「steady-FX(ステディーFX)」のレビュー
Strategy Testerのデータもフォワードデータも開示なし・・・
「steady-FX(ステディーFX)」の販売ページには、EAの優位性を裏付けるStrategy Testerのデータもフォワードデータも掲載されていません。なぜでしょうか?
少なくともStrategy Tester(バックテスト結果)だけでも販売ページ内に提示すべきです。ユーザーは何を根拠にこのEAを買えばよいのかわかりません。
タイトル:steady-FX(ステディーFX) 販売:工藤 真一 ツール:自動売買システム(EA) 発売日:2017年7月5日 steady-FX(ステディーFX)【公式サイト】 |
EAを開発するにあたって過去チャートを使っての検証(バックテスト)は不可欠です。膨大なヒストリカルデータを用意し、MT4に標準装備されているStrategy Tester(ストラテジーテスター)にて、作成したEAを走らせて検証を行います。
当たり前ですがたった一度の検証でいきなり優れた成績が出ることは稀です。不満足な検証結果をもとにEAのパラメータを変更したり、ロジックそのものを修正するなどして、何度もバックテストを実施し最適化をはかります。ひとつのEA開発の裏には、大量のStrategy Tester Reportが吐き出され、屍(しかばね)の山が築き上げられているのです。
最終的に満足のいくEAが完成すれば、今度はそれをフォワードテストします。つまり実践でリアルタイムに稼働させて優位性を検証するわけですね。フォワードテストは最低でも半年、できれば1年以上のデータがあれば望ましいです。バックテストだけでは過剰なカーブフィッティングになっている恐れがあるからです。
一定期間のフォワードテストを行い、しっかりと優位性が確認できた段階で、ようやく商品として販売される。それがお金を取るEAの本来のあり方です。とはいえ、大半のEA販売業者はバックテストのみで優位性を確認して、すぐさま販売しようとします。この行為は購入者を使ってフォワードテストを行っているのと同じです。ユーザーは自ら人柱としてお金を払ってEAの優位性を実証しなければなりません。本当にふざけてますね。
「steady-FX(ステディーFX)」は、バックテストデータすら開示していません。過去チャートにおける優位性すら未知数です。誰が買うのでしょうか?物好きな誰かが買っているからランキングに入っているのでしょうね(汗)。
steady-FX(ステディーFX)は押し目・戻り狙いの順張りEA(自動売買システム)
深い押し目・戻りをピンポイントで狙う
バックテスト非開示という不可解な点は置いておいて、取り急ぎ「steady-FX(ステディーFX)」の概略をレビューします。
基本的なロジックは、強いトレンドの初期に発生する「押し目」「戻り」を捉えて順張りをおこなうというものです。大きな時間足に同調する方向へ仕掛けるので比較的リスクの少ない手法ですね。日足・4時間足で相場の大局を把握し、15分足で仕掛けるMTF(マルチタイムフレーム)を採用しています。
トレンド発生中の深い谷(強い押し目・強い戻り)を狙い、かつストップは浅めですなので、損切りされたとしても傷は浅いというのがsteady-FXロジックの特徴でもあります。
リスクリワードは1:3以上(とはいえデータは非開示)
エントリーポイントはトレンド中の深い谷です。一方でストップはその谷の最下点からすぐ下に設定されています。一方の利確ポイントはトレンドフォローらしく損切り幅の3倍です。結果的にリスクリワードは1:3となり「損小利大」のロジックとなるわけです。堅実ですね。
優位性の高い箇所(深い調整箇所)で仕掛け、かつ損切りは浅い。トレンドに乗れば大きな利益を得られる。理想的な順張りスタイルです。このスタイルは裁量トレーダーである私の得意パターンでもあります(スイングトレード)。
押し目・戻り狙いこそ「鉄板」だ
押し目・戻り狙いは、初心者でも容易に利益を取ることのできるシンプルな手法です。もうこれだけでも良いのでは?と思うほどに簡単です。損切りは浅く設定できますのでリスクも小さく、順張りなのでトレンドに乗ることができればより大きな利益を追求できます。
執行時間足が1時間ならば、日足・週足などの大きな時間足の方向性を確認します。大きな時間足と同調する方向へトレンドが発生した際の「押し目」「戻り」を狙うだけです。
小難しい手法など不要です。シンプルに簡単に勝てる手法が1つあれば良いのです。それだけを職人のように淡々とこなせば相場で長く生き残ることができます。これぞ「鉄板」です。
残念ながら初心者にいくら教えても、やりたがらないんですね。「え、これだけ?」という反応です。もっと複雑な手法を知りたがるんですね。派手なインジケーターをいくつも重ねて表示させ、まるで戦闘機を操縦するかのようなチャート画面でトレードをしたがります。こうした迷走を経て結局シンプルな手法に落ち着くのかもしれません。私もそうでした。
steady-FX(ステディーFX)は、シンプルなロジックがベースです。斬新さはありません。ナンピンマーチンゲールも行いません。損小利大のトレードを淡々とこなすEA(自動売買システム)です。
「steady-FX(ステディーFX)」の概要
最後に「steady-FX(ステディーFX)」のシステム概要をまとめておきます。
- 取引通貨ペア:EURUSD(ユーロドル)
- 執行時間足:15分足
- ロジック:トレンドフォロー(押し目・戻り狙い)
- ナンピン・マーチンゲールの有無:なし
- 取引時間:24時間
- リスクリワード:1対3以上
- 口座縛り:なし
概要よりも重要とされるバックテストデータが非公開というのはまったく理解できません。
「steady-FX(ステディーFX)」の最大の欠点
「steady-FX(ステディーFX)」のデメリットについて触れておきます。以下の欠点が許容できない人は買うべきではありません。
1.フォワードデータだけでなくバックテストすら非開示は何故なのか?
「steady-FX(ステディーFX)」の欠点はこれに尽きます。EAの優位性を少なからず証明するバックテストデータ(Strategy Tester Data)すら公開されていません。全く理解に苦しみます。そんなEAを購入するのは大きなリスクを伴います。EAを開発したならバックテストを走らせるくらいのことはしているはずです。そのデータがなければそもそも優位性は語れません。販売者の方にお願いすれば、見せてもらえるのでしょうか?
- EAのフォワードデータだけでなくバックテストすら非開示は何故なのか?
「steady-FX(ステディーFX)」総合評価
【結論】バックテストデータすら公開されないEAを購入することは「臨床試験の結果が開示されていない新薬を服用する行為」に等しい
非公開・非開示の理由があるならば是非知りたい
理由なくデータを非公開にするならユーザーを軽視しすぎてると思われても仕方がない
ロジックそのものは評価できますが、EAの優位性を証明するためのデータが非開示である点が非常に残念です。販売者にお願いすれば開示してくれるのでしょうか?謎です。そもそもなぜデータが非開示なのか?理由を知りたいです。EAを開発するにあたってバックテストは何度も行っているはず。検証データによってEAの優位性を実証できたからこそ販売に至ったはずです。その検証データを公開しない理由な何ですか?本当に知りたいです。
バックテスト非開示のEAを購入するという行為は、臨床試験のデータが非開示の「新薬」を服用するようなものです。どんな副作用が出るのか?そもそもこの新薬は効くのか?それらの試験結果を知らされずに服用するなんて、怖すぎませんか。
- EAのフォワードデータだけでなくバックテストすら非開示は何故なのか?
「steady-FX(ステディーFX)」を購入したほうが良い人
- 優位性が不確かなEAを使う勇気のある人
「steady-FX(ステディーFX)」を購入しないほうが良い人
- EAの優位性を確認した上で購入すべきだと考えている人
- 優位性の不明なEAなど買いたくないと考えている人
- バックテストデータすら公開しないEAなど使いたくないと考えている人
タイトル:steady-FX(ステディーFX) 販売:工藤 真一 ツール:自動売買システム(EA) 発売日:2017年7月5日 steady-FX(ステディーFX)【公式サイト】 |