海外で根強い人気のある『ラインチャート』ってどうよ?
チャートと言えばローソク足。当然ですよね。日本人の誰もが最初に目にするチャートが、ローソク足です。そもそもローソク足は日本人による発明であり、それが世界的に広く使われるようになったのです。
でも海外では、いまだにラインチャートやバーチャートなどに根強い人気があったりします。
今回取り上げるのは「ラインチャート」です。
私たちが普段目にするのは、ほぼローソク足チャートですよね。ローソク足チャートとは以下のようなチャートシステムです。
そして、同じチャートをラインチャートに変更してみると…
ご覧の通り、雰囲気がかなり違いますよね。とてもシンプルなチャートになりました。なんだか情報量がグッと減った印象を受けませんか?
『ラインチャート』はデータの終値のみを結んだ1本の連続線である
ラインチャートは、各足の「終値」のみを結んで1本の連続線で表示したチャートです。
通常、1本のローソク足には「始値」「高値」「安値」「終値」の4つの情報が含まれていますが、ラインチャートでは「終値」のみの情報だけです。つまり、ローソク足に比べて情報量は4分の1しかありません。
情報量が少ない『ラインチャート』を使うメリットはノイズのフィルタリングにある
情報量が4分の1しかないラインチャートを、どうして好んで使うのか?
ラインチャートにはほかでは見られない特異的なメリットがあります。それは相場ノイズのフィルタリング効果です。始値と終値の間のプライスアクションを無視することで、真の相場の姿(傾向)を反映させることができるのです。
ノイズ(始値と終値の間のプライスアクション)を排除することによって、相場のトレンドがより明確に浮き彫りにされ、転換点を見つけやすくなります。
パターン認識アプローチを好むトレーダーにとって、ラインチャートは最適なのですね。
サポレジライン・トレンドラインと相性が良い
ラインチャートならば、サポートライン・レジスタンスライン・トレンドラインなどを容易に引きやすいと思いませんか?
これまでに紹介してきたライン描写インジケーターを使ってみましょう。
まずは『AutoTrendLines.ex4』。トレンドラインを自動描写してくれるインジケーターです。チャートはEUR/CHFの30分足です。
次は『fxr_sr_zones_3.28.ex4』。こちらはサポレジラインを自動描写してくれるインジケーターでしたね。
うん、見やすく判別しやすいですね。
チャネルラインもすごく引きやすいです。
シンプルな画面ゆえ、トレンドの判別をしやすいと思いませんか?一定の期間にレートがどこからどこに移動したのか明確に視覚化できるというメリットがありますね。
情報を絞り込むことで”麻痺(フリーズ)”を防ぐ
多くのトレーダーは、チャート分析の際に非常に多くの情報を処理しなければなりません。その量の多さに圧倒されることもしばしばです。
分析をしようにも情報量が多すぎるがゆえに、脳みそがフリーズ(麻痺)して分析を放棄してしまうのですね。
ローソク足1本をとっても「始値」「高値」「安値」「終値」と4つの情報が含まれていて、さらに前後のローソク足との関係性に及べば、情報量のボリュームはさらに拡大します。
その結果、相場判断の見極めに混乱を招き、仕掛けや手仕舞いの決断過程を複雑にしてしまう恐れもあります。
一方、ラインチャートには、最も重要とされる「終値」データしか含まれていません。シンプルだからこそ、ノイズに惑わされることなくパターン認識がしやすく、基本的なチャートリーディングに集中できます。
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ラインチャートを使ったから「勝てる」わけではない
もちろん、ローソク足からラインチャートに変更したから勝てるようになる…というほど相場は単純ではありません。
あくまでもラインチャートは、全体的な相場の流れを捉えるための環境認識法の一つにすぎないのです。
相場を俯瞰する際に、ローソク足からラインチャートに切り替えて、各種ライン(サポレジ・トレンド・チャネルetc.)を引いてみる。それから、またローソク足に戻して仕掛けのタイミングを図るなど、使い方には工夫が求められます。
まずは、一度、ラインチャートを表示してみて、自分なりに各種ライン(サポレジ・トレンド・チャネルetc.)を引いてみる練習をしてみてはいかがでしょうか。