ICOを利用した資金到達を制限する方向で調整
金融庁が、仮想通貨を介して出資金を募ることを規制対象にすると発表しました。
この背景にはもちろん、SENER(セナー)事件の影響があることは間違いありません。SENER(セナー)事件については、過去の記事で取り上げています。
この事件では、仮想通貨による出資という名目で70億円以上を集めていました。当時の法律では仮想通貨による出資は違法ではなく、制限もありませんでした。SENERの主犯はそこを突いたわけです。
その反省もあって、仮想通貨での出資も金融商品取引法(金商法)の規制対象になることが今後の法改正時に盛り込まれることになりました。
仮想通貨での出資も規制 金融庁が法令改正へ
金融庁は、金融商品を手掛ける事業者が、現金ではなく仮想通貨で出資を募った場合も、金融商品取引法(金商法)の規制対象とする方針を固めた。金商法は無登録業者が「金銭」による出資を募ることを禁じているが、仮想通貨に関する記述はなく、法整備の遅れが課題となっていた。昨年には法の“穴”を狙い、約80億円相当の仮想通貨を無許可で集めていた問題も発覚しており、同種事案の再発防止を急ぐ。
引用:THE SANKEI NEWS 2019年1月8日
詐欺の温床であるICO(Initial Coin Offering=新規仮想通貨公開)を監視下におくことで、投資家を保護する狙いです。
今後、SENER(セナー)事件で行われたような仮想通貨での出資スキームは規制対象となり、国から事業者としての登録が義務付けられることになります。登録業者は金融庁の監視下に置かれ、様々な義務(責務)が課せられます。万が一法に抵触すれば厳しい罰則が待っています。
とりあえずは、ようやく金融庁が重い腰を上げたといえるでしょう。
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世界各国でのICO規制をみてみると…
日本でようやくICO規制が動き出しましたが、世界各国ではすでに様々な動きがあります。
まずはICOを全面的に禁止している国があります。
- 中国(100%禁止)
- 韓国(100%禁止)
ICOを制限付きで許可している国がこちら。
- アメリカ(証券取引法による規制)
- イギリス(目論見書開示制度による規制)
- オーストラリア(ガイドラインによる規制)
- ドイツ(ガイドラインによる規制)
- スイス(ガイドラインによる規制)
- ロシア(ライセンス制)
ICO規制をこれからスタートさせる国がこちら。
- 日本(議論中→金商法による規制の可能性高まる)
- フランス(議論中)
新たな資金調達の手段として注目度の高いICOですが、まだまだ課題は多そうですね。日本もようやくICO規制に本腰を入れることになりそうです。