イニシア・スター証券が登録取り消し
2012年12月5日に、イニシア・スター証券が金融庁から行政処分を受けました。
イニシア・スター証券については、当ブログでも以前取り上げたことがあります。
上記記事の中で、イニシア・スター証券に関して気になる点を記事にしていました。
イニシア・スター証券以外は全て海外ブローカーです。
日本国内では、IB行為に関しては金融庁が目を光らせているはずですので、基本的に海外ブローカー(金融庁から許可を得ていないブローカー)でしか、IB行為はできないはずです。しかし、イニシア・スター証券は日本国内のブローカーです。
金融庁から許可を得ているブローカーがIB行為を行っていることが、不思議なのですが、もしかしたら、イニシア・スター証券は、口座開設アフィリだけなのかもしれませんね。
ちょっと気になるのは、イニシア・スター証券のカバー率です。イニシア・スター証券のサイトには、カバー先に関する記述が全くありませんので、もしかしたらカバー率が低い可能性がありそうです。
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実質的な廃業勧告
行政処分といっても登録取り消しですので、実質、廃業させられたことになります。
本日、当社に対し、下記(1)については、金商法第 52 条第1項第6号及び第7号の規定に基づき、下記(2)については、金商法第 51 条の規定に基づき、以下の行政処分を行った。
(1) 登録取消し
関東財務局長(金商)第144号の登録を取り消す。イニシア・スター証券株式会社に対する行政処分について
上記の通り、イニシア・スター証券に対して金融商品取引業者の登録取り消しというかなり厳しい処分が下されました。
イニシア・スター証券の「法令違反行為」とは?
金融商品取引業者の登録取り消し処分を下されるのは、かなり異例です。イニシア・スター証券は、どんな行為(法令違反)をしてしまったのでしょうか?対象となった法令違反行為は4つです。
- 純財産額及び自己資本規制比率が法定の基準を下回っている状況
- 当局に対する虚偽報告
- 顧客区分管理必要額を運転資金等に流用している状況
- 支払い不能に陥るおそれのある状況
う~ん、どれもアウトですね。
2億円が存在しなかった!?
まず、1と2の法令違反ですが、預金(純財産)が2億1400万円あると虚偽の報告をしていたことが、バレたということです。本当は、2億円は存在せず1400万円しか預金がなかったそうです。結果的に、自己資本規制比率が法定の基準に満たないということになりました。
顧客のお金を不正に流用して支払い不能に・・・
次に3と4の法令違反ですが、これはひどいです。顧客のお金1億1600万円を不正に流用した結果、支払い不能に陥っているということです。
不正流用の先は、自社の運転資金であったり第三者への貸し付けだったりします。
イニシア・スター証券が”破産”
結局、イニシア・スター証券は、2013年2月1日に破産開始手続き決定を受けました。
出典:イニシア・スター証券は破産開始手続決定を受けました
登録取り消しという厳しい処分を受けて、再建を目指すのはほぼ不可能だと思います。こうなることは、既定路線だったのかもしれません。
顧客のお金は戻ってこない・・・
投資家がイニシア・スター証券に預けていた資金の大半は、戻ってこないのではないでしょうか。そもそも、イニシア・スター証券にお金がほとんど残ってません。税金の未払いも存在します。
破産申立ての際に提出された一件記録によれば、破産者には多額の財団債権(税金の未払い等)が存在する一方で、資産は乏しく、現状では債権者の皆様に破産債権の届出を頂いても配当することが困難な状況となっております。
破産管財人からのお知らせ
顧客にとっては、最悪の状態ですね。負債総額は、約2億9000万円です。一方、債権者の数は、約460名だそうです。この460名の大半は、口座開設した投資家だと思われます。
ゲムトレードの説明責任は?
イニシア・スター証券を国内初の取り扱いブローカーとして謳っていた、ゲムトレードの対応はどうだったのでしょうか?ゲムトレードのポータルサイトを見ても、なにもアナウンスがありません。
イニシア・スター証券が、ゲムトレードに対応したのは、2012年3月だったと思います。今まで、海外のブローカーしか対応できていなかったゲムトレードでしたが、初の国内ブローカーとして強力にプッシュしていましたね。ゲムトレードを経由して、イニシア・スター証券に口座を開設したユーザーも多かったのではないでしょうか?
昨年(2012年)の11月には、ゲムトレードにおいて、イニシア・スター証券対応のEAが、堂々の成績ランキング1位に輝いています。その1ヶ月後に登録抹消になるわけですが・・・
ゲムトレード側から、何らかの告知があっても良いと思うのですが、現時点では(WEB上で)なにもアナウンスがありません(もしかしたら、ゲムトレードユーザーには報告があったのかもしれません)。ゲムトレードの対応証券会社一覧から、イニシア・スター証券の名前が消されています。
ゲムトレードには期待しているので、できればユーザーに対してしっかりと説明責任を果たして欲しいところです。