法律と消費者を軽視しているPSPBANK
PSPBANKという正体不明の情報商材に関する問い合わせをいただきました。
- PSPBANK
販売ページを見る限り、断定的判断の提供のオンパレードであり、消費者の誤認を誘発しそうなフレーズがこれでもかと並んでいます。
- 年利60%を完全保証
- 何もせずに、年収が1.6〜3倍に
- マイバンク口座だけは変わらず毎年、毎年60%ずつ「現金」が増えていきます
- マイバンク口座であれば年利60%以上は保証されています
- 最低でも年利60%ということですので100%、200%という桁違いな利率も可能です
これは何かの冗談でしょうか?このブログで何度も述べていますが、この「年利60%」がもしも虚偽ならば、購入者はいつでも契約取り消しが可能です。消費者契約法4条1項2号では断定的判断を提供したうえで勧誘し消費者が誤認をした場合、その契約は取り消すことができるとしています。
消費者契約法第4条
消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
一 重要事項について事実と異なることを告げること。 当該告げられた内容が事実であるとの誤認
二 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものに関し、将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供すること。 当該提供された断定的判断の内容が確実であるとの誤認引用:Wikipedia
また、特定商取引法第12条にも「誇大広告の禁止」が明記されています。
第12条 誇大広告等の禁止
事業者は、通信販売をする場合の商品・サービス等の提供条件について広告をするときは、サービスの性能・内容、クーリングオフ・契約解除についての特約や、その他の経済産業省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をしたり、実際のものよりも著しく優良であったり、有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。
引用:特定商取引に関する法律
驚くことに、PSPBANK販売ページの特定商取引法に関する表示には、販売者の住所すら記載されていません。完全に法律(そして消費者)を軽視しています。ちなみに、特定商取引法第12条「誇大広告の禁止」に違反するとどうなるか?
第15条 業務の停止等
主務大臣は、販売業者又は役務提供事業者に対し、通信販売に係る取引の公正及び購入者又は役務の提供を受ける者の利益が害されるおそれがあると認めるとき、14条の指示に従わなかったとき、その販売業者又は役務提供事業者に対し、1年以内の期間を限り、通信販売に関する業務の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができる
引用:特定商取引に関する法律
つまり、業務の全部または一部の停止命令が下されることになります。いわゆる行政処分です。販売ページの特商法表記の一番下に「表現、及び商品に関する注意書き」として以下のような文言が記載されていますが、
本商品に示された表現や再現性には個人差があり、必ずしも利益や効果を保証したものではございません。
この記載があるからといって、誇大広告表現が許されたり断定的判断の提供をしてもよいということではありません。
経済合理性に欠ける販売者の行動…
年利60%が完全保証されるならば、販売者が自分でお金を借りまくって、運用したほうがよっぽど儲かります。
ここからは販売者の方(開発者柴田章吾氏を含む販売メンバー)への私からのアドバイスです。銀行は貸してくれないでしょうから、消費者金融をはしごして、枠ギリギリまでお金を借りまくってください。クレジットカードを持っているのであれば、その枠も全部現金化してください。さらに友達、親戚にもお願いして借用書でも書いてお金を借りまくって下さい。もちろん金利は20%くらい支払うと約束します。消費者金融の金利2も0%くらいでしょう。それでも年利60%が完全保証されるのですから、
60% − 20% = 40%
つまり、毎年40%の利回りでお金が増えていきます。仮に借金1000万円をしても、1年後には1400万円になりますよ。すごいですね!さらに複利で回せば2年後には、1960万円です。2年後に借りたお金(元金)1000万円を返しても、960万円が手元に残ります。もちろん借金の返済を先延ばししてさらに複利で回せばとんでもないことになります。
- 1年後…1400万円
- 2年後…1960万円
- 3年後…2774万円
- 4年後…3842万円
- 5年後…5378万円
- 6年後…7530万円
- 7年後…1億541万円
7年で1億円になります。もちろん金利(20%)を支払ったうえでの数字です。PSPBANK開発者の柴田章吾氏は、他人にPSPBANKを売らずに、自分一人で借金してでも元手を作り、こっそりと運用したほうが、経済合理性が高いはずです。
それをナゼわざわざ他人に売ろうとするのか?年利60%完全保証のツール(?)を独占することこそが、経済合理的な行動であるはずです。元警察庁のプログラマーならば、こんな簡単な計算ができないわけがありません。不思議ですね。