですね。
ところが、M氏の登場から7年も経過した今、思わぬ事態が勃発しました。
S氏がM氏に噛みついた
事の発端は、株式トレーダーであるS氏がM氏の書籍内容に疑念を持ったことでした。S氏は、株式トレーダーの間では、非常に有名な投資家の一人です。株式に関する書籍も多数出版されています。以下はS氏の著書です。
自身でトレードをするだけでなく、投資セミナーなども積極的に開催している方です。S氏は、株式投資を中心に5億円以上の資産を作った方です。納税証明書なども積極的に公開していますので、間違いなく本物のトレーダーですね。
そのS氏が、Mの書籍である「平凡な大学生のボクがネット株で3億円稼いだ秘術教えます!」の中身に、疑念を持ったのです。
3200万円の損害賠償訴訟が勃発
S氏は、Mと出版社である扶桑社、そしてライター(実際に本を書いた人)の三者を相手取って訴訟を起こしました。
訴状によれば、M氏が存在しないかもしくは経歴を偽っている、さらに実績が偽造されているため、S氏が同時期に出版した投資本に、逸失利益が発生したというものです。
つまり、「捏造された競合本」が同時期に出版されたことによって、自分の本が売れなくなった・・・ということです。正式には不正競争防止法違反ということですね。
S氏は、M・扶桑社、さらにはゴーストライターであるSの三者を相手取って、約3200万円の損害賠償訴訟を起こしました。
先月7月11日には、東京地裁で、1回目の口頭弁論が行われました。
事件番号 平成24年(ワ)第14492号
係属部 東京地方裁判所 民事29部A係
第1回口頭弁論期日:平成24年7月11日13時30分【原告】
- S
【被告】
- 株式会社扶桑社(週刊SPA!)
- 三村雄太(ペンネームのようです)
- S(三村雄太のゴーストライター)
7月11日に行われた口頭弁論には、被告のM氏は欠席しました。被告側(扶桑社など)は、S氏の主張に対し「すべて言いがかりだ」として、全面対決姿勢で臨むようです。
裁判は始まったばかり
「S 対 扶桑社+M」の裁判はスタートしたばかりです。
裁判の推移によっては、M氏の経歴(身分照会)やM氏の取引実績などに関して、裁判所から文章提出命令などが下される可能性もあります。そうなったときに裁判は大きく動きそうです。
Mは実在するのか?(※Mはペンネームです。本名は別にありますが現時点ではわかりません。)そして、30万円を3億円にまで増やした実績は本当なのか?すべてが裁判によって明らかになるでしょう。
第2回弁論準備期日は、平成24年9月3日です。
裁判で暴かれる事実とは?
ここ最近、ステマ(ステルスマーケティング)が、大きな社会問題になっていますね。今回の裁判も、出版社+雑誌によるステマがあったのかどうか?という点が裁判を通じて明らかになると思います。
もしも、S氏の訴状の通り捏造された事実があったのであれば、これは非常に大きな問題に発展すると思います。週刊SPA!には、これまでにも多くのトレーダーが紹介されてきました。その中には、FX情報商材を販売している方や、有料の高額セミナーを開催している方など、たくさん存在します。彼らの経歴や実績に、疑惑の目が向けられることになります。
この裁判は目が離せません。非常に興味深い裁判です。
この裁判の推移については、今後も当サイトで紹介したいと思っています。