借金をチャラにしてくれるゼロカットとは?
海外FX業者は、大きく負けても絶対に借金にならないって聞いたんだけど…
ほほほ。ゼロカットのことじゃな。
それは本当じゃよ。ロスカットが間に合わず口座残高がマイナスになっても、FX業者がマイナス分を補填してくれるサービスじゃ。
だったらすごく安心だよね!
だけど日本国内のFX会社ではゼロカットサービスをしていないよね?
どうしてなのかな?
海外FX業者の最大の特徴が「ゼロカット」です。
ゼロカットは、大きな相場変動が発生した際にロスカットが間に合わずに口座残高がマイナス担った場合、その損失分をFX業者が補填してくれる(肩代わりしてくれる)サービスのことです。
相場の急変でレートが飛び、ロスカットが間に合わない…というケースは稀に発生します。ロスカットが間に合わなければ、想定していた以上の(ロスカット水準を越える)損失を被る可能性があります。損失額の規模によっては口座残高がマイナスになるケースもあるのですね。30万円の口座残高が、瞬時にマイナス100万円になってしまうこともあるのです。
通常ならばこのマイナス100万円は追加証拠金(=追証)としてFX業者から請求されます。なぜなら借金だからです。
しかし、ゼロカット業者であれば、あなたのマイナス100万円(借金)は全て業者が肩代わりしてくれます。つまりあなたの口座は0円に戻してもらえるのです。
これがゼロカットと呼ばれるサービスです。
海外FX業者ではあたりまえとされるゼロカットですが、日本国内のFX会社(登録業者)でゼロカットを採用している会社は1つも存在しません。ですので以下のような疑問を持つユーザーも少なくないでしょう。
どうして日本国内のFX会社は、ゼロカットを提供しないの?
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ゼロカット(追証なし)海外FXでは常識なのに、国内FXで採用されないのはなぜ?
日本国内のFX会社がゼロカットを採用しない理由は、法律で禁止されているからです。金融商品取引法で明確に定められています。
金融商品取引法
第三十八条の二 金融商品取引業者等は、その行う投資助言・代理業又は投資運用業に関して、次に掲げる行為をしてはならない。
一 投資顧問契約、投資一任契約若しくは第二条第八項第十二号イに掲げる契約の締結又は解約に関し、偽計を用い、又は暴行若しくは脅迫をする行為
二 顧客を勧誘するに際し、顧客に対して、損失の全部又は一部を補てんする旨を約束する行為(損失補塡等の禁止)
第三十九条 金融商品取引業者等は、次に掲げる行為をしてはならない。
一 有価証券の売買その他の取引(買戻価格があらかじめ定められている買戻条件付売買その他の政令で定める取引を除く。)又はデリバティブ取引(以下この条において「有価証券売買取引等」という。)につき、当該有価証券又はデリバティブ取引(以下この条において「有価証券等」という。)について顧客(信託会社等(信託会社又は金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。以下同じ。)が、信託契約に基づいて信託をする者の計算において、有価証券の売買又はデリバティブ取引を行う場合にあつては、当該信託をする者を含む。以下この条において同じ。)に損失が生ずることとなり、又はあらかじめ定めた額の利益が生じないこととなつた場合には自己又は第三者がその全部又は一部を補塡し、又は補足するため当該顧客又は第三者に財産上の利益を提供する旨を、当該顧客又はその指定した者に対し、申し込み、若しくは約束し、又は第三者に申し込ませ、若しくは約束させる行為
二 有価証券売買取引等につき、自己又は第三者が当該有価証券等について生じた顧客の損失の全部若しくは一部を補塡し、又はこれらについて生じた顧客の利益に追加するため当該顧客又は第三者に財産上の利益を提供する旨を、当該顧客又はその指定した者に対し、申し込み、若しくは約束し、又は第三者に申し込ませ、若しくは約束させる行為
三 有価証券売買取引等につき、当該有価証券等について生じた顧客の損失の全部若しくは一部を補塡し、又はこれらについて生じた顧客の利益に追加するため、当該顧客又は第三者に対し、財産上の利益を提供し、又は第三者に提供させる行為引用:金融商品取引法
ゼロカットとは損失補填のことを指します。
”損失補填”って言葉、ニュースで聞いたことありますよね。証券会社が顧客の損失を補填して行政処分を受けたというニュースです。最近では以下のニュースが世間を騒がせました。
東郷証券幹部ら4人逮捕 損失補填疑いで地検特捜部
2019年6月20日
東郷証券(東京・港)が外国為替証拠金(FX)取引で生じた顧客の損失を穴埋めしたとして、東京地検特捜部は20日、同社取締役の林泰宏容疑者(58)と、大阪市の商品先物会社「さくらインベスト」社長の宮井智浩容疑者(48)ら4人を金融商品取引法違反(損失補填)容疑で逮捕した。
引用:日本経済新聞WEB版
上のニュースのように刑事事件として立件され逮捕者が出ることは稀ですが、日本において、損失補填はれっきとした法令違反なのですね。
金商法においては、顧客に生じた損失を穴埋めすること(損失補填)は、市場の公平性や健全性を損なう点から原則禁止しています(1991年法改正以降)。
日本国内のFX会社がゼロカット(損失補填)をしない理由は、法令違反だからじゃよ。
身も蓋もない話ですが、日本国内のFX会社がゼロカット(損失補填)をしない理由は、それが明確な法令違反にあたるからです。単純な話ですね。
一方、海外FX業者(世界各国の規制を逃れている業者)は、法令遵守などどこ吹く風ですから、何でもありです。法令違反であろうとなかろうと、金儲けにつながるなら何でもします。ゼロカットはユーザーにとって魅力的なサービスに見えるから、業者はリスクを負ってでも提供するわけです。それが顧客獲得=売上げアップに直結するから…。
海外FX業者は日本の法律(金商法)に縛られないから、ゼロカットを提供できるんじゃよ。
なるほど!
だから日本のFX会社はゼロカットできないのに、海外FX会社はゼロカットを提供できているんだね!