ヴィッキースマイルはポンド円専用EA
ユニークな名前のEAが登場しました。ヴィッキースマイルというEAです。ポンド円(GBPJPY)専用の自動売買システムですね。
証券会社フリー版(49,800円)と指定証券会社対応版(39,800円)があります。指定証券会社は、アヴァトレード・ジャパン(https://www.avatrade.co.jp/)ですね。
販売元は株式会社オムニ
ヴィッキースマイルの販売元は、オムニという会社です。余り聞いたことのない会社名かもしれませんが、実はシグナル配信ポータルサービスを行っている会社でもあります。
シグナル配信ポータルサービスとは、fx-onやSIGのような、複数のシグナル配信トレーダーを抱えて、月額利用料を徴収してシグナルを提供するサービスです。オムニのサービスは、オムニインベストメントと呼ばれています。
- オムニインベストメント公式サイト
オムニインベストメントの参加トレーダーには、あの天羽義治氏や山根亜希子さんも名を連ねています。彼らの実績については、直接オムニインベストメントをご覧下さい。
シグナル配信で自身の投資スキルを向上させることはできない
オムニインベストメントのサイトを見ると、成績優秀者のシグナルを受けてみたくなるかもしれません。使い方次第では、継続的に資産を増やすことができるかもしれません。
ただ、そのままほったらかし(他人任せ)では、自身の投資スキルアップにはなかなか繋がりません。また、他人任せであるため、サービスの継続使用には忍耐が必要です。一時的に勝てていても、ドローダウンに陥ったときに不安や疑念、不信感に支配されてしまいます。それでも配信会社やトレーダーを信用し続けることができるか?この点をクリアしないと、継続的な運用は難しいと思います。
その一方で、相場と真剣に向き合うことを決断したトレーダーは、苦しみながらも着実にスキルを向上させています。両者の差は、開く一方です。
どこかのタイミングで、「自分でリスクを取る」と決断するべきです。投資は一生涯続けていくライフワークのようなものですから。
ヴィッキースマイルのロジックは?
ヴィッキースマイルですが、ちょっと面白いロジックを採用しています。月締めロジックです。月初に順張りでポジションを保有します。そして、一定利益もしくは一定損失に到達した時点で、その月のトレードは終了します。
毎月の目標利益ラインは、250~350ドル程度です。損失による取引停止ラインは、月初から250~350ドル減少したポイントです。
月初にポジションを持ち月末でクローズ、そして翌月に新たに新規ポジションを建てるという、まさに月締めロジックですね。順張り(トレンドフォロー)ですので、損切りはポジション反転のタイミングで随時行います。ポジションの建て方も一度に一気に建てるのではなく、状況に応じてずらしながら複数のポジションを順張り方向に建てていきます。
いわゆるナンピン型ロジックを採用しています。
フォワード成績を見てから判断すべきだ
ヴィッキースマイルEAですが、販売スタートしたばかりなのに、いきなりインフォトップランキング上位に登場しています。販売して間もない商材ですから、フォワードテストは始まったばかりです。このEAのポテンシャル(潜在能力)は未知数です。
慎重に検討するのであれば、少なくとも数ヶ月~半年位は、販売開始後の成績をチェックしてから購入をしたほうが良いのではないでしょうか。
これまでも多くのEAが素晴らしいバックテスト結果を掲げて登場し、販売開始後に玉砕してきました。バックテストの好成績に踊らされずに、しっかりとフォワード実績を見極めることが、よいEAを入手するコツだと思います。
ヴィッキースマイルのバックテスト結果は…
ヴィッキースマイルのバックテスト結果を見てみましょう。2005年から2011年までのデータが掲載されています。年平均100%の収益率です。優秀ですね。全体的にトレード回数が少なめですので、サンプリングとしては若干心許ないところがあります。
やはり一番気になるのは勝率でしょう。
- 2005年 43.48%
- 2006年 43.48%
- 2007年 22.28%
- 2008年 18.60%
- 2009年 27.37%
- 2010年 32.42%
- 2011年 41.10%
トレンドフォロー型のEAであるため、どうしても勝率は低くなってしまうようです。フォワードテストは2012年1月からの約半年のようですね。
EAを使い続けることの難しさ
EAで勝ち続けられる人がいるとすれば、それは唯一EAを作れる人だけです。他人が作ったEAを使っても、短期的には勝てても、長期的に利益を残すことは、至難の業です。理由は単純明快です。相場が一定ではないからです。
相場が同じリズム、同じ振幅で動いているのであれば、勝てるEAは簡単に作れます。しかし相場は常に変化します。時には微妙な変化であったり、時には想像を絶する変化であったりするわけです。
それらの変化にシステマチックに対応することは、現時点では困難であると考えています。相場の微妙な変化や劇的な変化に対応できるようなEAは、私の知る限りまだ出現していません。
商用EAの「ジレンマ」とは?
結局、EAが持つ宿命のようなものですね。EAは、過去のデータ(相場)を元にロジックを組みます。販売を前提にするならば、少なくとも、過去のデータに対して優位性のあるロジックである必要があります。バックテストでボロ負けするEAなど、誰も買わないからですね。
販売されるEAのロジックは、どうしても過去のデータに偏ってしまうことになります。これがカーブフィッティングの原因です。
相場は変化しています。この数年を取り上げても、それ以前と以後では、全く異なる相場に見えます。
結果的に、過去データ(バックテスト)では優秀なEAが、現在の相場では使い物にならない、ということが起きてしまうのですね。
極論ですが、直近数ヶ月の相場データに絞ってEAを作った方が、息の長いEAが完成する可能性だってあるわけです。でも、そんなEAは売れませんね。何故なら過去5年位のバックテストを実施すれば、ボロ負けする可能性が高いからです。
まさに、商用EAの持つ宿命(というかジレンマ)です。
EAで勝てる人は唯一EAを作れる人だけだ
身も蓋もないのですが、結局のところ、EAで勝ち続けることのできる人は、唯一、自分自身でEAを作ることのできる人です。
商用EAを手に入れても、それをデコンパイルして、カスタマイズできるくらいのスキルを持っている人であれば、勝ち続けることは可能かもしれません。
結局のところ、どんな局面・相場付きにも対応できるEAなど、存在しないということです。たった1つのEAが、あらゆる局面で勝てるということは、あり得ないわけですね。
そのことを十分に理解したうえでEAを自作できる方であれば、複数のEAを駆使して変化し続ける相場に対応し、長期的に利益を残せるかもしれません。
他人のEA(商用EA)を盲目的に使い続けて勝ち続けられるほど、相場は簡単ではありません。
他人のEAをデコンパイルして、カスタマイズできるくらいの人でないと、そのEAを本当の意味で使いこなすことは難しいでしょう。
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