One Tap Trade FX|概要
FX情報商材業界の雄、クロスリテイリング社がリリースした大型商材『One Tap Trade FX』(ワンタップトレードFX)をレビューします。
販売元:クロスリテイリング株式会社
発売日:2018/05/09
メディア:オリジナルインジケーター
公式サイト:https://onetap-fx.s3.amazonaws.com
One Tap Trade FX|検証とレビュー
『One Tap Trade FX』はMetaTrader4にインストールして使用するカスタムインジケーターです。
「1クリック」でOCO注文を完了するツール
最大の特徴は、1クリックで仕掛けから手仕舞いまでを完了させることを可能にした点です。
チャート上にシグナルを確認したら、矢印と同じ色の「Sell」or「Buy」ボタンをクリックします。すると…
- ロット数(最適なロット数を自動算出)
- Entry(仕掛け約定)
- Stop(SL 損切り)
- Limit(TP 利益確定)
この4つの作業がわずか1クリックで終了します。ストップ(損切り)とリミット(利確)はOCO注文によって1クリックで自動で設定されます。ユーザーの行うべき作業が、わずか「1クリック」で終了するわけです。
シグナルの取捨選択はユーザーに委ねられる
完全無裁量を謳うツールですが、シグナルの見極めはユーザーが行う必要があります。
- シグナル選択…裁量判断
- ロット数…無裁量(自動計算)
- 仕掛け…無裁量(ワンクリック)
- 利益確定…無裁量(放置)
- 損切り…無裁量(放置)
仕掛けのみを手動、残りの作業はEA化(自動化)したツール、それが『One Tap Trade FX』です。
USD/JPY専用の「5分足」スキャルピング
ストラテジーは、USDJPY(ドル円)に特化した、5分足スキャルピングです。スキャル特有のストレスは常にあります。とはいえ、仕掛けはワンクリックで終了し、あとは基本的に放置となるため、通常のスキャルピングと比べてストレスは低いといえます。
保有時間は5分〜1時間です。相場によってはエントリー後、5分程度でTPorSLに達し、その後すぐにまたシグナルが出現するケースがあります。場合によってはしばらくシグナルが点灯しない場合も十分に考えられ、時間の取れないトレーダーにとっては、1日数回のトレードしかできないこともありえます。
ブレイク(直近高値・安値超え)の”初動”を少しだけ刈り取る
ロジックのベースにあるのは、ドンチャン・ブレイクアウトと呼ばれる「n期間の最高値・最安値更新ブレイクアウト」とされています。伝説の投資家集団タートルズが模倣したとされる古典的手法の一つです。とはいえ、ドンチャン・ブレイクアウトの優位性は日足のような大きな時間足において確認されており、『One Tap Trade FX』のように5分足を主軸としたスキャルピングでその優位性が生かされるのか甚だ疑問に感じます。ただ単に「ドンチャン・ブレイクアウト」と言いたいだけなのかなという印象が拭えません。
実際にエントリー箇所を精査すると、直近の高値・安値超えを狙い撃ちするシンプルなストラテジーです。単純に高値安値超えをブレイクアウトと呼んで良いのかどうかわかりませんが、基本的には、ブレイクの初動をサクッと12pipsだけ刈り取る、というスタイルです。
複数のフィルタリングでシグナルを取捨選択
ブレイクアウトを基本とするため、ダマシは頻発します。結果的に勝率は50%を切るでしょう。このダマシを排除するために、独自のフィルターを設けています。
それが「エントリーアナライザー」と呼ばれるフィルター機能です。
拡大してみます。
オシレーター系のストキャスやMACD(OsMA)であったり、移動平均乖離率などをフィルターとして活用しており、これらのフィルターをクリアしていればしているほど(チェックが多いほど)エントリーの精度が高まるとされています。
全てのシグナルでエントリーするのではなく、リアルタイムに変化する「エントリーアナライザー」で条件に合致したシグナルのみを選択するというものです。
リスクリワードは1対2で”固定”
損切り幅と利確幅は固定です。
- 損切り幅…6pips
- 利益確定幅…12pips
つまりリスクリワードは「1:2」となりますね。1勝2敗でトントンです。勝率34%以上あればマイナスになることはありません。勝率40%で収益は微増していきます。
ブレイクアウトといえども、利益幅は12pipsで固定されているため、大きなブレイクでも一度に狙える利益は12pipsが上限となります。継続的に使っていくことで、小さな利益をコツコツ積み上げるスタイルです。
販売元:クロスリテイリング株式会社
発売日:2018/05/09
メディア:オリジナルインジケーター
公式サイト:https://onetap-fx.s3.amazonaws.com
One Tap Trade FX|欠点
まず『One Tap Trade FX』のデメリットについて解説します。以下の欠点が許容できない人は買うべきではないでしょう。
自動売買に適したストラテジーなのでEA化して欲しかった
6pipsの損切りを繰り返しながら、12pipsの利益を地道に積み上げていくスタイルは、手動トレードには向いていません。自動売買向きのストラテジーですので、可能であればEA化してほしいですね。
販売ページには、EA化しない理由が次の通り記載されています。
Q:エントリーも自動にはできないのでしょうか?
A:完全に自動売買化することはせずに、まずはしっかりと自分の手で稼ぐことを、身に感じていただきたいと思います。
FXに初めて触れる方も多い中、 完全自動となると自分がどうやって稼いでいるのかを知ることができません。
EA化することで成績は下がると思いますが、効率は格段にアップします。
大きな利益は狙えない
ブレイクアウト狙いですが、一度に得られる利益は12pips(固定)です。販売ページにあるような成績を出すには、必然的に圧倒的なトレード回数が求められます。1日数回程度のトレードではなかなか利益を伸ばせません(=ツールの優位性を活かしきれない)。
毎日、可能な限りチャートに張り付き、Entryチャンスは全て逃さず仕掛けていく、それくらいのハードワークが求められます。これは非常に体力を消耗します。その点を重々理解して購入を検討するべきです。
勝率は高くない
『One Tap Trade FX』は、トレンドの初速を刈り取るストラテジーです。直近高値・安値を超えた瞬間にシグナルが点灯しますので、いわゆる「押し目」や「戻り」は待ちません。そのため、TP(利食い)に達する前にSL(損切り)にあってしまう可能性は非常に高いです。つまり「ダマシ」ですね。結果的に、勝率は50%を割ってしまうでしょう。
とはいえ『One Tap Trade FX』は、この「ダマシ」の頻発を織り込み済みです(想定内)。リスクリワードバランスが1:2であるため、勝率が34%以上あればトータルでプラスになります。40%の勝率があれば、長期的に利益は漸増します。
勝率の低さを上回る利益バランスが、結果的に期待値をプラスにしているわけです。運用時には、ツールの勝率の低さを十分に理解していないと、長期的に運用し続けることが困難になります。
バックテストは限定的
バックテストデータの成績が良すぎる点が気になります。過剰なカーブフィッティングが行われている可能性を否定できません。
さらにツールにはシグナル取捨選択のフィルター「エントリーアナライザー」が追加してあります。バックテストにおいて、このフィルターの存在をどのように取り扱ったのか?このあたりの情報は不足しています。フィルターの存在が、ツールとしての実力(優位性)を正確に捉えることを困難にしています。
- 自動売買に適したストラテジーなのでEA化して欲しかった
- 大きな利益は狙えない
- 勝率は高くない
- バックテストは限定的
One Tap Trade FX|評価点
次に『One Tap Trade FX』の評価できるポイントを解説します。
わずかな優位性(期待値プラス)をコツコツと継続することで長期的に勝ちを引き寄せる
『One Tap Trade FX』の過去データにおける優位性は誰もが認めるところでしょう。この優位性を活かすには、コツコツと同じ手法を継続することがカギとなります。小さな優位性(わずかな利益)であったとしても、継続することで時間とともに大きな利益になります。
例えるならば、『One Tap Trade FX』は有利な目が出るように少しだけ細工された(期待値プラスの)サイコロです。この細工されたサイコロは、10回程度の勝負では負けることもあるかもしれません。しかし勝負の回数が50回、100回と多くなればなるほど、トータルでの勝ちが増えていきます。なぜなら期待値がプラスだからです。
『One Tap Trade FX』では一度のトレードでわずか12pipsしか得られません。わずかな期待値でもそれがプラスならば長期的には利益が見込めます。逆に言えば、わずかな期待値を活かすためのツールの長期的な運用(サイコロを転がし続けること)がはたしてあなたに可能なのか?その点をユーザーはしっかりと考慮するべきです。
注文作業の大幅な効率化・簡略化をツールで実現
スキャルピング特有のストレスとして、適切なロットの算出やTPとSLの設定作業があります(成り行きならばこの限りではありませんが)。1秒を争うスキャルにおいて、手動での利確・ストップ設定は、それだけで不利に働きます。
『One Tap Trade FX』は、わずかワンクリックで、
- ロット数(最適なロット数を自動算出)
- Entry(仕掛け約定)
- Stop(SL 損切り)
- Limit(TP 利益確定)
これらの作業を瞬時に行うことを可能としています。ここまで注文作業を効率化・簡略化した点は高く評価できます。
クロス社のサポートは期待を裏切らない
クロスリテイリング社のサポートは申し分ありません。大型商材を定期的にリリースしている販売会社ですので、きめ細かなサポートが期待できます。
- わずかな優位性(期待値プラス)をコツコツと継続することで長期的に勝ちを引き寄せる
- 注文作業の大幅な効率化・簡略化をツールで実現
- クロス社のサポートは期待を裏切らない
One Tap Trade FX|総合評価
【結論】1クリックでトレードが完結できるよう作業を効率化した点は評価できるが、こまめに12pipsを積み上げていく手法は人を選ぶ
わずかな優位性を活かすためにもツールを長期的にコツコツ使い続けられるかどうかがトレードの「成否」を分けるだろう
自動売買向きのストラテジーなのでEA化が望まれる
『One Tap Trade FX』は、スキャルピングの煩わしさやストレスを軽減するツールとしての完成度は高いといえます。ツールの優位性について、特定の期間のバックテストであることやフィルターの問題を差し引いたとしても、その結果は申し分ないでしょう。ただ、今後も優位性を維持できるかどうかは未知数です。
また12pipsという小さな利益を積み上げていくスキャルピングは、非常にストレスのかかるトレードであることを知っておくべき。一度に100pipsを抜ける容易なトレンド相場であっても、12pipsで我慢しなければなりません。効率性やストレスの低さという点においては、スイング(中長期)トレードに大きく水を開けられます。
つまり『One Tap Trade FX』は、根っからのスキャルピング好きトレーダー向きのツールであるということです。スキャル特有のストレスに耐えられない人や、スキャルの効率性の悪さが気になる人は、買うべきではありません。そんな人はすぐに悲鳴を上げてツールはゴミ箱行きです。
この手のコツコツ形のツールの優位性を発揮させるためには、継続することが絶対的に求められます。有利な目がでるよう細工された(期待値がわずかにプラスの)サイコロを振り続ける忍耐力があって、初めて利益を伸ばすことができるのです。(サイコロを振るののが面倒だな…)とか、(このサイコロ本当に有利に細工されてる?)などと疑ってサイコロを振るのを止めたらの時点で終わりです。たとえ負けが続いても、サイコロのわずかな優位性を信じてサイコロを振り続けることが求められます。
総合的に考えると、やはり自動売買向きのストラテジーですよね。であればEA化して欲しいところですね。
- わずかな優位性(期待値プラス)をコツコツと継続することで長期的に勝ちを引き寄せる
- 注文作業の大幅な効率化・簡略化をツールで実現
- クロス社のサポートは期待を裏切らない
- 自動売買に適したストラテジーなのでEA化して欲しかった
- 大きな利益は狙えない
- 勝率は高くない
- バックテストは限定的
『One Tap Trade FX』を購入するべき人
- スキャルピングが好きな人、得意な人
- 注文作業を効率化したい人
- コツコツと毎日トレードができる人
- 長期的にツールを使い続ける自信がある人
『One Tap Trade FX』を購入してはいけない人
- スキャルピングが苦痛な人
- 大きな利益を狙っていきたい人
- 勝率の高いストラテジーを好む人
- 一つのツールを長期的に使い続けることに自信が持てない人
販売元:クロスリテイリング株式会社
発売日:2018/05/09
メディア:オリジナルインジケーター
公式サイト:https://onetap-fx.s3.amazonaws.com