『東京オンリーFX』検証とレビュー
株式会社金馬新聞がリリースした『東京オンリーFX』を検証します。
株式会社金馬新聞は、過去に3つのFX商材を販売しています。
検証レビュー記事はこちら。
『東京オンリーFX』でできること
東京時間の11時から14時のレンジを逆張りで攻める
『東京オンリーFX』という名称からもわかりますが、東京時間の11時〜14時の時間帯でトレードするストラテジー(MT4専用インジケーター)です。
東京時間の11時〜14時という時間帯は、相場を動かす材料に乏しく、ボラティリティが極めて低いため、一般的にレンジ(ヨコヨコ)状態になりやすい相場です。
基本は”1分足レンジカウンター”だ
レンジ相場における逆張り(カウンター)トレードが基本です。
『東京オンリーFX』のインジケーターは、チャート上に大小2種類の矢印を点灯させます。
大きな矢印点灯を確認後、同方向の小さな矢印点灯でEntry。逆方向の小さな矢印点灯でEXIT。シンプルですね。
対象通貨ペアは3つ。
- USDJPY
- EURJPY
- GBPJPY
執行時間足は「1分足」です。
RSIをベースにしたスキャルロジック
『東京オンリーFX』では、RSI(期間9)をベースにした極めてシンプルなロジックを採用しています。チャート上の小さな矢印は、このRSI(期間9)によって表示させています。
RSI(The Relative Strength Index)は逆張りによく使われるオシレーター系のテクニカルです。相場の「買われすぎ」や「売られすぎ」を数値化し、反転を予測します。
「外為オンライン特別講座第4回RSI・ウィリアム%R」から画像を拝借します。
RSIの一般的なな使い方は、次のとおり。
- RSIが70~80%以上 → 買われ過ぎ → 売り判断
- RSIが20~30%以下 → 売られ過ぎ → 買い判断
レンジ相場では比較的有効なインジケーター、それがRSIです。
トレードの方向性(大きな矢印)のベースはウィリアム%R(Williams Percent Range)です。このテクニカルもRSIと同様、トレンド転換の判定に使われます。先ほどと同じように「外為オンライン特別講座第4回RSI・ウィリアム%R」から画像を拝借します。
EA化しているのであれば、EAを販売すれば?
成績はすべて理論値(机上)にすぎない…
『東京オンリーFX』の優位性については、過去成績しか提示されていません。しかもMT4のストラテジーテスターによるバックテストのみです。
こうしてグラフを見ると申し分ない(過去)成績ですが、単なるバックテストにすぎません。フォワード成績は皆無です。
フォワード成績のないバックテスト結果は、カーブフィッティング(過去レートにパラメーターを合わせてEAを調整すること)を疑われても仕方がありませんね。
そもそも販売ページに掲載されているストラテジーテスターは、意図的かどうか不明ですが、パラメーター情報や期間が隠されています。この点を疑問に思わず、諸手を挙げて過去成績を絶賛している人は、投資リテラシーが低いといわれても仕方がありません。
最初からEAを販売すれば?
ストラテジーテスターでのバックテストを実施したのであれば、ロジックをEA(自動売買)化して検証したということです。であれば、EAを販売すればよいのでは?
もしかすると、しばらくして『東京オンリーFX〜自動売買版』と称して、EAをリリースするかもしれませんね。
前作『ドルスキャワールドFX』でも、インジケーター販売後に、わずか4ヶ月たらずで別商材として『ドルスキャワールドFX〜自動売買版』を登場させていました。
購入者は「人柱」だ
毎度このブログで伝えていることですが、フォワードデータが皆無のEAを販売する行為は、購入者を人柱にするということと同等です。
本来であれば、販売者がフォワードテストを行い、そのEAの優位性を確認するべきです。それをしないで、バックテストのみで販売するということは、購入者にフォワードテストを押し付けていることになります。
『東京オンリーFX』を購入する方は、まさにお金を払ってボランティアしているようなものです。
『東京オンリーFX』の欠点
まず『東京オンリーFX』のデメリットについて解説します。以下の欠点が許容できない人は買うべきではないでしょう。
1.フォワードテストは皆無(購入者が人柱)
過去6年間に渡るバックテスト結果は、優秀です。とはいえ過去成績に過ぎません。フォワードテストは皆無です。結局のところ、『東京オンリーFX』を購入したユーザーが自らフォワードテストをすることになります。この点を許容できる方だけが買うべきでしょう。
2.トレード可能時間は、11時〜14時の3時間のみ
『東京オンリーFX』は11時〜14時の3時間のみに最適化されたストラテジーです。この時間にトレード可能な方しか、実践することができないロジックです。
スマホにMT4アプリを入れれば、外出先でもトレード可能ですが、スマホを見ることができない突発的な用件が発生したときに、損切りにあってしまう…なども十分にあり得ます。スマホトレードは、かなりストレスのかかるトレード手法であることを知っておくべきでしょう。
そもそもスマホのMT4アプリでは、『東京オンリーFX』のカスタムインジケーター(矢印)は表示できませんので、結局RSI(期間9)を表示させてのトレードとなることも、知っておくべきです。
3.損大利小でストレス「大」
レンジ内の逆張りであるため、利幅は極めて小さくなります。一方損切り幅は最大30pipsと「損大利小」です。つまり60%以上の勝率が常に求められる手法となります。
「損大利小」は、勝ちやすい一方で、一度負けると利益を吹き飛ばすこともあるため、人によってはストレスの強いトレード手法です。
またコツコツ型スキャルピングなので、少しのタイミングで利益が減少したり、場合によってはマイナスになることも十分にあり得ます。
- フォワードテストは皆無(購入者が人柱)
- トレード可能時間は、11時〜14時の3時間のみ
- 損大利小でストレス「大」
『東京オンリーFX』の評価点
次に『東京オンリーFX』の評価できるポイントを解説します。
1.シンプルイズBEST
RSI(期間9)をベースにし、11時〜14時の3時間に限定したカウンタートレードは、シンプルの極みです。レンジ内での小さな利益をコツコツと積み上げる手法が好きな方にはオススメできるロジックです。
シンプルであるため、初心者の方でも取り組みやすいでしょう。
また、ベースロジックも明快で応用範囲も広いので、色々とアレンジできそうな予感です。
2.ロジックは100%公開されていること
ベースロジックは完全に公開されています。
- 大きな矢印…ウィリアム%R(Williams Percent Range)
- 小さな矢印…RSI(The Relative Strength Index)
この点は評価できますね。
3.バックテストデータが公開されていること
過去6年間にわたるバックテストデータが公開されている点は評価できます。ただ、惜しむらくはフォワード成績が皆無である点です。
是非とも販売者側でmyfxbookなどを活用してフォワード成績を公表して欲しいところです。
- シンプルイズBEST
- ロジックは100%公開されていること
- バックテストデータが公開されていること
『東京オンリーFX』総合評価
【結論】日中の3時間に限定した分足逆張りスキャル
シンプルなストラテジーでコツコツ利益を積み上げる
バックテスト結果は(見た目)優秀だが、フォワード実績は皆無である点が残念
『東京オンリーFX』は、日中(11時〜14時)のわずか3時間に限定した1分足逆張りスキャルロジックです。
ほぼ無裁量でENTRYできるようRSIをベースにしたインジケーターが付属しており、初心者でも迷うことなくトレードできます。
バックテストは(カーブフィッティングがない前提であれば)申し分ないでしょう。とはいえ、フォワード成績が皆無である点はいただけません。せめてmyfxbookなどで販売者自らフォワード実績を公開して欲しいところです。
また、無裁量を謳うならばEA化できるはずですので、最初からEAとして販売するべきではないか?という疑問も残ります。
- シンプルイズBEST
- ロジックは100%公開されていること
- バックテストデータが公開されていること
- フォワードテストは皆無(購入者が人柱)
- トレード可能時間は、11時〜14時の3時間のみ
- 損大利小でストレス「大」
『東京オンリーFX』を購入するべき人
- シンプルなロジックが好きな人
- 11時〜14時にトレード可能な人
『東京オンリーFX』を購入してはいけない人
- 11時〜14時にトレードできない人