鉄板マスタートレンドはインディケーターを組み合わせたシグナルツール
鉄板マスタートレンドは、メタトレーダーのインディケーターです。いわゆるシグナル点灯系のツールですね。1時間足と30分足のトレンドの方向性を確認し(インジの色合わせ)、15分足でエントリーのタイミング(インジの色合わせ)を計ります。
その後、相場が大きく動く(トレンド発生)まで放置する、という流れです。
ステップ1 トレンドの方向性を確認
ステップ2 エントリータイミングを計る
ステップ3 相場が大きく動くまで放置
トレンドフォロー系ツールですので、思惑通りトレンドが発生すれば、勝てるでしょう。しかし、相場の8割を占めるといわれるレンジ相場では、どうでしょうか?ダマシを連発することにはならないでしょうか?
他のトレンドフォロー系のツール同様、この点が最も気になりますね。
鉄板マスタートレンドのダマシ回避方法とは?
トレンドフォロー系のロジックは、トレンドが発生すれば大勝できますが、その一方で決定的な弱点を持っています。それはレンジ相場にめっぽう弱いということです。レンジ相場において、ノイズ・トレンド不発などで、ダマシを連発します。
相場の8割を占めるレンジ相場において、このダマシをいかに回避するか?という点がトレンドフォロー系ツールの肝(キモ)であると考えます。
鉄板マスタートレンドの販売ページをよく読んでみたのですが、レンジ回避のための詳細な解説が見当たりません。複数のインディケーターによる色合わせや、複数時間足観察によるトレンドの方向性チェック(これも色合わせ)が中心のようです。
詳細は実際に購入してみてマニュアルを読んでみないと不明です。できればもう少し販売ページで解説して頂けると嬉しいですね。
小さな損切り実現とトレンドに乗り切ることのジレンマ
鉄板マスタートレンドは、損切りが早いとの説明もあります。
コージさんのトレードは、損切りのレベルが非常に早いこと。
(中略)
コージさんの教え通り、損切りをかなり早い位置に設定しています。
一般的に、損切りを早く(小さく)しようとすれば、トレンドに乗り切ることがむずかしくなります。まさにジレンマです。
大きなトレンドを捕まえるためには、小さなノイズは排除(無視)する必要があります。しかし、小さなノイズを無視しようとすれば、ストップの位置を深くする必要があります。結果的に損切り幅が大きく(深く)なってしまうのです。
逆に損切り幅を浅く(早く)すれば、ノイズを捉えてしまい、大きなトレンドに乗り切ることが困難になります。これが、トレンドフォローにおける”ジレンマ”の正体です。
このように、トレンドフォロー系のロジックには、避けられないジレンマが存在しているのです。このジレンマと、いかに折り合いをつけるか?これがトレンドフォロー系ロジックの優位性を左右します。
鉄板マスタートレンドが、このジレンマをいかに回避しているのか?気になる点の一つです。
実績はすべて最近のもの
鉄板マスタートレンドの販売ページには、複数の成績が掲載されていますね。ただ気になる点もたくさんあります。全てのレビュアーの成績が、ここ最近の成績であるという点です。
- 最初の240万円を獲得した動画は、5月3日から約1ヶ月間。
- 次の3,432pips獲得した方は、6月5日。
- 次の16,450pips獲得した方は、5月28日~31日。
- 次の924pips獲得した方は、6月11日。
- 次の4,365pips獲得した方は、6月18日。
- 次の2,645pips獲得した方は、6月7日。
- 次の1,950pips獲得した方は、6月5日。
- 次の1,530pips獲得した方は、6月1日。
- 次の4,780pips獲得した方は、6月8日。
- 次の1,657pips獲得した方は、6月4日。
- 次の1,584pips獲得した方は、6月4日。
- 次の1,811pips獲得した方は、6月11日。
- 次の1,643pips獲得した方は、6月11日。
- 次の1,245pips獲得した方は、不明(文字が小さすぎて読み取れない)
- 次の3,377pips獲得した方は、6月11日。
- 次の846pips獲得した方は、6月11日。
- 次の1,363pips獲得した方は、6月12日。
5月のトレード実績は2つだけで、あとは全て6月1日~18日の間ものです。そして6月11日の結果がダントツに多い点も気になりますね。
鉄板マスタートレンドの6月11日の実績
実績として掲載されているデータは、大半が5月~6月上旬、特に6月11日に集中しているのがわかります。
まず、一番最初の実績動画(240万円獲得)ですが、5月3日から約1ヶ月ポジションを保有しています。このときの世界情勢と、為替相場をご存じですか?ギリシャ総選挙(最初の選挙)が5月6日でしたね。
そして、ギリシャ政治の混迷(ギリシャのユーロ離脱懸念)とスペインの金融システム不安が重なって、ユーロは一方的に下落を続けました。そして、5月31日には、ユーロ円が、なんと12年ぶりに96.51円をつけました。ユーロ円がこれほど下落したのは12年ぶりです。
わずか1ヶ月で106.55円から96.51円まで、一気に10円も下落しました。
以下のチャートは、ユーロ円の日足です。ローソク足23本のうち、なんと、17本(73%)が陰線です。
鉄板マスタートレンドの240万円の実績は、まさにこの稀に見るダウントレンドに、運良く乗ったことによる結果なのかもしれません。
ユーロは稀に見る大相場だった
私はこの相場で簡単に勝てましたし、私のトレード仲間も大きく稼ぎました。稀に見る一方的な下落相場でしたので、ポジションをピラミッディングしていくことで、非常に大きな利益を確保することができました。単に、ユーロを売っていれば稼げたわけです。
つまり・・・5月~末までのユーロ市場は、ファンダメンタルズが非常にわかりやすく、めったに発生しない簡単な下げ相場だったということです。
6月初旬は反転急上昇
次に、6月上旬の相場です。5月のユーロ大幅下落、そして6月1日の反転(反発)→転換、その後反転上昇するのか?という感じでした。結果的には、反転上昇しましたね。ユーロ円が100円台に戻すまであっという間でした。
とにかく、5月~6月下旬は、EU経済・政治にとっては、波乱の時期でした(まだ続いていますが・・・)。ギリシャ危機に端を発した財政破綻の他国への危機拡大で、EUはかつてないほどの混乱に見舞われています。
この時期の相場も非常に特殊と言えるでしょう。
そして6月11日の相場は・・・
鉄板マスタートレンドの実績が集中している、6月11日には、何が起きたのでしょうか?毎日トレードをしていた方は、記憶に新しいと思います。6月11日は月曜日でしたね。
ユーロ円は、1円以上の窓を開けてスタートしました。もちろんユーロドルも大きく窓を開けました。これほどの窓は久々です。
以下のチャートは、ユーロ円の15分足です。
窓開けの原因ですが、先週末のスペインの銀行に対する最大1000億ユーロの支援が合意されたことによるものです。
この1円を超える窓開けは、その後、思惑通り窓埋めの方向にレートが動きました。私も「窓埋め」を予測して、売りポジションを建てました。※窓埋めこそ「鉄板」トレードです。
結局その日のレートは窓埋めに終始しました。窓埋め後もユーロ下落が止まらず、わずか1日で2円近く下げました(ユーロ円)。多くのトレーダーが、「売りポジション」を建てるだけで簡単に稼ぐことのできた日、それが6月11日です。
もう一度、鉄板マスタートレンドの6月11の皆さん(実践者)の実績をご覧下さい。全員、売りポジションです。
- 次の924pips獲得した方は、全て「売りポジション」
- 次の1,811pips獲得した方は、全て「売りポジション」
- 次の1,643pips獲得した方は、全て「売りポジション」
- 次の3,377pips獲得した方は、全て「売りポジション」
- 次の846pips獲得した方は、全て「売りポジション」
6月11日はユーロは軒並み窓を開けてスタートし、その後窓埋めの方向に大きく動きました。1日でユーロは大幅に下げた(窓を埋めた)のです。非常に特殊な日、それが6月11日です。
特殊な期間での実績しか掲載されていない
ご覧の通り、鉄板マスタートレンドの実績が極端に偏りすぎていることが理解できます。言い換えれば、特殊な相場での実績しか掲載されていないとも言えます。
稀に見るダウントレンドとその後の急反転、それが5月から6月のユーロ市場です。そして6月11日の窓埋めによるダウントレンド。鉄板マスタートレンドの派手な実績は、すべてその時期に集中しています。というよりその時期のものしか掲載されていません。
2012年の1月~4月末までの実績(チャート)は、どこにもありません。
販売間もない商材ですので、たまたま検証期間が、5月~6月に重なったとも言えますが、鉄板マスタートレンドの派手な実績の背景には、異常なユーロ相場(ユーロ経済危機)が存在したという事実があります。
1ヶ月にわたるダウントレンド(ビッグトレンド)と、その後の反転上昇トレンドのみでは、鉄板マスタートレンドの本当の実力(ポテンシャル)はわかりません。
鉄板マスタートレンドの優位性を証明するならば、できればもう少し過去の実績なども掲載して欲しいですね。
あらゆる相場で鉄板マスタートレンドの優位性が確保できるのかどうか、冷静に見極めたいです。
鉄板マスタートレンドの真の実力を見極めるには時間も必要
鉄板マスタートレンドは、トレンドフォロー系のツールです。たまたま、ビッグトレンドが発生した時期の実績を出されても、ツールの優位性を判断することは私達ユーザーには困難です。
トレンドフォロー系のツールですので、大半のレンジ相場では損切りを連発する恐れもあります。ダマシのリスクについては、販売ページでは、詳しく触れられていません。
ポテンシャルが不明のため、鉄板マスタートレンドの真の実力を見極めるには、もう少し時間が必要かもしれません。