シンギュラーコアFX|概要
本日は、クロスリテイリング株式会社が販売するFX情報商材『シンギュラーコアFX』を検証レビューします。商材名の「シンギュラー=singular」とは「並外れた・非凡な・唯一の」という意味の英語(形容詞)です。「コア=core」は「中心・核」ですね。
販売元:クロスリテイリング株式会社
開発者:酒巻滋(さかまきしげる)
発売日:2019年8月27日
公式サイト:https://ssea.s3.amazonaws.com/top/pre201908.html
シンギュラーコアFX|検証とレビュー
開発者は『メテオチャート』『4DFX』の酒巻滋(さかまきしげる)氏
『シンギュラーコアFX』の開発者は、過去に『メテオチャート』、『4DFX』をリリースした酒巻滋(さかまきしげる)氏です。レビュー記事はこちら。
どちらもローソク足をチャート上に一切表示させない一風変わったチャートシステムです。クセのあるツールで、使う人を選びます。メテオチャートと4DFX、それぞれのMT4画面をご覧ください。
ご覧の通り、チャート上にローソク足が表示されていませんね。この手のチャートを「非時系列チャート」と呼びます。カギ足チャートや練行足、ポイント&フィギュアなども「非時系列チャート」と同じですね。
非時系列チャートとは?
一般的なチャート(時系列チャート)は時間経過に伴ってレートを右側に書き加えていきます。一方の「非時系列チャート」は、チャート上から時間の要素を排除して、価格変動に比重を置いた特殊なチャートです。価格変動が一定基準を超えたら順次右側にチャートを書き加えていきます。その特殊性から、使いこなすには相応の慣れが求められます。
今回レビューする『シンギュラーコアFX』のベースにもこの「非時系列チャート」の”概念”が取り入れられています。
『シンギュラーコアFX』はEA(自動売買システム)ですが、チャートを見ると「非時系列チャート」であることがわかります。ボラティリティ重視の練行足チャートをアレンジして、トレンドを明確に表示させるように改良してあります。
「21万円」のEA(自動売買システム)
『シンギュラーコアFX』はEA(自動売買システム)ですが、販売価格は213,840円です。21万円のEAを高いと感じるか、それとも安いと感じるかは、EAの実力(実績)次第でしょう。
ただ『シンギュラーコアFX』の成績は、机上データのみ。実際に稼働させた結果や、フォワード実績は、残念ながら公開されていません。
現時点における『シンギュラーコアFX』の実力は未知数といえそうです。実力未知数のツールに21万円を払えるかどうか…各人の判断の分かれるところですね。
スイングEAとスキャルEAの組み合わせでパフォーマンスを高める
『シンギュラーコアFX』の詳細をレビューしていきます。EAの評価はフォワード成績が全てです。EAのロジックや構成、バックテスト結果をいくら評価しても100%無意味です。EAの本質的な評価は、長期的なフォワード実績にすべて集約されますが、残念ながらフォワード成績は非公開です。
ですので、ここでは『シンギュラーコアFX』の概要をざっくりと説明する程度にとどめます。『シンギュラーコアFX』は2つのストラテジーを組み合わせたEA(自動売買システム)です。
- スイングトレード用EA
- スキャルピング用EA
「スイングトレード用EA」は1週間に2回程度ポジションを持ち、20〜60pipsの利幅を狙います。バックテスト上の勝率は86%。
一方の「スキャルピング用EA」は1日に2回程度ポジションを持ち、10〜20pipsを狙います。バックテスト上の勝率は75%。
「スイングトレード用EA」で長期トレンドの利益を狙いつつ、「スキャルピング用EA」で短期のトレンドから利益を抜いていく戦略ですね。
トレンドフォロー型EAであり「逆張り」はしない
「スイングトレード用EA」も「スキャルピング用EA」も、トレンドフォローロジックをベースとしています。推奨通貨ペアは以下の4つ。ドル円以外はすべてクロス円ですね。
- USD/JPY
- EUR/JPY
- AUD/JPY
- GBP/JPY
裁量(=プライスバンド)を取り入れることで利幅拡大を狙う
『シンギュラーコアFX』は完全自動売買ですが、「スキャルピング用EA」を補完する裁量システムも用意されています。それが「プライスバンド」。
本来10〜20pipsを狙う「スキャルピング用EA」ですが、トレンド継続の場合にさらに利益を伸ばすためのツールが「プライスバンド=(価格の抵抗帯)」です。
「プライスバンド」によって、裁量判断で決済タイミングを伸ばし、スキャルの利幅を大きくすることを可能にします。
シンギュラーコアFX|欠点
まず『シンギュラーコアFX』のデメリットについて解説します。以下の欠点が許容できない人は買うべきではありません。
ランダムに変動する相場に硬直的なシステム(EA)で対峙することの難しさ
相場は生き物です。もっと言えば物の怪(もののけ)です。常にランダムであり、次の瞬間の動きすらも予測不可能です。
ご存知かもしれませんが、AI(人工知能)ですら、いまだに相場を予測することに成功していません。そもそもAIが相場を予測できればマーケット(市場)が瞬時に崩壊します。
FX相場は「実需」が作り、「仮需」がそれを増幅させています。「仮需」とは投機のことです。つまり相場に参加するすべての投資家(トレーダー)の思惑や心理が、相場をより一層「複雑難解」なものにしているのです。
本商材に限らず、すべてのEAは過去チャートのパターン(傾向)をベースに、ロジックを組んだ硬直的なシステムです。いわば単眼的な視点から相場のクセを解析してシステム化したものとも言えますね。
ランダムに変動する相場に、硬直的なシステム(EA)で対峙することは、極めて困難を極める作業です。変化する相場に合わせてEAのパラメーターを常に調整し続けなければ、この厳しい世界では生き残れません。
バックテスト結果のみが公開されているEAであること
残念ながら販売者による『シンギュラーコアFX』のフォワード実績は公開されていません。あくまでも過去データを基にした「バックテスト結果のみ」で、EAのポテンシャルを推し量るしかありません。「完全自動で1億7400万円の利益を生み出すことも可能です。」は、2年半バックテストした結果を「複利運用の想定」で仮計算したら「1億7400万円」になります…という理論上の結果です。
その理論上のデータを元に、購入判断をしなければいけない点がハードですね。
- ランダムに変動する相場に硬直的なシステム(EA)で対峙することの難しさ
- バックテスト結果のみが公開されているEAであること
シンギュラーコアFX|評価点
次に『シンギュラーコアFX』の評価できるポイントを解説します。
”非時系列チャート”をベースにしたEAは斬新
『シンギュラーコアFX』は酒巻滋(さかまきしげる)氏が得意とする非時系列チャートをロジックのベースに据えています。”非時系列チャート”をベースにしたEAは斬新ですね。実際にどのようなタイミングで売買シグナルを出すのか、その動きを見てみたいという好奇心にかられます。
EAではなくトレード補助ツールとしての価値を評価したい
『シンギュラーコアFX』は完全無裁量のEAとしてリリースされていますが、EAの評価はフォワード成績がすべてです。勝てなければ継続使用は困難になります。
それよりも『シンギュラーコアFX』をトレード補助ツールとして活用できるならば、また別の側面から評価できるのではないかなと考えます。
EAとして使うだけではもったいないです。非時系列チャートの第一人者である酒巻滋氏の最新チャートシステム(インジケーター)を、トレード補助ツールとして活用したいというニーズもきっとあるはず。つまり、酒巻滋氏の過去商材であるメテオチャートや4DFXの進化版としての位置付けです。
非時系列チャートに興味があるユーザーならば、『シンギュラーコアFX』をEAとしてではなく、インジケーターとして活用することを考えてみるのもアリかもしれませんね。
- ”非時系列チャート”をベースにしたEAは斬新
- EAではなくトレード補助ツールとしての価値を評価したい
シンギュラーコアFX|総合評価
非時系列チャートの第一人者である酒巻滋氏の最新EAだ
残念ながらフォワード成績は非公開であるためEAの優位性を見定めることは難しい
EAとして使うよりもトレード補助ツールとして活用できるならばまた別の側面から評価できる
「1億7400万円を無裁量で叩き出す!」と謳う『シンギュラーコアFX』ですが、その裏付けがバックテスト結果である以上は、1億7400万円は理論値に過ぎません。”2年半のヒストリカルデータをもとにバックテストした結果を「複利で運用」したと仮定したら1億7400万円になります…”これを「実績」と呼ぶのはやや無理がありそうです。
商用EA全般に言えることですが、ランダムウォークの相場に対して硬直的なEAで臨むことの困難さに早く気がついて欲しいです。いまや、優秀なEAですら常に変化する相場に合わせてパラメーターを細かく微調整したり、状況に応じて複数のEAを使い分けをしたり、EAポートフォリオを組むなどの様々な工夫がが求められる時代です。
無裁量の単一EAで1億7400万円が稼げるかどうかと問われれば、難しいのではないかと感じます。
”非時系列チャート”の第一人者である酒巻滋氏の最新チャートシステムを試せると考えればアリかも…
『シンギュラーコアFX』をEAとしてではなく、投資補助ツール(インジケーター)として使うならば、アリかもしれません。非時系列チャートシステムのメテオチャートや4DFXの進化版(=最新版)として『シンギュラーコアFX』を使ってみたいユーザーは少なくないのではないでしょうか。
クセの強い非時系列チャートですが、時間概念を取り除きボラティリティ変化に比重を置いたチャートシステムは、通常のチャートを見慣れたユーザーには斬新に映るはず。非時系列チャートを学ぶことで、多くの気付きやヒントを得られるかも…。
非時系列チャートの第一人者である酒巻滋氏の最新チャートシステムを使いこなせるチャンスと捉えれば、21万円も決して高くはないかもしれません。
- ”非時系列チャート”をベースにしたEAは斬新
- EAではなくトレード補助ツールとしての価値を評価したい
- ランダムに変動する相場に硬直的なシステム(EA)で対峙することの難しさ
- バックテスト結果のみが公開されているEAであること
『シンギュラーコアFX』を購入したほうが良い人
- 非時系列チャートシステムに興味がある人
- EAとしてではなくトレード補助ツールとして活用してみたい人
- 机上の空論(バックテスト結果のみ)に21万円を払える人
『シンギュラーコアFX』を購入してはいけない人
- 人柱(ひとばしら)になりたくない人
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販売元:クロスリテイリング株式会社
開発者:酒巻滋(さかまきしげる)
発売日:2019年8月27日
公式サイト:https://ssea.s3.amazonaws.com/top/pre201908.html