『ナンピンFX ドル円版』検証とレビュー
ドル円専用EA(自動売買システム)
『ナンピンFX ドル円版』はその名の通りUSDJPY(ドル円)に特化したナンピンEAです。
販売元:合同会社あゆみインベストメント
発売日:2018/09/21
メディア:EA(自動売買システム)
公式サイト:https://ayumiinvestment.com/wp/nu
『ナンピンFX ドル円版』EAの概要
ロジック非公開EA
まずは『ナンピンFX ドル円版』のざっくりとした概要を解説します。
- 通貨ペア:USDJPY
- 必要証拠金:最低25万円で1000通貨単位〜
- 口座縛り:なし ※Forex.com(フォレックスドットコム)推奨
- ロジック:非公開(ロット可変型の多段階ナンピン)
ロジックは非公開であるため、多段階ナンピンであること以外はわかりません。つまりブラックボックスです。
ナンピンEAの特徴
そもそもナンピン型EAとはどのようなものか?簡単に説明します。
ナンピンって何?
ナンピンとは、最初にポジションを持った方向と逆側にレートが動いた場合に、同じ方向にポジションを追加していく手法です。
買いポジションを立てた場合、思惑に反してレートが逆行したら(含み損が発生したときに)新たな買いポジションを建てます。その後さらにレートが逆行して含み損が大きくなれば、また新たな買いポジションを建てていきます。
なぜこんなことをするのか?それは、ナンピンによって平均コストが下がるというメリットが生じるからです。
110円でドル円を買った(ロングした)場合を想定しましょう。その後ドル円が108円まで下がったとします。このとき、2円の含み損が生じています。この場合、レートが2円上昇しなければ収支がトントンになりません(説明上スプレッドは除いています)。
ナンピン手法では、下落した108円のレートで新たなポジションを追加(買い増し)します。結果的に、120円のポジションと108円のポジション2つになりますね。この2つのポジションを平均すると、109円になります。
(120円+108円)÷2=109円
2つのポジションの平均買い建てレートは109円です。従いまして1円のレート上昇(108円→109円)で収支がプラマイゼロになるわけです。これがナンピンの最大のメリットです。
下落したレートが再び上昇するような相場(=レンジ相場)では、非常に優位性の高い手法です。トラップリピートイフダンもナンピンの一種です。
ナンピンEAは、このナンピンロジック「どれくらい逆行したら、どれくらいポジションを建てるか」「それを何回繰り返すか」を組み込み、自動化したものです。
ナンピンの危険性
ナンピンはレンジ相場において優位性を発揮するストラテジーです。従いまして、ポジション保有後に逆方向に大きなトレンドが発生してしまうと、多段階で建てたポジションがことごとく含み損を抱えてしまうという大きなリスクがあります。そのままレートが戻らなければ、あっという間に口座破綻してしまいます。
ナンピンEA・ナンピンロジックは、一方向へのトレンド相場にめっぽう弱いのです。
”ドル円ナンピンEA”がことごとく口座破綻した過去
『W2C-Clipper(クリッパー)』の教訓
『ナンピンFX ドル円版』のようなドル円に特化したナンピン型EAは過去にもたくさんリリースされました。そのどれもがことごとく破綻をしているという事実ををご存知でしょうか。
ドル円専用ナンピンEAで最も有名なものは株式会社トリロジーの『W2C-Clipper(クリッパー)』でしょう。
『W2C-Clipper(クリッパー)』は6段階のリスクコントロールを用意し、レート逆行に極めて強いEAとして認識されていました。当時、その破竹の勢いに多くのユーザーが飛びつきました。
ところが…
無敵に見えた『W2C-Clipper(クリッパー)』が、USDJPYの一方的な上昇トレンドに耐えられず口座破綻をしたのです。
リスクコントロールが優れているとされていたEAですら破綻したのです。破綻するときは一瞬です。多段階に積み上げたポジションの含み損が膨れ上がり、瞬時にロスカットされます。これがナンピン型EAの怖さです。
『ナンピンFX ドル円版』も例外ではない
ナンピンを謳うEA・ロジックの怖さは、実際に体験しなければわかりません。レートが戻らず含み損がどんどん膨らんでいく恐怖。もはや損切りして莫大な損失を確定するしかない、もしくは口座破綻する様を呆然と見届けるしかないという無力感。
『ナンピンFX ドル円版』も例外ではありません。調子の良いときは、面白いように利益が増えていきます。万能感すら抱くほどです。
ところが…
一旦ドローダウンが始まるとナンピン型EAのリスクが一気に露呈します。
『ナンピンFX ドル円版』が気になるならば、ナンピンの怖さや過去の破綻例を十分に理解した上で検討をすることをオススメします。
無料版を使ってもなにもわからない
『ナンピンFX ドル円版』では無料お試し版が提供されています。無料お試し版をどれほど運営しても、なにもわかりません。なぜなら相場などだれにも予測できないからです。
そもそもロジックがブラックボックスのお試し版EAを提供することに、どれほどの意味があるのか?まったく理解できません。
バックテスト結果も意味はない
『ナンピンFX ドル円版』のバックテストが掲載されていますが、こんなものはいかようにも細工可能です(『ナンピンFX ドル円版』が細工をしているという意味ではありません)。
そもそも、ナンピン型EAは特定の期間を切り取って見せれば、右肩上がりの成績などいくらでも作ることが可能です。ドローダウンが起きた時期のヒストリカルデータのみを削除して過去成績を改ざんするなどの悪質な手口を使うEA販売業者は数多く存在します。素人がその手口を見抜くことは困難です。
『ナンピンFX ドル円版』総合評価
【結論】ナンピンEAの怖さをもっと知るべき…知れば運用したいなどと思わないはず
ロジック非公開であるためDD時に不信感が増大し継続使用に耐えられない
ナンピンEAに飛びつく人は情報弱者です。高い勝率ときれいな右肩上がりのバックテストに目がくらむのでしょう。誰もが一度は通る道なのかもしれませんが、知識があれば避けられる落とし穴でもあります。
ロジックも非公開であるため、DD(ドローダウン)が発生すれば不安感・不信感が一気に増大します。継続使用に耐えられるとは到底思えません。
販売元:合同会社あゆみインベストメント
発売日:2018/09/21
メディア:EA(自動売買システム)
公式サイト:https://ayumiinvestment.com/wp/nu:
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