『PLATINUM TURBO FX 2』検証とレビュー
『PLATINUM TURBO FX 2』は、その名の通り2015年4月10日に発売されたPLATINUM TURBO FX(プラチナターボFX)のバージョンアップ版です。
バージョンアップ版を別商材として販売することに違和感しか感じません。バージョンアップならば、既存購入者に無償で提供するべきでしょうね。
販売元:BELLSTONE株式会社
発売日:2015/04/10
メディア:インディケーター
公式サイト:https://ptfx2.bellstone.co.jp
『PLATINUM TURBO FX 2』は前作と何が変わったか?
スキャルピングに特化したシグナルインジケーター
『PLATINUM TURBO FX 2』は、前作同様1分足・5分足を執行時間足としたスキャルピングインジケーターです(USD/JPYのみ15分足・1時間足に対応)。
チャート上にEntryシグナルと手仕舞いシグナルを点灯させるシンプルなツールです。このあたりは前作とほとんど変わりません。
推奨通貨ペアはUSD/JPYを中心に、GBP/USD、EUR/USD、EUR/JPY、GBP/JPYなど、主要5通貨ペアに対応しています。
推奨時間帯は15時〜25時と幅広く対応しています。
ダマシを回避するためにさらなるフィルターを追加
基本ストラテジーは前作とほぼ変わりません。
変わった点は、ダマシ回避のためのフィルターが大幅に追加された点です。RSIやATR、ADXをフィルターとして活用することでノイズを回避し、ダマシEntryを取り除くという工夫です。
カーブフィッティングの罠(ワナ)
『PLATINUM TURBO FX 2』は前作の進化版であるという点以外にレビューすべき点は見当たりません。
販売元:BELLSTONE株式会社
発売日:2015/04/10
メディア:インディケーター
公式サイト:https://ptfx2.bellstone.co.jp
ここで少し趣向を変えて、『PLATINUM TURBO FX 2』に代表されるテクニカルインジケーターの「限界」について考察してみます。
テクニカルの限界とは?
PLATINUMシリーズを生み出した石塚勝博氏ですが、彼は様々なテクニカルに精通しています。多くのテクニカルを組み合わせることで、精度の高いオリジナル・インジケーターを制作していますね。
テクニカルは学べば学ぶほどにハマります。学びはじめの頃は、テクニカルが万能に思えてしまうんですね。
様々なテクニカルを組み合わせることで、完成度がどんどん高まると錯覚をしてしまうこともあります。取り憑かれたようにテクニカルに没頭し、日夜バックテストを繰り返しては新たな組み合わせを考える…それくらいテクニカルには人を強烈に引きつける魅力があります。
一方で、テクニカルに習熟すればするほど、テクニカルの限界が見えてきます。しょせんテクニカルは過去データに対するカーブフィッティング(後追い)に過ぎないのだと諦観してくるのです。
テクニカルを組み合わせ、フィルターを増やしてシグナルを厳選すればするほど、それは過去データに最適化していることになります。なぜなら、私達は常に過去データでしか検証できないからです。そして未来の相場は常に予測不可能です。
過去数年分のヒストリカルデータでまずまずの成績を上げるインジケーターを作っても、それが未来も同様の成績を上げる保証はどこにもありません。
テクニカルのジレンマに陥る人々…
テクニカルには限界がある、ということです。それも極めて低い限界です。
テクニカルは局所的にしか機能しないとも言い換ええることもできます。複数のテクニカルを組み合わせれば組み合わせるほど、機能する相場環境は狭まります。
これがテクニカルにおける最大のジレンマです。
逆に言えば、シンプルなテクニカル、たとえば2本の移動平均線のGC・DC(ゴールデンクロス・デッドクロス)だけでトレードしたほうが、優位性を発揮できる相場は多いということになります。
当然ながら2本の移動平均線だけでは、ダマシが多数発生します。そこで、何らかのフィルターが欲しくなります。さらに長期の移動平均線を加え、レートと移動平均線の位置関係でシグナルを取捨選択します。するとどうでしょう。精度が高まったように感じます。
それでもまだダマシは発生します。特にレンジ相場ではダマシを連発します。このダマシを排除したい!という思いが強くなります。何かダマシを回避できるテクニカルはないだろうか?そうだ、ボリンジャーバンドの幅の狭さでレンジ相場を認識し、そのときはシグナルを見送ろう…こうしてシグナルの精度を高めようとすればするほど、組み合わさるテクニカルが増えていくことになります。
気がつくと、複数のテクニカルを組み合わせたストラテジーが完成します。場合によってはパラメーターもいじくり回していることでしょう。
さて、このストラテジーは、将来の相場においても優位性を発揮するでしょうか?
答えは、「優位性を発揮する相場もあれば、発揮できない相場もある」です。
過去相場とほとんど同じ相場が現れれば優位性を発揮するし、同じ相場が現れなければ優位性は発揮できないということです。
重要なことは、テクニカルが優位性を発揮できる相場を知り、その相場環境でのみトレードを行うということだ
テクニカルやEAを全否定しているわけではありません。
組み合わせたテクニカルを使う上で最も重要なことは、そのストラテジーが優位性を発揮できる相場を認識し、その相場環境でのみストラテジーを使うということです。
それ以外の相場環境では、ストラテジーを使うべきではありません。なぜなら優位性が発揮できないからです。当たり前ですね。
では、優位性が発揮できる相場環境とは、どのような相場なのか?この見極めこそがテクニカルトレードにおいて最も重要とされるスキルです。
あらゆる相場で優位性を発揮できるストラテジーなど存在しません。トレンド相場にはトレンド相場にマッチしたストラテジーがあり、レンジ相場も同様です。
現在の相場環境を正しく認識し、相場環境に応じたストラテジーを使い分ける能力こそが、最も求められるスキルです。しかし相場環境認識は簡単ではありません。なぜなら相場をリアルタイムで見ている限りにおいて、今がトレンド相場なのかレンジ相場なのか、見分けがつかないからです。あとから見ればわかります。しかし渦中にいるときは、わかりません。トレンドが続いているからといって飛び乗った瞬間に相場転換することは誰もが経験あるはずです。
ではどうするか?
予測不可能とされる相場の”わずかな規則性”を捉える
FX相場は予測不可能であり、規則性も存在しません。つまりランダムウォークであるということですね。
しかしランダムウォークであるならば、誰もが勝ち続けることは不可能です。50%の確率で上下に動くならば、スプレッドを差し引いた分だけ期待値がマイナスになるからです。
それでも一部の人々(勝ち組)は継続的に資金を増やし続けています。なぜでしょうか。
彼らが勝ち組である理由は、不規則で予測不可能(ランダムウォーク)とされる相場の中の、わずかな規則性(数%)を読み取ることで、期待値をプラスにしているからです。
つまり、パターン認識ですね。
相場(レート)が特定の形状になったときに、そのパターンに優位性のあるストラテジーを使って仕掛けます。あるいは、特定のパターンが出現しやすい時間帯に限定して仕掛ける方法なども規則性を応用した手法の一つです。
”優位性があるとされる特定のパターン”の出現をひたすら「待つ」
相場の9割以上は不規則であり予測不可能です。残りの1割に満たないわずかな規則性の出現を「待ち」、その規則性にマッチしたストラテジーで正しく仕掛けることこそが、ランダムウォークの相場で勝ち残るカギです。
私が以下のFX商材を高く評価する理由は、まさにこの点にあります。
これらのFX商材に共通する点は、どれもが「特定のパターン(規則性)」の出現を待ち、その一点でのみトレードを行う手法であるということです。
The Secret FXは、現代版「酒田五法」であり、ローソク足が特定の形状になったときだけ仕掛ける手法です。
Flash Zone FXは、「上昇トレンド内の押し目を狙う手法(つまり「買い」)と、下降トレンド内の「戻し」そのものを買いで狙う手法(こちらも「買い」)しかトレードしません。つまり「売り」は一切しないということです。
岡安盛男のFX 極は、NY時間の大引けから調整を経ての東京時間明けによるトレンド再開を狙う手法に特化しています。
ぷーさん式トレードマニュアル輝は、「下落トレンドを形成してきてからの上昇トレードへの転換トレード」のみを行う手法です。
上に挙げたFX商材は、どれも「優位性があるとされる特定のパターン」出現をひたすら待ち、そこに集中してトレードを行う手法です。
テクニカル一辺倒からの脱却
もう一度述べますが、テクニカルやEAを全否定しているわけではありません。
相場の9割以上は予測不可能です。残りの1割に満たないわずかな「規則性」を正しく捉え、その規則性を利用して利益を出すことが勝ち残るカギです。
そして「規則性」も普遍ではありません。しばらくすると変化することがあります。その場合は、また新たな「規則性」を探さなくてはなりません。
つまり、トレード手法も常に相場に合わせて変えていくこと、生き残るには常に私達も変化することが求められるわけです。
過去に素晴らしい成績を残したテクニカルツールやEAが、勝てなくなる理由は、変化に対応できないからです。
『PLATINUM TURBO FX 2』のようなテクニカルツールを購入するならば、テクニカルの限界を知っておくことも必要です。
注意
大幅にヴァージョンアプしたFX Realizeがリリースされました。シグナル精度も高まり、非常に優位性の高いツールです。おすすめです。
販売元:BELLSTONE株式会社
発売日:2015/04/10
メディア:インディケーター
公式サイト:https://ptfx2.bellstone.co.jp