- 「決めた!俺もMQLプログラミング言語を学ぶぞ!」
- 【注意】初心者が専門書で学ぶと挫折しやすい
- MQLプログラミング言語の解説書(本)を紹介するよ!
- 『メタトレーダー4&5共通ライブラリによるEA開発入門』
- 『プログラミング初心者でも書けるMetaTrader5プログラミング: インディケータ編』
- 『新MT4対応ライブラリによるメタトレーダーEA実践プログラミング』
- 『新MT4対応 FXメタトレーダープログラミング入門』
- 『メタトレーダーではじめるFXシステムトレードプログラミング ~オリジナルEA開発からバックテストまで徹底解説~』
- 『とあるMT4(システムトレーダー)の検証記録(ロジックテスト)』
- 『FXメタトレーダー4&5 一挙両得プログラミング』
- 『FXメタトレーダー4 MQLプログラミング (ウィザードブックシリーズ)』
- 『FXメタトレーダー実践プログラミング (現代の錬金術師シリーズ)』
- 『iCustom(アイカスタム)で変幻自在のメタトレーダー (Modern Alchemists Series)』
- 『MetaTrader4逆引きハンドブック』
- 『FXメタトレーダー入門 現代の錬金術師シリーズ』
- この機会にKindle Unlimitedに入会しよう!
- MQL初心者におすすめの書籍『新MT4対応 FXメタトレーダープログラミング入門』+2冊
- まとめ:書籍による学習方法について
「決めた!俺もMQLプログラミング言語を学ぶぞ!」
先日MQLプログラミングがあなたの”老後”を豊かにする真の理由とは?という記事をアップしました。FXトレーダー(BOトレーダー)にとって、MQL言語を習得してオリジナルインジケーターやEAを自作することこそが、老後の最高の趣味(創作行為)であることをお伝えしましたよね。
「よし、俺もMQLプログラミングを学ぶぞ!」と決心してくれたなら、時間をかけて記事を書いた”甲斐”があるのですが、いかがでしたでしょうか?
ところで、MQL言語を学ぶと決めた時に、肝心なことは「どのようにして学ぶか?」ですよね。大抵の人は、専門書の購入から始めるのではないでしょうか?AmazonにはMQL言語習得に特化した書籍がいくつかあります。
【注意】初心者が専門書で学ぶと挫折しやすい
MQL書籍を紹介する前にお伝えしておきたいのですが、初心者に対して専門書でMQL言語を学ぶことを推奨しているわけではありません。むしろ、未経験者が書籍のみに頼った学習は、挫折する可能性を大いに高めます。
プログラミング学習は、必ずインプットと同等かそれ以上のアウトプットが必要なのですが、その点を初心者は理解しづらいのですね。書籍を活用した効率的な学習法については、あらためて記事にする予定です。
ここでは、市販されているMQL言語の書籍をざっくりと紹介し、その中でどれがおすすめの本であるかを解説します。
MQLプログラミング言語の解説書(本)を紹介するよ!
今回の記事では、国内で市販されているMQLプログラミング言語の書籍をまとめて紹介します。残念ながら、専門書の数はそれほど多くありません。そして古い書籍も存在するため、おすすめできる本は限られています。
刊行日が新しい書籍を優先して買うべき理由
以下のMQL言語解説書一覧では、各書籍を刊行日の新しい順に並べています。MQLの技術書は、できるだけ刊行日の新しい書籍を読むことをおすすめします。
なぜなら古い書籍は、情報そのものが古くなっている可能性があるからです。過去と現在ではコード記述のスタイル(MQL言語の書式など)が若干異なっていたりするので、初心者が学習時に混乱しないためにも、刊行日が新しい解説書を優先的に購入することをおすすめします。
『メタトレーダー4&5共通ライブラリによるEA開発入門』
豊嶋 久道(著)・2019年11月15日出版
【Kindle版】500円(Kindle Unlimited会員は無料)
著者は、豊嶋久道氏。日本におけるMQL言語の第一人者です。これまでに多くのMQL専門書を執筆していますが、本書籍がその最新作(2019年11月15日刊行)です。
ただし、本書籍はMQLプログラミングの入門書ではありません。MQL言語の基礎をマスターした人向けの、EA(自動売買)開発に特化した解説書です。つまり中級者向けです。
MQL言語をゼロから学びたいならば、まずは同じ著者(豊嶋久道氏)が執筆した『新MT4対応 FXメタトレーダープログラミング入門』、そしてEA開発に特化した『新MT4対応ライブラリによるメタトレーダーEA実践プログラミング』を先に読むことをおすすめします。
ちなみに『新MT4対応ライブラリによるメタトレーダーEA実践プログラミング』は、著者が自作したライブラリ関数とMQL言語の関数を使ってEAをプログラミングする方法が解説されているのですが、本書はそのライブラリ関数をMQL5(MetaTrader5)に対応させて解説した書籍となります。
MQL言語初心者(プログラミング初心者)は、いきなりこの書籍を読まないようにしましょう。まずは『新MT4対応 FXメタトレーダープログラミング入門』を読みこなし、『新MT4対応ライブラリによるメタトレーダーEA実践プログラミング』でEA開発のベースを固めた上で、この書籍に取り組むことをおすすめします。
『プログラミング初心者でも書けるMetaTrader5プログラミング: インディケータ編』
三浦大(著)・2018年2月13日出版
【Kindle版】1,350円(Kindle Unlimited会員は無料)
プログラミング初心者向けと謳った解説書。最新のMQL5に対応した点は意欲的なのですが、自主出版である(プロの校正者や推敲者が入っていないため書物としての体裁にやや欠ける)がゆえ、解説は冗長でわかりずらく読み進めるにあたってストレスを伴います。初心者にとっては、後半部分からの高度な解説を読解するハードルが高くなってしまいます。
まず『新MT4対応 FXメタトレーダープログラミング入門』や『メタトレーダー4&5共通ライブラリによるEA開発入門』などで、基礎を固めた上で本書に取り組めば理解が進むはずです。
『新MT4対応ライブラリによるメタトレーダーEA実践プログラミング』
豊嶋 久道(著)・2017年3月13日出版
【Kindle版】500円(Kindle Unlimited会員は無料)
まず、本書籍は『メタトレーダー4&5共通ライブラリによるEA開発入門』の古いバージョンであるので注意が必要です。タイトルにあるとおり、著者(豊嶋久道氏)が自作したライブラリ関数とMQL言語の関数を使って、オリジナルEAをプログラミングする方法を解説しています。EA開発に特化した書籍ですので当然MQL言語初心者向けではありませんし、
『新MT4対応 FXメタトレーダープログラミング入門』
豊嶋 久道(著)・2015年11月1日出版
【Kindle版】900円(Kindle Unlimited会員は無料)
本当の意味でのMQL言語入門書がこちら。MQL言語を極めた豊嶋久道氏による初心者向け解説書です。
初心者向けとはいえ、まったくのプログラミング新参者が本書を読んでも、途中からついていけなくなって挫折してしまう可能性が極めて高いです。結局プログラミングをわかっていない人の「つまずくところ」が、著者はわかっていないのですね。説明が大雑把だったり(これくらい理解できるよね?)みたいな読者を試すような書き方をされていたりと、初心者からすれば不親切さを感じさせる内容です。
他のプログラミング言語を多少なりとも学習したことのあるユーザーであれば、まだついて行けるのですが、完全な初心者は途中から「突き放されたような感覚」に陥ります。手とり足取りの丁寧な解説を期待して手に取ると、間違いなく失望・落胆します。
だだ、書籍でMQL言語を学ぶことを選択したならば、避けては通れない入門書であることも間違いありません。本書を活用した学習法については改めて記事にする予定です。
『メタトレーダーではじめるFXシステムトレードプログラミング ~オリジナルEA開発からバックテストまで徹底解説~』
豊嶋 久道(著)・2014年12月27日出版
【Kindle版】3,000円
【単行本】5,538円
EA開発に特化した解説書。初心者向けとは言い難い比較的高度な内容です。初心者は買わなくてOK。
『とあるMT4(システムトレーダー)の検証記録(ロジックテスト)』
fui(著)・2014年1月14日出版
【Kindle版】1,250円(Kindle Unlimited会員は無料)
解説書ではありません。タイトルにある通り、プログラマーによる自作EAの検証記録(ロジック&バックテスト結果)ですね。初心者向けに書かれた本ではありません。
『FXメタトレーダー4&5 一挙両得プログラミング』
豊嶋 久道(著)・2013年11月11日出版
【Kindle版】2,200円
【単行本】3,080円
MT4からMT5への移行期に合わせて執筆された解説書です。MT5になってなにが変わったのか?変わっていない部分はどこなのか?そのあたりに焦点を合わせた内容となっています。刊行日が古いため、残念ながら情報のアップデートができていません。また、やや難解な解説書ですので、初心者は買う必要はありません。
『FXメタトレーダー4 MQLプログラミング (ウィザードブックシリーズ)』
アンドリュー・R・ヤング(著)・2013年7月15日出版
【Kindle版】1,782円
【単行本】3,080円
海外MQL専門書の翻訳本です。ある程度プログラミングに習熟している人向けですので、初心者は買わなくてOK。刊行日は古いため(2013年)、記載されている情報のアップデートもおこなわれていません。
『FXメタトレーダー実践プログラミング (現代の錬金術師シリーズ)』
豊嶋 久道(著)・2009年10月16日出版
【Kindle版】1,782円
【単行本】3,080円
10年以上も前のMQL言語本なので、もはや解説書としては賞味期限切れという印象です。プログラミング経験者をターゲットにしたかのような解説なので、初心者は完全に蚊帳の外です。
『iCustom(アイカスタム)で変幻自在のメタトレーダー (Modern Alchemists Series)』
ウエストビレッジインベストメント株式会社(著)・2011年9月16日出版
【Kindle版】2,310円
【単行本】3,080円
iCustom関数を活用したEA作成に特化した解説書。iCustom関数とは特定のインジケーターから値を取得するために使用する関数です。インジケーターのシグナルをEA化する際に使う便利な機能のひとつです。残念ながら刊行日が古く、build600以降のMQL4のフォーマットに対応していないため、今読むとかえって混乱する恐れもあります。iCustom関数を学びたいという目的がある人以外は、買わなくても良いでしょう。
『MetaTrader4逆引きハンドブック』
FXPG(著)・2010年9月16日出版
【単行本】7,029円
すでに廃刊された書籍であるにも関わらず、なぜか人気の高い解説書。中古本市場で高値(5000円〜7000円)で取引されてます。逆引き辞典(リファレンス書)のような構成であるため、参考書としての使い勝手が高いのが人気の理由かもしれません。ただ、本書に記載の情報については、ネットで最新の情報を検索することができるので、わざわざ買う必要も感じません。ただ、紙媒体の参考書として常に手元で参照したい方にとっては便利な本かもしれません。
『FXメタトレーダー入門 現代の錬金術師シリーズ』
豊嶋 久道(著)・2007年12月7日出版
【Kindle版】1,782円
【単行本】3,080円
本書の改訂版が『新MT4対応 FXメタトレーダープログラミング入門』という位置づけですので、購入する必要はありません。本書を買うならば改定版の『新MT4対応 FXメタトレーダープログラミング入門』を購入しましょう。
この機会にKindle Unlimitedに入会しよう!
ご覧の通り、Kindle Unlimitedで無料で購読できる本が多いことがわかりますよね。Kindle UnlimitedはAmazonの読み放題サービスです。月額980円で、対象となる本が読み放題なのですね。今はやりのサブスクリプション(定額サービス)の一つです。
MQL初心者におすすめの書籍『新MT4対応 FXメタトレーダープログラミング入門』+2冊
『新MT4対応 FXメタトレーダープログラミング入門』
さて、おすすめするMQL解説書をとりあえず一冊に絞るならば、『新MT4対応 FXメタトレーダープログラミング入門』一択です。値段も900円と手頃です。しかもKindle Unlimited会員(月額980円、初回30日無料)になれば、無料で購読可能です。
刊行日は、2015年11月1日と古めですが、build600以降のMQL4のフォーマットに対応しており、現時点で最新のMQL言語を学ぶことができる唯一の書籍です。Kindle版のみで単行本(紙の書籍)はありません。ただKindle版だからこそ定期的に内容が改定されていて、比較的最新の情報を入手できるという利点があります。
- 2015年11月3日 初版発行
- 2016年12月29日 MT4 Build 1031対応
- 2018年3月19日 MT4 Build 1090対応
著者は、MQL言語第一人者と言われる豊嶋久道氏。ざっくりとMQL言語のアウトラインを学ぶには適した書籍です。
ただし…他の言語を学んだことのある人にとってはとっつきやすいのですが、はじめてプログラミング言語に触れる人にとっては、かなりハードルは高いと思います。理解力うんぬんの前に、解説がやや不親切なんですね。
熟練した技術者が執筆した本なので、「初心者が理解できない部分」が著者にはわからないのでしょうね。この点は残念です。ですので、プログラミング初心者がこの本を読んだだけでMQL言語の基礎マスターすることは、ちょっと厳しいと感じます。逆に言えば、他のプログラミング言語を学んだことのある経験者ならば、容易に読み進められるでしょう。
『新MT4対応ライブラリによるメタトレーダーEA実践プログラミング』
豊嶋 久道(著)・2017年3月13日出版
【Kindle版】500円(Kindle Unlimited会員は無料)
『新MT4対応 FXメタトレーダープログラミング入門』で基礎を固めたならば、次はEA開発の入門書ともいえる『新MT4対応ライブラリによるメタトレーダーEA実践プログラミング』です。例題や練習問題が多数掲載されていて、EA開発スキルのベースを固めるには最適な本といえます。
『メタトレーダー4&5共通ライブラリによるEA開発入門』
豊嶋 久道(著)・2019年11月15日出版
【Kindle版】500円(Kindle Unlimited会員は無料)
MetaTrader「5」によるEA開発を目標にするならば、本書は欠かせません。中上級者向け書籍ですので、初心者がいきなり本書を読むべきではありません。まずは『新MT4対応 FXメタトレーダープログラミング入門』そして『新MT4対応ライブラリによるメタトレーダーEA実践プログラミング』で基礎を固めるべきです。
まとめ:書籍による学習方法について
国内で購入できるMQL解説書と、初心者におすすめの3冊を紹介しました。
ただし、既存の書籍によるプログラミング学習は初心者にとって非常にハードルが高く、挫折してしまう恐れがあります。もう少し初心者向けの親切丁寧な解説書があれば良いのですが、現時点では残念ながら存在しません。
むしろ、MQL言語のベースとなる「C言語」関連の入門書を読み漁ったほうがよっぽど習熟スピードが早まるはず。結局のところ、既存のプログラミング言語を習得した者が、その延長線上で新言語「MQL」を学んでいくことを前提としている解説書ばかりなのですね。時間に余裕のある人ならば、最初に「C言語」関連の入門書からスタートするのもありです。
初心者がやみくもに専門書を読み漁っても、MQL言語の習熟は困難です。なんとなく頭で理解できても、コードを書けるようにはなりません。MQL言語を短期間で効率よく習得し、自分でコードを書けるようになるまで上達するためには、効率的な学習方法を知っておく必要があります。
次回以降、そのあたりの学習のススメ方について詳しく解説していきますね。