グランドセオリーFX【CBMロジック】についての”おさらい”
前回に引き続きらいく氏のグランドセオリーFXのレビューです。今回のレビューでは具体的なロジックの中身に踏み込んで解説していきます。
この商材は、裁量マニュアルとなっています。基本的なテクニカル指標をチャートに表示させ、チャートパターンを読み取ってENTRY・EXITをおこなっていく手法ですね。
グランドセオリーFX全体の根幹をなすものが、CBMロジックと呼ばれる特定のチャートパターンです。ボリンジャーバンドとピンバー(※Pin Bar ローソク足)で構成されるチャートパターンをCBM(キャンドル・バンド・ミドルリターン)と呼び、相場の「転換ポイント」を暗示する重要なロジックであるとしています。
ピンバーとは以下のようなローソク足のことです。
出典:https://www.forextofreedom.com/tag/candlestick-patterns/
ピンバーとボリバンを組み合わせたCBMロジックがグランドセオリーFXの心臓部です。このCBMロジックをベースにレンジからトレンドまであらゆる相場をカバーしトレードチャンスを広げることを狙った手法、それがグランドセオリーFXといえます。
グランドセオリーFX【レンジロジック編】
相場の8割を占めるといわれるレンジ相場を攻略する方法が解説されています。ロジックそのものは非常にシンプルであり、CBMロジックをベースに小さな利益を抜くスキャルピングです。
実際には、CBMロジックに移動平均線を加えることでトレードの精度を上げたり、利食い損切りの目安にするなどの工夫がなされています。
レンジロジック編には、テキストマニュアル以外に、複数の動画と音声ファイルが用意されています。
- 動画1-1「基本のレンジロジック」
- 動画1-2「ハイレンジ相場での売買ケース」
- 動画1-3「±1σのレンジロジック」
- 動画1-4「±1σと±2σの混合トレード」
- 動画1-5「逃げトレードとは?」
- 動画1-6「汚染相場でのトレード」
- 動画1-7「トレンドが出たときのレンジロジックは厳禁」
- 動画1-8「±1σを使ったレンジロジックの欠点」
- 音声1-9「レンジロジックで勝つためのマインド」
- 音声1-10「レンジで使う時間足は何がいいのか?」
- 音声1-11「ルールを守るだけのトレーダーは長期的には勝てない」
- 音声1-12「含み益が減って利確をしたときは立派な勝利」
グランドセオリーFX【トレンドロジック編】
続いてトレンドロジック編です。トレンドの転換・初動・中間(押し目戻し)のどのタイミングで仕掛けるか?によってそれぞれロジックが解説されています。ここでもCBMロジックが活躍します。
トレンドロジック編にはテキストに加え、多くの動画と音声ファイルが用意されています。
- 動画2-1「トレンドの4つの波」
- 動画2-2「レンジをはさんだ上昇トレンド」
- 動画2-3「トレンドの転換→初動→ハイレンジの流れ」
- 動画2-4「トレンドの初動→ローレンジ→再びトレンド」
- 動画2-5「トレンドの中間・上げ→下げ→上げ」
- 動画2-6「ダラダラ下げる場合の、中間戻り売りポイント」
- 動画2-7「トレンドはどこで終わるのか?」
- 音声2-8「トレンド相場は待てないと取れない?」
- 音声2-9「トレンドの得意パターンを見極める」
- 音声2-10「トレンドの目線で、時間足を切り替える」
グランドセオリーFXの他のマニュアルについて
今回は、レンジロジック編とトレンドロジック編について触れましたが、商材には他のロジックやチャプターも多数掲載されています。
- ローソク足ロジック編
- ライントレード編
- スイングトレード編
- スキャルピング編
- マルチタイムフレーム編
- トレードの学習法
- トレードノート編
- ポジションサイジング編
今回は割愛しますが、時間があればまた詳しく取り上げたいと考えています。
グランドセオリーFXの曖昧さは問題なのか?
この商材を、ルールが曖昧(あいまい)だと酷評しているレビューサイトも多いと思いますが、私はある程度は仕方がないのかなと考えています。以下その理由を述べたいと思います。
相場で勝っている人は、基本的なルールを作ってはいますが、ENTRYやEXITなどの最終的判断は直感的なものが大いに入ります。
おそらくらいく氏も自身のトレードにおいてルール+直感を活用されているはずです。その直感部分を商材用に書き起こそうとすると、どうしても表現に曖昧模糊(あいまいもこ)とした部分が生じてしまい、第三者から見ると「わかりずらい」となってしまうのでしょう。
裁量マニュアルの王様ビクトリーメソッドアドバンスにおいても、「(レートの)勢い」「(テクニカルの)角度」という表現がよく出てきます。じゃあ角度って何度なの?と混乱する人もいるでしょう。これは各自が実践トレードの中で体得していくしかありません。
裁量トレードをマニュアル化することの難しさを痛感する部分です。
グランドセオリーFXのマニュアルや動画を見ると、らいく氏がなんとかロジックを明文化しようとする苦心が見て取れます。残念ながらロジックを100%明文化することには成功できていなでしょう(70%くらいか)。そもそも明文化が難しいからこそ「裁量」なので、この点は仕方がないと言えます。
ルール+α(アルファ)という感覚を理解できるかどうか
相場は常に変化しています。過去とまったく同じチャートパターンが出現することは絶対にありません。似たチャートパターンでもその背景は大きく異なることがあります。つまり唯一の正解などないということです。「100%テクニカル」が勝ち続けられない理由はそこにあります。
私はビクトリーメソッドアドバンスをベースにした裁量トレーダーですが、裁量手法を会得することこそ相場で長期的に生き残っていけるスキルであると考えています。
明確なルールがあり、そこに相場の匂いを嗅ぎとるための経験値をプラスして、ようやく相場からおこぼれを貰えるようになります。
グランドセオリーFXもルールは明確ですが、そこにプラスα(アルファ)が存在します。そのアルファこそが場数を踏むことで導き出された経験値(相場感)なのです。厳密なルールにプラスされる自身の相場感こそが、自分自身のエッジ(優位性)になるわけです。
この点を理解できない購入者には、ちょっと使いづらい(とっつきにくい)商材だといえます。
グランドセオリーFXの目的は裁量トレーダーの基本スキルの底上げだ
らいく氏は、テキストの中で、
当教材は「裁量トレーダーの“基本”スキルの底上げ」という理念を掲げている
と述べています。
私も、らいく氏の考えに賛同できます。裁量マニュアルの目的は、長期的に優位性の確保されたロジックを学ぶことで裁量スキルを向上させることにあります。その点において、グランドセオリーFXはその価値を満たしていると考えています。
この商材を読んで、すぐに勝てるか?といえば、勝てたり勝てなかったりでしょう。その点だけを取り上げて、この商材はダメだと烙印を押すのは早計です。その代わり、グランドセオリーFXを裁量トレードの基本スキルを磨くための商材だと位置づけることができれば、非常に有益な教材であるといえます。
特に中級者以上の裁量トレーダーにとっては、多くの気づきを得られる商材ではないでしょうか。逆に言えば、他力本願の初心者が購入しても、ほとんど得られるものはないでしょう。