『トレテンワールドFX』検証とレビュー
トレンド転換を捉えるインジケーター『トレテンワールドFX』
『トレテンワールドFX』は、トレンド発生中に出現する大陰線や大陽線を捉え、シグナルを点灯させるインジケーターです。
販売者は『東京オンリーFX』や『ドルスキャワールドFX』でおなじみの株式会社金馬新聞です。
トレンド転換の兆しとなる大陰線・大陽線
大陰線・大陽線とは?
そもそも大陰線・大陽線とは何でしょうか?
ローソク足は実体部分とヒゲによって構成されています。そして実体部分が極めて長いローソク足のことを大陰線・大陽線と呼びます。
上図Chartには、ヒゲがほとんどなく実体部分が極めて長いローソク足が3本(陽線1本、陰線2本)出現しています。これらが大陽線・大陰線です。
「底値圏の大陽線買い、高値圏の大陰線売り」
これらの大陰線・大陽線ですが、古くから伝わる相場格言にたびたび登場します。
「底値圏の大陽線買い、高値圏の大陰線売り」
「大陽線後の下げは買い、大陰線後の戻りは売り」
大陰線や大陽線の出現は常に相場転換の合図として、多くの投資家から重宝されてきたわけです。
『トレテンワールドFX』の中味を解説
1時間足でOCO注文
『トレテンワールドFX』は、上昇トレンド発生中に出現する大陰線や、下降トレンド発生中に出現する大陽線をシグナルで知らせ、トレンド転換を狙い撃ちするストラテジーです。
使用する足は1時間足。15~20時(東京終了〜ロンドン開始)、そして0時~2時(ロンドン終了)をトレード推奨時間帯としています。
推奨通貨ペアは以下の3つ。
- USDJPY
- EURJPY
- EURUSD
利益確定&損切りをエントリーと同時に注文(OCO注文)をするため、仕掛け後はチャートへの張り付きは不要です。
リミット・ストップラインも自動的にチャート上に描写してくれます。エントリーのベースになったローソク足の実体の長さと同じ幅で利確幅・ストップ幅を決めています。
つまり、リスクリワードは1:1ということになります。
『トレテンワールドFX』を実際に稼働させている動画
『トレテンワールドFX』を実際に稼働させている動画がこちら。
まずは「売り」エントリーです(0分50秒〜)。
見事に利確(+18.5pips)しています。
次に「買い」エントリーのパターン(下の動画 1分30秒〜)を御覧ください。最初のエントリーは利確(+17.1pips)、次は損切り(▲13.2pips)しています。更にエントリーし利確(+17.4pips)しています。
”買われすぎ・売られすぎ”からの「反転(逆張り)」を狙う
『トレテンワールドFX』は、単純に「大陰線」「大陽線」のみを捉えてシグナルを出しているわけではありません。
「買われすぎ」「売られすぎ」を数値化して捉えるオシレーター系テクニカルを併用して、シグナルをフィルタリングしています。
- 第1段階…トレンド中の買われすぎ・売られすぎを数値化することでトレンド転換を予測
- 第2段階…買われすぎ・売られすぎ後に出現する明確なトレンド転換ポイント(大陰線・大陽線)で仕掛ける(つまり逆張り)
上記のように2段階で仕掛けのタイミングを捉えているわけです。
トレンド中の逆張りを仕掛けるために、2つのオリジナルインジケーターが提供されます。
- Trender3…大きな矢印(トレンド方向性を示す)
- Big Cndle Stick…小さな矢印(エントリーシグナル)
大きな矢印によってトレンドの方向性を示し、その方向と同調する転換ポイントで小さな矢印(シグナル)を点灯させてエントリーを行います。
EA(自動売買システム)が付属
『トレテンワールドFX』は、インジケーター型のシグナルツールですが、同ロジックを自動売買化したEAも無料提供されます。
EAのバックテストは販売ページ内で公表されており、右肩上がりの成績を残していることがわかります。
とはいえ、これらはあくまでバックテスト結果にすぎませんので、今後も同様の成績が保証されるわけではありません。あくまでも参考データとして捉えるべきです。
『トレテンワールドFX』の欠点
まず『トレテンワールドFX』のデメリットについて解説します。以下の欠点が許容できない人は買うべきではないでしょう。
1.リスクリワードが「1:1」なので勝率50%超が不可欠
『トレテンワールドFX』の最大の特徴ともいえる点が、1:1のリスクリワードです。
利幅・ストップ幅を、シグナルの基になったローソク足実体の長さ(幅)と同一にするというルールがあるため、リスクリワードは1:1となります。1:1のリスクリワードであれば、勝率は50%を超えなければトータルでマイナスになってしまいます。
無裁量の逆張りロジックであるため、利幅を大きく取ることに躊躇がみられますね。これはちょっともったいないです。
できれば、ここに裁量を加えて、利幅を伸ばす工夫をしたいところです。逆張りとはいえ、相場が大きく転換する可能性を秘めたポイントも多々あります。逆張りで大きなトレンドに乗ることができたのに、小さな利幅で利確するのは戦略的にもマイナスです。
高い勝率が望めない以上、利益が伸びたらストップを段階的に切り上げていき大きな利幅を狙うべきです。
2.1時間足ベースなのでエントリーチャンスは多くない
執行時間足は1時間足です。1時間毎にシグナルの有無を確認し、シグナル点灯で仕掛けを行います。
トレード推奨時間も1日(24時間)の中で、限定されています。
- 15時〜20時
- 0時〜2時
上記時間内でトレンド転換が発生しなければ、シグナルは出ません。ビッグトレンドが発生すれば、エントリーチャンスは皆無となります。
1回もトレードできないという日も十分にあり得ます。
3.”逆張り”なので強いトレンド相場では勝てない(そもそもシグナルが出ない)
『トレテンワールドFX』の逆張りロジックは2段階です。
- 第1段階…トレンド中の買われすぎ・売られすぎを数値化することでトレンド転換を予測
- 第2段階…買われすぎ・売られすぎ後に出現する明確なトレンド転換ポイント(大陰線・大陽線)で仕掛ける(つまり逆張り)
『トレテンワールドFX』のロジックが有効に作用するには、買われすぎ・売られすぎによってトレンド転換が起こることが大前提となっていることがわかります。
しかしながら、極めて強いトレンド(ビッグトレンド)が発生すると、買われすぎ・売られすぎ指標(RSIなど)は、天井圏に張り付いて推移します。つまり転換しないということ。その局面で大陰線や大陽線が出現しても単なる押し目・戻りを付けたにすぎず、仕掛けても負けてしまいます。
トレンド転換が起こり得る場面でなければ、『トレテンワールドFX』の逆張りロジックは優位性を発揮することができません。
このあたりが、”トレンド中の逆張り”の難しさですね。
- リスクリワードが「1:1」なので勝率50%超が不可欠
- 1時間足ベースなのでエントリーチャンスは多くない
- ”逆張り”なので強いトレンド相場では勝てない(そもそもシグナルが出ない)
『トレテンワールドFX』の評価点
次に『トレテンワールドFX』の評価できるポイントを解説します。
1.トレンド転換を捉えやすい”1時間足”を採用
『トレテンワールドFX』は、1時間足のトレンド転換にのみ特化した手法です。
この手のFX商材においては、5分足、15分足や30分足など短い時間足でのトレンド転換を狙うスキャル系のものが多いですが、『トレテンワールドFX』はあえて1時間足という比較的長い足に特化しています。
トレンド転換につながる兆候(サイン)は、小さな時間足よりも大きな時間足のほうが確度が高いとされています。小さな時間足では、ノイズであることが多くダマシにつながりやすいからです。
また、1時間足を採用することで、トレードにゆとりが生まれ、「待つ」ことが可能になります。
2.ほぼ無裁量(高い再現性)
『トレテンワールドFX』は、チャート上のシグナルに従って仕掛け・手仕舞いをおこなうだけです。ENTRYタイミングや利確ポイント・ストップポイントも明確であり、ほとんど裁量が必要とされません(※)。その点において、非常に高い再現性を有しています。
※利幅&ストップ幅が5pipsに満たない場合はサインを見送るという追加ルール(裁量)があります。
チャートもシンプルで、スッキリしています。
3.トレード時間を厳選することで優位性を高める工夫
『トレテンワールドFX』の弱点であるレンジ相場を避けるために、あえてトレード時間を厳選しています。
- 15時〜20時
- 0時〜2時
つまり、東京時間終了〜ロンドン時間、さらにロンドン時間終了という局面を狙うわけです。この時間以外でのトレードは非推奨とされています。
ストラテジーの優位性を最大限発揮するためにトレード時間を厳選することは、極めてロジカルな考え方です。
4.付属のEAでバックテストが可能
EAが無料で付属しているため、購入者であれば誰でもバックテストが可能です。バックテストによってシグナル出現のタイミングや優位性を購入者自身で確認できます。
あえてEAを無料提供するという販売者の勇断を高く評価します。ロジックに自信があることの裏返しなのでしょうね。
- トレンド転換を捉えやすい”1時間足”を採用
- ほぼ無裁量(高い再現性)
- トレード時間を厳選することで優位性を高める工夫
- 付属のEAでバックテストが可能
『トレテンワールドFX』総合評価
【結論】1時間足でのコツコツ型トレードは地味だが「再現性」が高い
無裁量を謳うストラテジーにあえて「裁量」を加えることで、利幅を伸ばし損小利大にしていくことも可能
スキャルなどの慌ただしいトレードが苦手な人にこそ、手にとって欲しい商材だ
トレンド中の「逆張り」を狙う手法ですので、高い勝率は望めません。良くても60%くらいでしょう。基本的には「逆張り」なので、ビッグトレンド発生時は、ほとんどシグナルが出ません。
またリスクリワードが1:1ですので、コツコツ型の手法(損小利小)となります。
とはいえ、1時間足を使ったゆったりとしたトレードはストレスも少なく、OCO注文によってチャート張り付きなどの手間が大きく省かれるというメリットがあります。
シンプルなロジックは再現性が極めて高く、初心者でも迷うことなくトレードが可能です。
ロジックは完全に公開されているため、アレンジや応用の可能性も広がります。基本的には無裁量ですが、利幅を伸ばせるときは積極的に伸ばしていくなど、各個人の裁量を加えることで損小利大を追求でき、ロジックの良さを引き出すことができそうです。
サインツールというよりは、トレード補助ツールとして使うことが期待できるインジケーターですね。スキャルピングに代表される慌ただしくストレスの高いトレードに疲れ切った人にこそ、オススメできるFX商材です。
- トレンド転換を捉えやすい”1時間足”を採用
- ほぼ無裁量(高い再現性)
- トレード時間を厳選することで優位性を高める工夫
- 付属のEAでバックテストが可能
- リスクリワードが「1:1」なので勝率50%超が不可欠
- 1時間足ベースなのでエントリーチャンスは多くない
- ”逆張り”なので強いトレンド相場では勝てない(そもそもシグナルが出ない)
『トレテンワールドFX』を購入するべき人
- ゆったりとしたトレードを好む人
- シンプルなロジックが好きな人
- チャート張り付きができない人
- ストレスの少ない手法を探している人
『トレテンワールドFX』を購入してはいけない人
- スキャルピング商材を探している人
- ポジポジ病の人
- 高い勝率を求める人