1月3日の大暴落で750万円の強制ロスカット、さらに200万円の借金を抱えた…
2019年年明け間もない1月3日早朝に発生したFlash crash(フラッシュクラッシュ=瞬間暴落)。USDJPYはわずか3分で3円もの下落を記録しました。
そのFlash crash(フラッシュクラッシュ=瞬間暴落)による強制ロスカットで全財産750万円を失い、さらに200万円もの借金をかかえることになった「サム」さんが、その心中を吐露した動画が話題になっています。
それがこちら。
40代で財産を失うということは「家族」をも失うことにつながる
サムさんは関西在住の40代の投資家(妻一人)です。
彼が1月3日に全財産(750万円)を瞬時に溶かしさらに多額の借金(200万円)を抱えたことを妻に伝えた結果、彼の家族は修復困難な状況に陥りました。いまだ奥さんとの溝は埋まっていないそうです。
マイナス750万円の損切りだけでなく、200万円の楽天スーパーローンで借金を抱えることになりました。その件の報告もしました。
現在、家族に話したんですけれど、もう、アレですよ(汗)崩壊しそうな状況になっています。
なんでしょう、お金を失うということは家族全体を巻き込むということに気付かされました。
自分だけ将来を考えれば良いというわけではなくて、家族も含めて未来に進んでいっている現実がありますので、そのお金がなくなり、なおかつ200万円の借金を背負うということは私だけではなく、嫁にもその悲壮感といいますか将来について考えさせる結果になったみたいです…。
あまりの悲壮感漂う語り口調に、サムさんが精神的に追い込まれている状況がヒシヒシと伝わります。
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彼が勇気を振り絞って動画をアップした理由
サムさんがあえてこの動画をアップした理由、それは「FXの怖さ」をみんなに知ってもらいたいから…
今回のFlash crash(フラッシュクラッシュ)は、ドル円やクロス円で発生したため、多くの投資家が損害を被る結果になりました。薄商いの三が日早朝に発生したこともあり、まさに不意をつかれた感がありました。
わずか3分間で3円もの下落が発生するとはだれも予期していなかったでしょう。年末にポジションをクローズしていなかったロンガーは色を失いました。
そうです、なにが起こるかわからない、それが相場です。想定外のできごとが起こり得るのが相場であり、我々投資家は常に不測の事態に備えておくことが求められるのです。
3分で3円の暴落はまさに想定外だったかもしれませんが、可能性はゼロではなかったわけです。資金管理を徹底し、維持率を高めて適切なレバレッジを設定していた投資家は、今回の異常事態もなんなく乗り切っています。
1月3日のFlash crash(フラッシュクラッシュ)でやられたトレーダーは、資金管理が甘かったことが原因です。特にサムさんの場合は、借金したお金でハイレバ投資するという”愚行”が、今回の事態を招いています。厳しいですが、自業自得といえます。
借金したお金で「スワップ狙い投資」という”愚行”
サムさんはサラリーマン投資家です。
会社員生活に嫌気が差し、そこから抜け出したいがためにFXを始めました。毎月の給料から口座に移したお金(財産)は3年間でざっと500万円になったそうです。その間にスワップ金利狙いで高金利通貨を買い漁っていたサムさん(大半が塩漬け)。
ところが、スワップ金利の少なさに業を煮やしたサムさんは、いよいよ禁断の果実に手を出します。そうです、借金して資金を作りそれを投資に回したのです。昨年(2018年)11月にローン(楽天スーパーローン)に手を出し、200万円を借金して高金利通貨への投資額を増やしました(しかもハイレバ)。
ハイレバで投資で高額のスワップ金利を手にすることで、サムさんの感覚は徐々に麻痺していきます。そして年が明けた1月3日早朝7時39分。地獄の釜の蓋が開きます。
それは一瞬のできごとでした。全財産750万円に加え、借金した200万円も合わせて全額ロスカットを食らったのです。
ここまでの経緯は以下の動画からご覧いただけます。
彼が失ったのは750万円と「家族の信頼」
サムさんが失ったのは750万円の全財産だけではありません。同時に「家族(妻)の信頼」も失いかけています。なぜか?
本来は余剰資金で行うべき「投資」を、コツコツ貯めてきた全財産で行っていたわけです。毎月の給料の一部(8〜9万円)をFX口座に投入していたとサムさんは語っています。奥さんも夫のFX投資を知らなかったわけではないでしょうが、非常に危険なハイレバ投資を行なっていたことまで知っていたかどうかは不明です。
家族の将来を支える大切な貯金をハイリスクな投資にさらすことがどれほど無謀な行為か…妻の信頼を失うには十分すぎます。
FXで取り戻してやる!は危険
そんなサムさんですが、FXに懲りるどころか、FX(投資)で必ず成功したいと語っています。サラリーマン生活から抜け出すためになんとしてでも投資で成功したいそうです。
もちろん、諦めないことは大切ですが、いったん冷静になるべきでしょう。他人がとやかくいうことではありませんが、まずは借金を返済し、コツコツとタネ銭を作り、その上で余剰資金が生まれたときにはじめて投資に取り組むべきです。一発逆転を狙えば狙うほどリスクは青天井になります。
サムさんには、以下の本を読むことをおすすめします。元気が出ますよ。
資産10億円!元FX長者の”絶頂”と”転落”
FXトレーダーで10億円を稼ぎ、六本木ヒルズ在住で名を馳せた磯貝清明氏を覚えていますか?
彼は2007年当時「日本で一番ポンドを持つ男」を呼ばれていました。そのポジション総額は250億円。家賃月80万円の六本木ヒルズレジデンスに住み、ランボルギーニを乗り回していた磯貝清明氏の人生は絶頂を迎えていました。当時の彼の総資産は10億円です。スワップだけで毎日200万円を稼いでいたのです。
ところが良いことは長く続きません。2008年8月〜9月に発生したサブプライムショック(リーマンショック)によって、10億円の資産は一気に3000万円に激減してしまいます。そして運命の2008年10月9日、国税局査察部(マルサ)の強制査察によって巨額の脱税が発覚し、東京地検に告発されるのです。脱税総額は1億6000万円と巨額です。
現在は本業の金属加工会社を細々と営んでおり、巨額の負債(税金と延滞利息)を返済し続けています。そんな磯貝清明氏の波乱万丈の人生を綴った書籍がこちら。
地獄を味わったのに底抜けに明るい
まさに天国と地獄を味わった磯貝清明氏ですが、この書籍を読んでも悲壮感はあまり感じられません。なぜなら磯貝清明氏が底抜けに明るく前向きだからです。普通の人ではとうてい許容できない巨額の負債を、地道な仕事で返済している彼の姿は好感が持てるし、読んでる側も元気をもらえます。
本書ではFXのスキルについてはほとんど触れられておらず、彼の人生劇場を面白おかしく綴った物語としてまとめられています。読後感はすばらしく良いです。