『FXブルーBOX』検証とレビュー
『マックス岩本の1秒スキャルFX』のレビュー内で、少しだけ触れた『FXブルーBOX』をご紹介します。『FXブルーBOX』はMT4で稼働するオリジナル・インジケーターであり、以下の2つのシステムから構成されています。
- 通貨強弱判定ツール
- シグナルツール
手法としては半裁量・半システムという複合ロジックです。『FXブルーBOX』製作者のブログをご紹介しておきます。
自らがトレードするために試行錯誤しながらツール開発をする過程で、優位性の高いツールが生まれ、その後一般販売に至った…という印象です。最初から販売ありきでツール開発しているFX商材屋とは一味違います。
販売元:有限会社クラフトユタカ
発売日:2018/01/15
メディア:インジケーター
公式サイト:https://fx-skull.com/bluebox/
『FXブルーBOX』でできること
『FXブルーBOX』のチャート画面
まずは『FXブルーBOX』のチャート画面をご覧ください。
最大の特徴は青いBOXですね。インジケーターの名称にもなっている「青い(ブルー)BOX」です。そして一目均衡表の「雲」のみが表示されています。さらに移動平均線(MA240)が補助的に追加されています。「ブルーBOX」と一目均衡表の雲で相場のトレンド(方向性や強さ)を把握し、システマチックに大局を判断します。
- レートが「ブルーBOX」の上にある → 買い優勢
- レートが「ブルーBOX」の下にある → 売り優勢
- レートが「ブルーBOX」の中にある → 様子見
同様に、
- レートが一目均衡表の雲の上にある → 上昇トレンド
- レートが一目均衡表の雲の下にある → 下降トレンド
- レートが一目均衡表の雲と絡む → レンジ相場
ブルーBOXの正体はPIVOT(ピボット)だ
チャート上に描かれるブルーBOXは、一般的なPIVOTに色を加えたものに過ぎません。
PIVOTについてはみんなでFX -Rising Sun- 【検証とレビュー】でも詳しく解説していますので、引用します。
PIVOTは単純に前日の高値・安値・終値をもとに指標となるサポレジラインを複数本描写してくれるインジケーターです。毎度のことで恐縮ですが、私が愛読する『外為オンライン特別講座』から画像をお借りします。
前日のレートの動き(ゾーン)をベースに当日の仕掛けの方向性(売買戦略)を決めるためのツールとして、PIVOTが使われます。基本的には逆張りで参考にされることが多いPIVOTですが、『FXブルーBOX』ではPIVOTを順張り用の環境認識として活用しているわけですね。
シグナル点灯で仕掛ける
ブルーBOXと一目の雲で相場認識を行った後に、チャート上に点灯するENTRYサインに従って仕掛けます。ロジックはトレンドフォローですね。執行時間足は5分足です。
ブルーBOX抜け&雲抜けでトレンド状態を確認し、シグナル点灯で仕掛ける。極めてシンプルなトレンドフォローロジックです。
損切り・手仕舞いはサポレジ
ストップ(損切り)ラインは、その日に意識されるサポート&レジスタンスラインを目安に決定します。PIVOTだけでなく、東京市場・ロンドン市場・NY市場など時間帯ごとに意識されやすい高値安値ラインも参考にします。手仕舞い(利確)も同様です。サポレジライン(高値安値・PIVOTなど)を目安に、目標を決定します。手仕舞いもシンプルです。
「通貨強弱判定ツール」で15通貨ペアを同時監視
『FXブルーBOX』の最大の特徴は「通貨強弱判定ツール」の存在だ
ここまでのロジック(仕掛け・手仕舞い)は特段目新しさを感じないトレンドフォローにすぎませんが、『FXブルーBOX』が他のツールと一線を画しているのは、もう一つのオリジナルツールの存在にあります。それが「通貨強弱判定ツール」です。
拡大してみます。
メインチャートとは別ウィンドウで表示させる「通貨強弱判定ツール」は、15通貨ペアの中からトレンドが発生しそうな通貨ペアや、既にトレンドが発生している通貨ペアを即時に判定するためのツールです。左列の通貨(オレンジ色)に対し、各通貨が強いのか?それとも弱いのか?を3色で色分けしています。
- 黄緑色で表示された通貨…強い(買われている通貨)
- 赤色で表示された通貨…弱い(売られている通貨)
- 白色で表示された通貨…強くも弱くもない
全てが赤色で表示されているならば、その通貨(左側の通貨)は「弱い」=売られていると判定できます。逆に全てが黄緑色で表示されているならば、その通貨(左側の通貨)は「強い」=買われていると判定できます。前日のボラティリティから、当日の買い圧力や売り圧力を判定しているわけですね。
なお、同様の「通貨強弱判定ツール」は(株)e-FLAGS 楠山高広氏が販売するマーケティングFXでも提供されていて、非常に使い勝手が良いです。
強い通貨と弱い通貨の組み合わせでトレードすることで確度を高める
買われている通貨(強い通貨)と売られている通貨(弱い通貨)の組み合わせは、トレンドが発生しやすい通貨ペアであると判断できます。強弱が明確な通貨ペアを選択することで、トレンドフォローの精度を高めるわけです。
「通貨強弱判定ツール」で複数通貨ペアを同時監視し、通貨の一強一弱の鉄板パターンが発生するのを待ち、出現と同時に仕掛けることができれば、大きなトレンドを捉える可能性が高まります。この「通貨強弱判定ツール」の存在こそが、『FXブルーBOX』の最大の優位性と言えます。
販売元:有限会社クラフトユタカ
発売日:2018/01/15
メディア:インジケーター
公式サイト:https://fx-skull.com/bluebox/
『FXブルーBOX』の欠点
まず『FXブルーBOX』のデメリットについて解説します。以下の欠点が許容できない人は買うべきではないでしょう。
1.確度の高いトレードチャンスはそう多くない
「通貨強弱判定ツール」を活用し、通貨の一強一弱の鉄板パターン出現で仕掛ければ確度の高いトレードが可能ですが、そのチャンスはそれほど多くはありません。ある程度の強弱を認識した段階でENTRYすることも余儀なくされますが、それでは精度が低下する恐れがあります。5分足を利用するとはいえ、しっかりと「待つ」ことが求められるロジックです。
2.トレンドフォローのため、当然「ダマシ」もあり得る
トレンドフォローなので、当然「ダマシ」も頻発します。ダマシを極力回避するにはやはり「通貨強弱判定ツール」にて強弱の明確な通貨ペアの出現を待つことが求められます。
- 確度の高いトレードチャンスはそう多くない
- トレンドフォローのため、当然「ダマシ」もあり得る
『FXブルーBOX』の評価点
次に『FXブルーBOX』の評価できるポイントを解説します。
1.「通貨強弱判定ツール」によってトレンドフォローの精度を高めた
なんといっても「通貨強弱判定ツール」の存在が際立ちます。トレンドフォローロジックの精度を高めるために、環境認識の一環として各通貨間の強弱を見極める。非常にロジカルなストラテジーに仕上がっています。これまでにも通貨の強弱を見極めるためのツールやサービスは存在していました。たとえば、マタフ(https://www.mataf.net/)のカレンシーインデックス(Currency index)に代表されるグラフツールです。
カレンシーインデックス(Currency index)は、時間軸で通貨の強弱の推移がわかるため、上手に活用すれば有効なツールです。とはいえ、初心者には少し難しいと言えます。一方、『FXブルーBOX』の「通貨強弱判定ツール」は、誰でもひと目で判定できるような工夫がなされいます。
「通貨強弱判定ツール」は、工夫次第で様々な手法(ロジック)に活用できそうです。
2.半裁量・半システムのバランスが素晴らしい
『FXブルーBOX』は、裁量判断をできるだけシステマチックにおこなうための工夫がなされています。PIVOTを活用したゾーン(ボックス)や、一目の雲、さらに240MA(移動平均線)によるMTF(マルチタイムフレーム)など。そして極めつけは「通貨強弱判定ツール」の存在です。複数のツールでフィルタリングすることで環境認識の精度を高めるわけです。それが結果的に「ダマシ」回避に繋がります。
- 通貨強弱判定ツールによってトレンドフォローの精度を高めた
- 半裁量・半システムのバランスが素晴らしい
『FXブルーBOX』総合評価
【結論】「通貨強弱判定ツール」だけでも購入の価値が大いにある
ロジカルにトレードしたい人にとっては喉から手が出るほど欲しくなるツールだ
ありふれたトレンドフォローに「通貨強弱判定ツール」を組み合わせることで、トレード精度を高めることに成功したツールです。初心者だけでなく、中級者以上の人にもぜひ手にとって欲しいと思えるツール、それが「通貨強弱判定ツール」です。使い方は無限大です。トレンドフォローだけでなく、逆張りにも活用できます。間違いなく、あなたのトレードに深みを与えるツールとなるはず。
- 通貨強弱判定ツールによってトレンドフォローの精度を高めた
- 半裁量・半システムのバランスが素晴らしい
- 確度の高いトレードチャンスはそう多くない
- トレンドフォローのため、当然「ダマシ」もあり得る
『FXブルーBOX』を購入するべき人
- トレンドフォローロジックを学びたい人
- スキャルピングをしたい人
- 通貨間の強弱を認識してトレードしたい人
『FXブルーBOX』を購入してはいけない人
- 「待つ」ことができない人
- 逆張りを学びたい人
販売元:有限会社クラフトユタカ
発売日:2018/01/15
メディア:インジケーター
公式サイト:https://fx-skull.com/bluebox/