超高額になったTPS第3期
先日、FX商材「FX裏技攻略塾TPS第3期」のオプトイン広告をご紹介しましたが、その販売価格が判明しました。
- 銀行振込 49万8000円
- カード決済 54万8000円
- FX裏技攻略塾TPS第3期の販売ページはこちら
ちなみに第1期、第2期の販売価格と比べると次のとおりです。
- 2015年5月【TPS】第1期生募集(入塾費用20万円)
- 2015年6月【TPS】第2期生募集(入塾費用29万8000円)
- 2015年9月【TPS】第3期生募集(入塾費用49万8000円〜)
第1期と比べると倍以上の価格になっていますね。
市場の僅かな歪みを狙い撃ちし理論勝率100%…
販売者の方々も述べていますが、このTPS(FX裏技攻略塾)は、その名の通り裏技系のノウハウです。FXトレードのスキルを向上させるマニュアルではなく、単に裏技を駆使して利ざやを抜いていく方法となります。
具体的なノウハウは不明ですが、TPSがアービトラージの一種であれば、ある程度推測できます。そもそもFXにおけるアービトラージとは何でしょうか?以前の記事にも書きましたので、そちらを御覧ください。
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FX第4アービトラージシステムの販売会社(株式会社グローバルビジョン)はその後、関東財務局より「無登録で金融商品取引業を行う者について」という警告が発せられました。
さらにこの商材で出金トラブルも発生しているようです。
»グローバルビジョンに関する詐欺被害情報
一般的にFXアービトラージといえば以下の3つが挙げられます。
- インターバンク&ブローカー間アービトラージ
- ブローカー同士のアービトラージ
- 通貨ペア間のアービトラージ
その1:業者間アービトラージ
有名なものは、業者間アービトラージです。FXは相対取引が中心ですので、業者(ブローカー)によっては、提示レートが微妙に異なります。そのレート差を利用して稼ぐ方法、それが業者間アービトラージです。
この方法は、あたかも「聖杯」のごとく取り上げられて、一時期流行りましたね。ブローカーによって対策(口座停止など)されやすいため、現在は、非常に難しいとされる手法です。
本当かどうか不明ですが、この手法を使って1週間で2億円稼いだトレーダーがいたそうです。ZAI(ザイ)FXのサイトに詳しい記事が載っています。
その2:先物/現物アービトラージ
それから、FX先物を使ったアービトラージです。 これは、現物市場で取引されている為替レートと先物市場で取引されている為替レートの価格差(ギャップ)を狙う手法ですね。
その3:通貨間アービトラージ
そして、最も馴染みのあるアービトラージ、それが通貨間アービトラージです。一時期、FX商材でも販売されていましたね。
通貨間アービトラージは、相関関係がある通貨ペア同士でトレードをおこないます。たとえば、正の相関関係にある通貨ペア同士(AUDJPYとNZDJPY)であれば同じような動きをする傾向にあるので、この”さや”が開いたら(AUDJPYが上昇しているのにNZDJPYはそのまま)いずれは収束するはずだ、と考えることができます。
そうした場合、AUDJPYを売って、NZDJPYを買う、という両張りポジションを建てるわけです。これがFXにおける、通貨間アービトラージ(さや取り)の基本ロジックです。
ただ、この通貨間アービトラージの優位性については、現在でも証明されていません。つまり、アノマリー(合理性の実証されていない)的な手法とされています。
この通貨間アービトラージについては、過去にもこのサイトで記事にしています。
今回のFX裏技攻略塾TPSは、はたしてアービトラージなのか、それともまったく異なる仕組みなのか?これは50万円近いお金を払って購入(入塾)してみなければわかりません。
アービトラージであれば、マーケットの歪みに着目し、そのゆがみから生じるわずかな価格差を狙い撃ちするため、理論的な勝率は100%というのもうなずけます。実際には稀にスリッページがあるため、その分だけ勝率が揺らぎますが、市場の歪みが是正されるまでは利ざやを稼ぐことができる可能性が高そうです。
アービトラージではなくまったく別の仕組みを構築しているのであれば、非常に興味深いです。
割りきったお金儲けとして考える?
TPSは、その名の通りFXの裏技で利ざやを稼ぐための方法を50万円で買うという商材です。
非常に特殊な方法であり、長期的に継続して稼げるかどうかまったく不明です。必要資金として最低40万円以上(推奨は100万円)必要とされていますので、入塾費50万円と資金40万円の90万円くらい用意できる方ならば、短期で稼ぐ手段と割りきってTPSに参加してみるという考えもあるのかもしれません。
私自身は「目に見えないリスク(自分が理解できないリスク)が存在しそれを自身で許容できない投資は決しておこなわない」と決めていますので、参加することはないでしょう。遠巻きにして見学します。
この世に投資の聖杯は存在しない
それにしても不思議に感じるのは、この裏技が業者公認の特殊口座を利用するため取引停止などの対策がとられないという点です。
その驚愕の裏技手法は業者公認の特殊口座を利用するので取引停止になることはないのです。
リスクをほとんど取ることなく、月間、約20%程度の利益を高確率で十分狙える可能性を秘めた手法…
FXは株と違って相対取引が基本です。つまりFXブローカーと個人投資家が取引をおこなっており、取引所は存在しません。構図としては、「FXブローカーVS. 投資家」ですね。個人投資家が稼げば、FXブローカーが損失を被ります(厳密にはもう少し複雑ですが)。個人投資家とFXブローカーは完全に利害が相反します。
一方、株式トレードは、投資家同士が取引所を介して取引を行います。構図としては「投資家 VS. 投資家」となります。証券会社は単なる仲介役に過ぎません。
一般的なFXアービトラージでは、投資家の利益は、即ブローカーの損失となるため、すぐに対策を講じられます。ひどいときには出金拒否などの強行手段をとられるケースもあります。
では、TPS手法における損失者はいったい誰なのか?FXブローカーではないのか?もしくは(意図的に損をさせられている)他の投資家なのだろうか?
まるで、無から有をうみだしているような錬金術(聖杯)に見えます。しかしこの世に投資の聖杯は存在しません。存在したとしても、我々のような一般投資家にまで知れ渡ることは決してありません。おそらく非常に緻密なスキームが組まれているのでしょうね。
TPSの裏技の驚くべき正体とは?
次回記事で、私なりにTPSの仕組みを推測してみました。
あくまで販売ページを見ての推測にすぎませんので、ぜんぜん違っている可能性もありますが、もしかしたら当たっている可能性もゼロではありません。
気になる方は、FX裏技攻略塾TPSの「裏技」を勝手に推測してみるを御覧ください。
- FX裏技攻略塾TPS第3期の販売ページはこちら