※販売会社であるグローバルビジョンは後に金融庁により「無登録で金融商品取引業を行っている者に対する警告」を受けています。
- https://kantou.mof.go.jp/content/000041526.pdf
- https://kantou.mof.go.jp/rizai/pagekthp032000017.html
※販売者の方より記事の誤りを数カ所指摘されましたので、訂正いたします(2012年10月3日)販売者の方と交わしたメールを抜粋し、そのまま掲載させていただきます。
サブライムストアで販売されている商材
今回は、読者様からの情報を元にちょっと変わった投資商材を検証します。「FX第4アービトラージシステム」です。インフォトップやインフォカートで販売されている商材ではなく、サブライムストアという北海道にあるASPでのみ販売されています。
投資ユーザーとしては、日本で最大のASPインフォトップや投資商材が充実しているインフォカートで、販売してもらった方がありがたいのですが何故か登録されていません。
FX商材販売者にとっても、最大のマーケット(顧客)であるインフォトップやインフォカートで販売したほうが、メリットがあると思います。
=============販売者のメールより==========
当社独自の判断ですが、インフォトップは業務縮小傾向にある判断しています。
一方、
現状、インフォトップ様の一人勝ち(?)の業界ですが、今後、
また、
一方、サブライム様のそれは、新しいサービスとのこともあり、
それに加え、
そうなると、アフィリエイターが多く登録されている、
以上のこともあり、サブライム様を選択しました。
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アービトラージシという商品の特性上、あまり多く売りたくない(広めたくない)、という販売者側の思惑があるのかもしれません。
FX第4アービトラージシステムの検証記事
それから、この商材の検証記事(ブログ)を探してみたところ、今年(2012年)の6月あたりから増えている感じがします。
=============販売者のメールより==========
一般販売をしたのが、6月だからです。
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どの検証ブログの評価も非常に高く、この商材のポテンシャルの高さを伺わせます。
100% 勝つことができる投資手法
FX第4アービトラージシステムは、アービトラージという仕組みを使って、利益を出していく自動売買のようですね。
販売ページを見ると、驚くような言葉が並んでいます。
取引する前から利益が確定されている・・・
ドローダウン0%・・・
初年度利回り50%以上保証・・・
一度でも負けたら全額返金・・・
100%勝つことができる投資手法・・・
例外なく全員が、一度たりとも負けることのない安全な資産運用を行うことが可能・・・
奇跡の資産運用・・・
『あらかじめ勝てることが分かっている場面』でしか取引を行いません・・・
いかがですか?これまで普通の取引をしてきた人々には、ちょっと信じがたいようなフレーズばかりですね。
聖杯なのか?
販売ページを読み解いてみると、FX第4アービトラージシステムというのは100%勝てる場面を選択し、その場面でのみトレードを自動で行うシステムのようですね。ドローダウンは0%です。つまり勝率は100%ということになります。まさに「聖杯」ですね。
しかも、29,800円という破格の値段です。
=============販売者のメールより=========
一般公開はしておりませんが、フロント商品購入後、
また、商品代金以外にも利益を生み出せるポイントがあります。
そのため、
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FX第4アービトラージシステムは、本当の聖杯なのでしょうか?そのあたりを紐解いていきたいと思います。
アービトラージって何だう?
そもそも、アービトラージって何でしょうか?ウィキペディアの解説が分かりやすいので引用してみます。
裁定取引(さいていとりひき、アービトラージ, Arbitrage)とは、金利差や価格差を利用して売買し利鞘(りざや)を稼ぐ取引のこと。サヤ取り(鞘取り)ともいう。
引用:Wikipedia
市場の歪みによって発生する価格差を利用して、その差額(利ざや)を稼ぐ方法が、アービトラージ(裁定取引)です。では、FXの場合、どのような価格差(レート差)が発生しやすいのでしょうか?せっかくですから、この機会にまとめてみましょう。
その1:業者間アービトラージ
有名なものは、業者間アービトラージです。FXは相対取引が中心ですので、業者(ブローカー)によっては、提示レートが微妙に異なります。そのレート差を利用して稼ぐ方法、それが業者間アービトラージです。
この方法は、あたかも「聖杯」のごとく取り上げられて、一時期流行りましたね。ブローカーによって対策(口座停止など)されやすいため、現在は、非常に難しいとされる手法です。
本当かどうか不明ですが、この手法を使って1週間で2億円稼いだトレーダーがいたそうです。ZAI(ザイ)FXのサイトに詳しい記事が載っています。
その2:先物/現物アービトラージ
それから、FX先物を使ったアービトラージです。 これは、現物市場で取引されている為替レートと先物市場で取引されている為替レートの価格差(ギャップ)を狙う手法ですね。
その3:通貨間アービトラージ
そして、最も馴染みのあるアービトラージ、それが通貨間アービトラージです。一時期、FX商材でも販売されていましたね。
通貨間アービトラージは、相関関係がある通貨ペア同士でトレードをおこないます。たとえば、正の相関関係にある通貨ペア同士(AUDJPYとNZDJPY)であれば同じような動きをする傾向にあるので、この”さや”が開いたら(AUDJPYが上昇しているのにNZDJPYはそのまま)いずれは収束するはずだ、と考えることができます。
そうした場合、AUDJPYを売って、NZDJPYを買う、という両張りポジションを建てるわけです。これがFXにおける、通貨間アービトラージ(さや取り)の基本ロジックです。
ただ、この通貨間アービトラージの優位性については、現在でも証明されていません。つまり、アノマリー(合理性の実証されていない)的な手法とされています。
この通貨間アービトラージについては、過去にもこのサイトで記事にしています。
FX第4アービトラージとは何なのか?
こうして見てみると、アービトラージには様々な種類があるのがわかりますね。もしかしたら、もっと存在するかもしれません。
あらためて、FX第4アービトラージシステムの概要について、チェックしてみましょう。販売ページではこれまでに開発した、第1~第3までのシステムの解説がありますね。
- 第1のアービトラージ・・・インターバンク&ブローカー間アービトラージ
- 第2のアービトラージ・・・ブローカー同士のアービトラージ
- 第3のアービトラージ・・・通貨ペア間のアービトラージ
ちなみにこれらのシステムは、対策が講じられた結果、すべて現在では通用しなくなっていると記載されています。そして第4のアービトラージは・・・
ポジションを両建てするロジックか?
販売ページ内の動画や取引明細を見ていると、ある程度推測はできそうです。まず、ドル円(USDJPY)の明細しかありませんので、おそらくドル円専用のシステムと思われます。
さらに明細を確認すると、ほぼ1~2pips抜きです。
=============販売者のメールより=========
利食いはさまざまですが、0.1~0.5pipsの利食いとなります。
非常に小さな鞘を利食います。
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リミット(TP)は、おそらく1~2pips程度でしょう。さらに・・・動画を見てみると、ちょっと驚くべき言葉が出てきます。※動画35秒あたりから
決済の概念を無くす
建てたポジションを放置する
つまり、ポジションを保有したら、1~2pipsの利益が出るまで、場合によってはポジションを放置するという手法であると推測されます。
「ドローダウンは0%」というのも、うなずけます。何故なら、ポジションを放置(塩漬け)するので、損切りが発生しないからです。
損切りしないから、ドローダウンが0%、なんですね。
=============販売者のメールより=========
そういうことではありません。
当社のDVDをご覧になりましたか?
ポジションは塩漬けにしますが、両建て状態の塩漬けです。
損失が膨らむことはあり得ません。
両建て状態の塩漬けをなぜするのかは、
また、この「決済の概念を無くす建てたポジションを放置する」、は、第四のアービトラージでは、行っておりません。
第四のアービトラージはすべての取引を数秒で決済します。
塩漬けポジションは一切ありません。
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FX第4アービトラージシステムのポジションを建てるタイミングのロジックは不明ですが、リミットとストップはなんとなくわかってきました。
リミットは(ほぼ)1~2pips。ストップは設定しない(もしくは、信じられないほど深い)。そして、戻らないポジションは塩漬けが基本(と思われる)。
=============販売者のメールより=========
上記の通り、すべて誤りです。
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これがFX第4アービトラージシステムのロジックと思われます。(ロジック非公開なので私の推測です)
両建てロジックも入っているのかもしれません。※ロジックはブラックボックス状態(非公開)ですので、あくまで私の推測です。
1pips抜きであれば、勝率も高いでしょう。でも万が一レートが逆行して戻らなかったら?もしかしたら、1ヶ月以上、あるいはもっと長期間、塩漬け状態になるかもしれません。
=============販売者のメールより=========
あり得ません。
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その間は、膨大な含み損を抱えてしまう可能性もあります。そしてレートが戻し、1~2pipsのプラスになったところで、決済。そうすれば、全戦全勝(勝率100%)です。
両建てによってドローダウン0%を実現している?
ドローダウン0%ということを謳っていますが、両建てをしている、ということではないでしょうか?
ドローダウンは脅威としか呼べない
”0%”となります。
両建てしていれば、理論上はドローダウンは0%です。
また、ポジションを塩漬け状態にしている場合は、含み損を常に抱えている状態となります。この推測が正しいと仮定して、今回の手法を実行するためには、複数ポジションを塩漬け状態にしても耐えられるだけの巨額の資金を口座に用意し、なおかつ、最小(ミニマム)ロットで運用するなどの慎重さが求められます。さらに、極力含み損を抱えないタイミングでポジションを持つというロジックの優位性も要求されます。
FX第4アービトラージシステムでは、この「極力含み損を抱えないタイミングでポジションを持つ」という部分に、何らかのアービトラージを採用していると考えられます。あとは、ポジションを持ったら1~2pipsの利益が出るまで決済しない、というシンプルな手法であると推測しています。
=============販売者のメールより=========
まったく異なります。
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想定されるリスクは?
=============販売者のメールより=========
リスクについては、我々も「0」だとは、発表しておりません。
当社の商品以外の他者様の商品と同じように、FXである以上、さまざまなリスクは考えられます。
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あくまで推測に基づくリスクですが、1pips抜きの塩漬けポジション手法における最大のリスクは、突発的な暴騰・暴落です。暴騰・暴落の直前に保有したポジションが戻らなければ、口座破綻という悲惨な結末をむかえます。損切りが設定されていない(もしくは限りなく深い)わけですから、レートが一方的に逆行すれば口座が耐えられません。もちろん、巨額の資金が口座に入っていて最小ロットで運用していれば、1ドル=50円位になっても耐えられるかもしれません(一例です)。かなりの確率で、1pips抜きができるポイントを予測しているのでしょうか?ロジックが非公開のため、断定することは難しいですが、潜在的にリスクを感じる手法に思えます。
それから、指定されている業者ですが、First Financial Brokerというブローカーです。私は初めて聞くブローカー名です。イギリスのブローカーですので、当然、日本の金融庁の管轄外です。
ポジション保有中の取引停止はできない
このシステムですが、ユーザーの要望で、取引停止できるようです。しかし、ポジションを保有中の場合は、取引停止できないとあります。
※ポジションを保有中の場合取引の停止はできません。
保有ポジションが解消してからの手続きとなります。
このシステムは、損切りをしない仕様と思われますので、含み損のポジションを保有している場合、そのポジションがプラスに転じるまで取引停止ができないということになります。含み損ポジションが発生した場合、いったい、いつ戻すのか?暴騰・暴落が起これば、数ヶ月~場合によっては数年、戻さない場合もあり得ます。自分で損切りできないので、最悪の場合は、含み損を抱えたまま口座破綻の可能性があります。
FX第4アービトラージシステムのリスクとは?
気になる点ですが、この販売ページにはリスクがほとんど説明されていません。
=============販売者のメールより=========
販売に必要なリスクについては、簡単ではありますが、
https://global-vision.asia/
ページ最下部の「投資にかかわるリスクおよび手数料について」
https://global-vision.asia/
同業の多くが、上位の「
購入される方は必ず、こちらを同意し、
合わせて、電話サポートにご連絡いただければ、
情報業界の投資ジャンルの中では、比較的、
ただ、業界自体を否定される場合、
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リスクのない投資などこの世に存在しないはずです。どんな金融商品にもリスクがあります。
しかしながら、第4アービトラージシステムのリスクについて、販売ページの、どこにも触れられていません。仮に損切りをしない手法であれば、それなりの含み損を抱えるリスクがあります。損切りしなければ、最悪の場合、口座破綻リスクも想定されます。しかし、販売ページに書いてあることは、この手法が対策を講じられる可能性がある、という程度です。1度でも負ければ全額返金保証と謳っていますが、負けたときは、このロジックが崩壊したとき、つまり口座破綻するときと思われます。
アービトラージは、対策される運命にある
ご存じの通り、アービトラージは市場の歪みを利用します。しかし市場の歪みは、いずれ修正されます。歪みに気付いた人が、利用すればするほど、一方で損失を被る人が増えます(FXの場合はブローカーなど)。
また、多くの人が歪みを利用すれば、それを排除する動きも早くなります。実際に、多くのブローカーは、さや取りトレーダーの口座を停止(口座凍結)するなどの強行手段を取ってきました。
つまり、アービトラージは、その本質からして、短期的な運命なのです。今は使えていても、いずれ対策を講じられてしまい、将来的には通用しなくなる可能性が高いです。一時的には優位性があっても、長期的な優位性は確保されない裏技的な手法とも言えます。
市場の歪みを見つけ出し商機に変える才能
逆を言えば、短期的にでも優位性を確保した手法で稼ぎたい、という方にとっては、非常に魅力的な手法です。アービトラージ手法は、短期的には聖杯と言えます。(対策を講じられるまでは)
そして、アービトラージ手法が対策されても、また新たなアービトラージを見つけ出す人が必ず存在します。まさにイタチの追いかけっこ状態ですね。
アービトラージを見つけ出せる人は、ある意味天才だと思います。市場の歪みをいち早く探り当てそこに商機を見いだすことなど、普通の人ではなかなかできないと思います。
これからもアービトラージ系の商材は出てくると思いますが、一番美味しいのは、まさにアービトラージを見つけ出せる才能を持った本人でしょうね。
※この記事はすべて当該販売ページを読んで、管理人が推測した内容に基づいて記載しています。
- 販売ページを見てみる
追伸
販売会社であるグローバルビジョンは後に金融庁により「無登録で金融商品取引業を行っている者に対する警告」を受けています。
- https://kantou.mof.go.jp/content/000041526.pdf
- https://kantou.mof.go.jp/rizai/pagekthp032000017.html