60億円が闇へ…投資家は泣き寝入り
前回お伝えしたFX事件(シンフォニー事件)の続報です。
- 年36%を謳ったFX投資ファンド社長、逮捕へ
- 投資セミナー企画会社「シンフォニー」(SW Holdings)の実質的な経営者逮捕とCapital Works Investmentとの奇妙な関連性
- 【深い闇】シンフォニー事件いよいよ立件へ【消えた50億円】
名古屋のFX投資スクール「シンフォニー」の実質的な経営者であるI容疑者が脱税容疑で逮捕された事件です。
MLMやセミナーを利用し、年利30%以上を謳ってFXファンドの資金を集めたにもかかわらず、ファンド運用の実体は存在せず、そのお金の一部を私的流用した疑いで逮捕されました。
I容疑者が私的流用したお金は2億円程度と見られていますが、一般投資家から集めた100億円のうち、60億円程度が行方不明となっています。
FX名目で集めた100億円、どこ行った 詐欺容疑視野
2015年9月18日16時55分
FX(外国為替証拠金取引)への投資名目で集めた約2億円を私的流用し、脱税したとして所得税法違反容疑で逮捕された会社代表らが、出資金100億円以上を集めたにもかかわらず、捜査当局が確認した現金などは10億円未満だったことが捜査関係者への取材でわかった。出資金の運用実態はなく、返金できる状態でもないことから、名古屋地検特捜部は詐欺容疑も視野に捜査を進める模様だ。
所得税約7千万円の脱税容疑で逮捕されたのは、インターネット関連会社「シンフォニー」(名古屋市東区)社長のI容疑者と、資金を管理していたI容疑者。特捜部は18日午後、2人を所得税法違反罪で起訴する方針。
捜査関係者によると、2人は3年以上前から投資家に「年利30%超」「利益を配当金で還元する」などと呼びかけ、100億円以上を集めたとされる。FXでの運用はなかったとみられ、投資家に返金した一部を除くと、約60億円が残っているはずだった。
ところが、捜査当局が確認できたのはI容疑者宅などにあった現金約2億円と、国内の銀行口座の預金約6億円しかなかったという。海外の口座にも数億円あるとみられるが、捜査当局は「出資金が全額戻る可能性は低い」とみる。
特捜部は、出資金をクルージングや投資関連イベントなどに流用したほか、配当に回して新たな出資を募る「自転車操業」を続けていたとみて、資金の流れについて全容解明を進める。
引用:朝日新聞DIGTAL
60億円はどうやら戻ってくる可能性は低そうです。多くの投資家が泣き寝入りすることになります。
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シンフォニー、いよいよ詐欺容疑で立件か?
前回の逮捕は、脱税容疑でした。そして所得税法違反で起訴される予定です。しかしそもそもFXファンド運用の実体がなかった、つまり最初から騙す目的でお金を集めていたことが証明されれば、明らかな詐欺となります。詐欺容疑でも捜査が始まりそうですね。
シンフォニーが投資家に説明した海外FXファンドのスキームですが、調べたところ以下の様な流れとなっています。
↓
■シンフォニーワールドスクール(投資セミナー会社)
※後にSW Holdingsへ事業譲渡
↓
■コムズジャパン(架空の資産運用会社)
海外に送金するための日本の窓口
↓
■MSI BK LIMITED(ニュージーランドに登記してある法人)
ここに口座を開設させる
↓
■PWH(高利回りFXファンドの名称)
シンフォニー事件に巻き込まれた人であれば、聞いたことのある会社や組織が並んでいると思います。この事件には少なくとも3社(海外の銀行を含む)が絡んでいます。
それにしてもこのスキームを見ると、非常に巧妙であることがわかります。日本国内における勧誘の窓口は「シンフォニー」です。そして海外送金の窓口は別会社です。さらに口座開設用の銀行はニュージーランドにあり、そこからFXファンドに投資するという流れです。
複数の会社(組織)を挟むことで、日本の勧誘窓口であるシンフォニーのFXファンドへの関わりを軽くする意図がみえみえです。
シンフォニーにすれば「私たちは、海外ファンドを紹介しただけです」と言い逃れするのでしょう。そしておそらく海外ファンドの交付目論見書にも、しっかりと「逃げ」が打ってあるはずです。
そもそも、シンフォニーとコムズジャパン以外は、すべて日本国外でお金が動いているわけです。それらのお金の動きを100%日本の警察が追うことは不可能でしょう。消えた60億円は、この海外でのお金の動きの中で、誰かの懐に収まった可能性が高そうです。
極論だが、知人から持ちかけられる投資ファンド話の大半は”詐欺”だ
極論かもしれませんが、友人・知人・身内から持ちかけられる「投資ファンド話」の大半は詐欺だと思って間違いありません。
もしもあなたの友人や知人、そして身内から「すごいいい話があるんだけど…」と投資ファンドの話を持ちかけられたら、(あ、詐欺だな)と即座に思ったほうが身のためです。
国民生活センターによせられた投資ファンドに関する相談内容の一部をご覧ください。
最近の事例
- 娘が知人から「銀行から融資を受け、中国へ投資すると1カ月8万円の配当がある。投資しないか」と勧められ、銀行からお金を借りて投資をした。不審なのでやめさせたい。
- 4年ほど前母が知人に勧められ、ファンドに20万円投資をした。最近、業者から償還すると通知文書がきたが、入金はなく、連絡も取れない。知人とも連絡は取れない。どうしたらよいか。
- 昨年、夫が知人に「月に2万5000円の配当がある」と勧められて、ファンド会社に100万円を投資した。今月になり配当金が入らなくなった。ファンド会社の社長も行方不明らしい。どうしたらよいか。
- 知り合いの紹介で、アジアの不動産に投資する契約をした。何度か配当を受け取っていたが、仲介している日本の会社から、「もっと投資しないと配当金は渡せない」と言われた。どうしたらよいか。
引用:国民生活センター 各種相談の件数や傾向 ファンド型投資商品
ご覧のとおり、身近な人から投資ファンドの話が持ち込まれているケースが多いです。
投資詐欺を見分ける5つのポイントをおさらい
投資詐欺(ポンジ・スキーム)を見分ける5つのポイントをおさらいします。
投資詐欺(ポンジ・スキーム)5つの特徴
- 高利回り(年30%〜をアピール)
- 少額から投資可能(数万円〜数十万円)
- 毎月配当を謳う(月1〜10%)
- 紹介料が高い(1〜5%)
- 信託されていない(イレギュラーな出資契約)
この5つのポイント(要素)の中で、1つでも当てはまれば、ほぼ100%投資詐欺(ポンジ・スキーム)です。
もしもあなたの身近に投資ファンド話に入れ込んでいる人がいたら、この5つのポイントをチェックしてみることをおすすめします。
そして以下のページの動画を全て見せてあげて下さい。