国民生活センターとADR制度
国民生活センターには、多くのトラブル相談が寄せられています。FXに関する相談も増えているようです。
当サイトでも過去に国民生活センター関連の記事をアップしています。
そしてトラブル解決には、国民生活センターのADR制度が使えることをお伝えしました。
ADRとは裁判外紛争解決手続きのことです。国民生活センターが消費者と事業者の間に立って紛争の解決を図ってくれます。ADRの利用は完全無料です。
- 国民生活センターADR制度について
FXトラブルに巻き込まれた消費者は、その多くが泣き寝入りをしていると思われます。しかし、このADRを活用すれば、多少なりとも解決の糸口をつかめる可能性が高まります。
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国民生活センターADRに相談された案件
今回はそのADRに寄せられたFXトラブルをご紹介します。トラブル先は、情報商材販売者であり投資助言代理業者です。結論から先に申し上げると、ADRによる仲裁が上手く機能しませんでした。相談事案の概要は以下のとおりです。
相談者は、株式会社フロンティア(投資助言代理業者)と投資顧問契約を結び、会費105万円を払いました。そしてFXの運用資金62万円をFX会社の口座に入金をしました。
相談者は、システムを利用したトレードにより、10日後に全ての資金を失いました。相談者は、株式会社フロンティアに会費と運用資金の返還を求めました。
返還請求に対し、株式会社フロンティアは、「新しい自動売買システムを提供するので、その FX の利益で返還する努力をする」と回答しました。
相談者は、再度2万5000 円で運用を開始しましたが、その資金も失ってしまいました。
相談者は国民生活センターのADR制度を利用し、株式会社フロンティアから投資顧問費用105万円と、運用資金、システム利用料の合計167万円の返還を請求しました。
- 当該事案の詳細はこちらから確認できます
株式会社フロンティアとは?
上記概要に出てくる株式会社フロンティアですが、当サイトでも商材レビュー(FXトレンドレーダー 【検証とレビュー】)をしていますね。
そして、投資助言代理業者(関東財務局長(金商)第 2450 号)でもあります。渡秀明さんという方が運営責任者のようです。
最近ではコピートレードも販売しています。このコピートレードは、6ヶ月コースで120,000円です。
- スーペリアコース(トレードコピー)販売ページ
事業者の対応
さて、相談者からの依頼を受けて、国民生活センターは、株式会社フロンティアに接触を試みます。最初は、配達証明郵便の発送です。
これに対し、ADRを通じて解決を図る意志があるとの意思表示(口頭)がありました。 ADRの仲介委員が書面での回答を求めたところ、株式会社フロンティアからの回答はありませんでした。
仲介委員は、再度出席を求める出席要求書を送付しました。しかし期日までに、株式会社フロンティアからの回答はありませんでした。つまり、株式会社フロンティアはADRの手続きには応じなかったわけです。
こうなってしまうと、ADRとしてはどうしようもありません。ADRに強制力はないからです。
事業者側が応じなければ、真偽は闇の中
結局、相手方が話し合いのテーブルに着かなかったため、トラブルの真偽は不明のままです。消費者(相談者)側の言い分が正しいのか?それとも間違っているのか?このことすら明らかになっていません。
もしかしたら、消費者側の勘違い(もしくは事実と異なる)であった可能性も否定できません。しかしながら、事業者側が応じなければこの辺りの事実は見えてきません。
ADR(裁判外紛争解決手続)の限界
この一連のやりとりを見ると、ADRにも限界があることがわかりますね。ADRはあくまで和解の仲裁、仲介が業務ですので、裁判のような強制力はありません。先方が話し合いに応じなければ、どうすることもできません。つまり、先方の考え方(方針)次第ということになります。
では、まったくADRは使えないのか?とは思えません。一連のやり取り(事案)はADRに記録として残されます。記録された情報は、データ(資料)として一般公開されていて、ネットから自由に閲覧可能です。つまり、「○○○(事業者名) ADR」と検索すれば、Googleの検索結果に表示されます。
我々消費者は、こうした情報をチェックすることで、事業者側の姿勢(態度)などを確認することができます。事業者が提供する商品やサービスの購入判断に活かせるのではないでしょうか。
最近ネットを賑わせている株式会社バベルとグレートジャイアンバイナリーに関するトラブルも、ADRを利用してみてはいかがでしょうか?
管轄の財務局に相談する
また相手方が投資助言代理業者であれば、管轄の財務局に相談するという手段もあります。その事業者の管轄財務局に連絡をし、トラブル内容を伝えて相談することは有効です。
参考までに、各財務局の連絡先を記載しておきます。
各地の財務局の連絡先
財 務 局 (担当課) | 所在地 | 電話番号 |
---|---|---|
関東財務局 (証券監督第二課) |
〒330-9716 さいたま市中央区新都心1-1 さいたま新都心合同庁舎1号館 |
048 (600)1156 |
近畿財務局 (証券監督課) |
〒540-8550 大阪市中央区大手前4-1-76 大阪合同庁舎第4号館 |
06 (6949)6367 |
北海道財務局 (金融監督第三課) |
〒060-8579 札幌市北区北8条西2丁目 札幌第1合同庁舎 |
011 (709)2311 |
東北財務局 (金融監督第三課) |
〒980-8436 仙台市青葉区本町3-3-1 仙台合同庁舎 |
022 (263)1111 |
東海財務局 (金融監督第三課) |
〒460-8521 名古屋市中区三の丸3-3-1 |
052 (951)2498 |
北陸財務局 (金融監督第一課) |
〒921-8508 金沢市新神田4-3-10 金沢新神田合同庁舎 |
076 (292)7855 |
中国財務局 (金融監督第三課) |
〒730-8520 広島市中区上八丁堀6-30 広島合同庁舎第4号館 |
082 (221)9221 |
四国財務局 (金融監督第一課) |
〒760-0008 高松市中野町26-1 |
087 (831)2131 |
九州財務局 (金融監督第三課) |
〒860-8585 熊本市西区春日2-10-1 熊本地方合同庁舎 |
096 (353)6351 |
福岡財務支局 (金融監督第三課) |
〒812-0013 福岡市博多区博多駅東2-11-1 福岡合同庁舎 |
092 (411)7281 |
内閣府 沖縄総合事務局 (金融監督課) |
〒900-8530 那覇市前島2-21-7 カサセン沖縄ビル |
098 (866)0031 |