FX自動売買システムDESIRE|検証とレビュー
本日は、株式会社オタケンが販売するFX自動売買システム「DESIRE」を検証レビューします。
販売元:株式会社オタケン
責任者:大田賢二
販売価格:228,000円(税込)
公式サイト:https://desire-system.com/
株式会社オタケンの代表”オタケン”(太田賢二)さんは、元お笑い芸人です。情報商材業界では古株で、黎明期(2009年〜)から様々なアフィリエイト商材をリリースしている人物として知られています。これまでは、アフィリエイトノウハウ、Twitter集客ノウハウ、You Tube運営ノウハウ、など主にアフィリエイト関連商材が中心でした。
そんな彼がFX商材、しかも自動売買システム(EA)販売へと乗り出してきました。
ここがPOINT!
- 元お笑い芸人「オタケン」氏がFX自動売買ツールをプロモーション
FX自動売買システムDESIRE|欠点
結論から述べます。本商材は残念ながらおすすめできません。
20万円を超える超高額商品(EA)の販売手法としては、あまりにもずさんであり、消費者を軽視しています。
検証データが(いつのまにか)削除された
公開直後販売ページに掲載されていたEAのストラテジーテスターレポートが、いつの間にか削除されています(2021年7月7日時点)。
販売開始直後(2020年上半期)、販売ページ内にStrategy Tester Report(ストラテジーテスターレポート=つまりEAのバックテスト情報)が掲載されていました。ところが、現在はStrategy Tester Reportが削除されています。削除した理由については一言も触れられていません。
EAの優位性をチェックするために最も重要とされるデータ「Strategy Tester Report」を販売ページから削除した”納得できる理由”があれば、ぜひ聞いてみたいです。
なぜ、削除したのでしょうか?販売者側になにか不都合でもあったのか?Strategy Tester Reportを見られたくない”大人の事情”が発生したのか?
削除した理由を推察すれば、自ずと本商材の優位性について理解が及ぶはず(…推して知るべし)。
ここがPOINT!
- 販売ページに当初掲載されていたEAのストラテジーテスターレポートが、いつの間にか削除されているという事実
- 削除した理由すら述べられていない…
フォワード実績(運用データ)もナシ ← これ
バックテストのデータすら削除するわけですから、フォワード実績(運用データ)も当然ありません。一体なにをもってして本商材EAの優位性を検証すれば良いのでしょうか?もはや商用EA販売の体裁を保っているとは思えません。
- バックテストデータ…公開後に削除!
- フォワードデータ …最初から非公開!
これって本当にユーザー(購入者)想いといえるでしょうか?なんだか悲しくなりますね。
ここがPOINT!
- フォワード実績(運用データ)も皆無…なにをもってEAの優位性を検証すればよいのか?
残念ながら、想像通りのナンピンマーチンEAだった…
削除されたとはいえ、ほかのレビューサイトをチェックすれば、当初掲載されていた本商材のStrategy Tester Report(ストラテジーテスターレポート)を見つけることは容易です。それらのレポートから本商材EAの特徴を読み解いてみましょう。
まずなんと言っても最大の特徴はナンピンマーチンゲール型のよくあるEAであるという点。残念ながらというかやっぱりというか、想像通りのナンピンマーチンEAでした。多段階(最大8段階)のナンピンをおこない、ロット数もナンピンに応じて増やしていく典型的なナンピン・マーチンストラテジーです。最大ドローダウン(DD)は62.13%。なかなかハイリスクなEAです。
ここがPOINT!
- 残念ながら、ナンピンマーチンゲール型のEAだった…
ナンピンマーチンゲール型EAの末路は「悲惨」の一言
ナンピンマーチンゲールEAの危険性については過去に何度も取り上げていますので、参考までに以下の記事をお読みください。
ナンピン+マーチンゲールEAの悲しい末路
過去にも数多くの「ナンピン+マーチンゲール」型EAが販売されてきました。知る限りにおいて現在も運用が続いている「ナンピン+マーチンゲール」型EAはゼロ、皆無です。全て口座破綻、もしくはそれに準じる不幸な結末(口座破綻直前で証拠を隠滅して逃亡…)を迎えています。
あの「W2C-Clipper」ですら口座破綻した!
2012年に一世を風靡した有名なEA「W2C-Clipper」。6段階のリスクコントロールを備えた高機能ナンピンマーチン型EAで、飛ぶ鳥を落とすほどの勢いで利益を拡大していきました。販売者の㈱トリロジーは投資助言代理業です。
ところが…そんな高機能EAでさえ、口座破綻したのです。
W2C-Clipper(クリッパー)を愛する者のブログの運営者は▲143万円まで損失を拡大して以後、更新がストップしました。※現在「W2C-Clipper」はロジックを修正して再販されています。
他のナンピン・マーチンゲール型EAも、破綻の歴史を繰り返しています。
出典:https://www.myfxbook.com/members/W2C_Clippers_x04/w2c-clipper-series2011/184665
出典:https://www.myfxbook.com/members/toumapapa/toumapapa-clipper/273237
出典:https://fx-on.com/systemtrade/once.php?i=2470&xグラフをみればおわかりの通り、右肩上がりのグラフがある日突然崖崩れして破綻。これが典型的なナンピンマーチンEAの資産曲線です。
フォワード成績を消して逃げ切りを謀るEA
販売業者連中 上に挙げた画像は消される前のナンピンマーチンゲールEAの悲惨な成績たちです。大半のEA業者が、口座破綻後に、フォワード成績を消して逃亡します。
ナンピンマーチンEAを運用した多くの人が口座破綻し、大切なお金を失ったのです。一方、EA販売業者は知らんぷりです。フォワード成績をこっそり消して、フェードアウトです。自社の成績ブログ等で口座破綻の事実を認め、ユーザーにお詫びする業者など、ほんの一部だけ(唯一、W2C-Clipper(クリッパー)を運用する㈱トリロジーは口座破綻を認め、ユーザーに謝罪をしました)。
ナンピンマーチンゲール型EAは破綻しない限りにおいては右肩上がりの収益曲線を描きます。つまり稼げるということ。ただし、その多くが最終的に口座破綻しているという事実は知っておくべき。
販売元:株式会社オタケン
責任者:大田賢二
発売日:2020/01/14
公式サイト:https://desire-system.com/
ここがPOINT!
- ナンピンマーチンゲール型EAは破綻しやすいという事実を知っておくべき
- 過去に多くのナンピンマーチンゲール型EAが口座破綻を繰り返してきた歴史がある
なぜナンピンマーチンゲール型EAは口座破綻するのか?
ナンピンマーチンゲール型EAが口座破綻しやすい理由を語るまえに、ナンピンマーチンゲール型EAがどのような戦略を取るのかを解説します。
24FXの高勝率の秘密は”ナンピン・マーチンゲール”
24FXが初心者でも容易に勝てる、しかも勝率が高い理由…それはナンピン・マーチンゲール戦略にあります。
まずはナンピン・マーチンゲールのおさらいをしておきます。ナンピン・マーチンゲールとは「レートが逆方向に進んだ際に、ポジションを多段階(倍々)で増やしつつ、少しの戻り(調整)で全ポジションを決済し利益を出す高度な戦術」です。
仕掛け後、レートが逆行した際(含み損を抱えた際)に、最初に建てたポジションの2倍で新たなポジションを建てます。さらに逆行すればさらに倍(最初のポジションの4倍)のポジションを建てていきます。レートが逆行すればするほど「倍々」でポジションを増やしていく点が特徴です。
①で「買い」(1LOT)でエントリーしたのですが、思惑とは逆の方向にレートが動いてしまった場合、②で再度「買い」ポジションを持ちます。その際に最初の「2倍」=2LOTで買いポジションを建てます。ここでレートが戻せばトータルで勝てますが、さらにレートが逆行して含み損を抱えた場合は③で新たなポジションを持ちます。さらに逆行すれば今度は③で4LOT「買い」を建てます。それでもレートが戻さず含み損を抱えた場合は、④で8LOTを「買い」ます。
ここから運良くレートが戻し(調整が入り)⑤で全てのポジションを決済することができれば、トータルの利益をプラスにすることができます。
計算してみましょう。仮に逆行するレート10pips毎に倍々でナンピンし、⑤で全て決済したと仮定します。
①のポジション=▲20pips(1LOT✕▲20pips)
②のポジション=▲20pips(2LOT✕▲10pips)
③のポジション=0pips
④のポジション=80pips(8LOT✕10pips)
合計=40pips(スプレッドは未考慮)これがナンピン・マーチンゲールの”仕組み”です。含み損が拡大しても戦略的にポジションを建てることで、たった一度のわずかな調整(戻し)でトータルプラスにすることができるリスクヘッジ法です。
ちなみに、FX自動売買システム「DESIRE」のマーチンゲルーは単純に2倍・4倍・8倍と倍々にロットを上げるわけではありませんが、基本戦略としては上の解説と同じです。ENTRY後にレートが逆行すればロットを増やしながら多段階ナンピン(最大8回)を仕掛けるというもの。
では、何故ナンピン・マーチンEAが破綻する可能性が高いのか?
ナンピン・マーチンが極めて危険なトレードである理由
FXにナンピン・マーチン戦略を取り入れて生き残っている人は、極めて稀です。もし生き残っているならそれは単に「運が良かった」だけです。運が良ければ誰でも(初心者でも)簡単に連勝できます。しかし、連敗すれば一瞬にして破綻(ルール崩壊&オーバーポジション)してしまいます。
ナンピン・マーチンが高度な判断を要求される手法であることは、FX経験者ならば容易に理解できます。ナンピン・マーチンゲールは、レートが逆行しても「多少の戻し=調整」が入るだろうという楽観的思考がベースにあります。しかしながら為替相場においては、調整が入らずレートが一方向に進んでしまうことは多々あります。倍々で賭けていくナンピン・マーチンゲールは調整の入らない一方向へのトレンドが生じたときに、あっけなく破綻してしまうのです。
8倍でも戻らなければ次は16倍です。16倍でも戻らなければ次のポジションは32倍です。あなたはどこまで持ちこたえられますか?資金的にも精神的にもキツいトレードです。精神的に耐えられても資金が破綻(オーバーポジション)します。大量の資金を用意しても、”倍々で含み損が膨らんでいく恐怖”に耐えられるほどの精神力を持つ人など、ほとんどいません。
ナンピンマーチンが「悪魔の手法」と呼ばれる所以です。
初心者ほどナンピン・マーチンゲールに「目を輝かせ」ます。夢のような手法(聖杯)に思えるからですね。
これまでも数多くのナンピンマーチン手法が考案されてきました。単なる倍々ではなく、ロット数の建て方にアレンジを加えたり、両建てしてみたり・・・しかしながら未だに有効なナンピン・マーチンは編み出されていません。理論上は勝てても実践が極めて困難なのです。理由は2つあります。
- 資金量に上限がある
- 精神的に耐えられない
無限の資金があればナンピン・マーチンで勝ち続けることは理論上可能です。勝つまで倍掛けしていけば良いだけですからね。しかしながら大富豪ですら資金には限りがあります。
また、連敗とそれに伴う含み損の拡大に、大半のトレーダーは精神が持ちこたえられません。調整が一度も入らず逆方向にトレンドが継続すれば、どこかで損切りを決断する必要に迫られます。数段回のナンピン後に損切りすれば、倍々で建てたロット数によって損失は甚大です。せっかくこれまで貯めた利益が一度で吹っ飛ぶのです。
ナンピン・マーチンゲール戦略が上手くいくのは、たまたまそのEAに相場がマッチしていただけ…相場が変化すれば(あるいはFlashCrush=瞬間暴落のような相場変動が発生すれば)、瞬時に口座破綻します。
破綻したEA
- 94円でW2C-Clipper(クリッパー)が破綻
- 殺人通貨「英ポンド」がまたもや瞬間暴落(Flash crash)
- 2019年正月早々のフラッシュクラッシュ(瞬間暴落)で焼き尽くされ阿鼻叫喚地獄と化したFX相場
- 落ちるナイフをつかむな!ドル円が歴史的な下落(ナイアガラ)を記録
- 殺人通貨「ポンド」の被害者の一人”堺商人”は1800万円を失う
いつ口座破綻を迎えるのか、常に怯えながら運用する…それがナンピン・マーチンゲールEAの本質です。
もちろんすべてのナンピン・マーチンゲールEAを否定しているわけではなく、あくまでも他人が作ったブラックボックス状態のEAに内在するリスクを説いています。自分で作ったEAならば、その弱点も理解しているはずだし、リスク許容度も十分にわかっているはず。その場合は、DDに陥ったとしても、リスクギリギリで損切りを行うことも可能です。
しかしながら他人が作成したEAを運用するケースでは、そのEAを100%信頼して運用するしか手立てはありません。ドローダウンが発生してもEAを信頼して耐えしのぶか、それとも、自ら損失を受け入れてロスカットするか、はたまた一蓮托生で口座破綻するか…。
仮にドローダウンに耐えて回復したとしても、次のドローダウンはいつやってくるか予測できません。そんな資産運用があなたにできますか?
ここがPOINT!
- 相場は常に変動しているのに、硬直的なEAを使って勝てるほど甘くはない
- いつ口座破綻するのか常に怯えながら運用する…それがナンピン・マーチンゲールEAの本質だ
エクイティカーブグラフ(資産増減曲線)がStrategy Tester Reportから省かれた理由を邪推する
ここでもう一つ疑念があります。まず、販売ページからStrategy Tester Report(ストラテジーテスターレポート)がいつのまにか削除されていた事実については述べました。
さらに、当初掲載していたストラテジーテスターデータ内のエクイティカーブグラフ(資産増減曲線)がStrategy Tester Reportから省かれていたという事実も判明しています。エクイティカーブグラフ(資産増減曲線)とは以下のようなグラフです。
エクイティカーブグラフは、EAをMT4でバックテストした際にStrategy Tester Reportと一緒に吐き出されるデータです。文字データだけでなく、このエクイティカーブグラフ(資産増減曲線)を読み解くことで、EAの特性や優位性をチェックすることができます。
ところが、本商材「DESIRE」は販売当初からStrategy Tester Report内のエクイティカーブグラフ(資産増減曲線)が欠落しています。意図的に隠した?隠したとしたらその理由は?
ここからはあくまでも推測の域を出ませんが、エクイティカーブグラフ(資産増減曲線)を出せば、本商材のロジックがナンピン・マーチンゲールであることがひと目で判明してしまうからではないでしょうか。ナンピン・マーチンゲールEAであることを容易に悟られないように、あえてエクイティカーブ(資産増減曲線)グラフを載せなかったのでは?…と邪推したくなります。
また、先に述べた最大ドローダウン(DD)62.13%というデータも、数字だけで理解するよりも、エクイティカーブグラフ(資産増減曲線)でその落ち込み具合を見たほうが強烈なインパクトがあります。62%のドローダウンです。100万円の資金が38万円まで減ってしまうということを意味します。…それらを見せたくなかった?あくまでも推測ですが。
エクイティカーブグラフ(資産増減曲線)を提示しなかったもっともな理由があるのならば、ぜひ聞いてみたいですね。いずれにせよ、高額EA(20万円超)を販売する業者の姿勢とは思えません。
ここがPOINT!
- Strategy Tester Report内のエクイティカーブグラフ(資産増減曲線)が意図的に隠されていた可能性がある…
- 高額EA(20万円超)を販売する業者としての誠意があるとは到底思えない
某有名国立大学の博士号を持つ現役教授って誰?
もはやEAの優位性を語る以前に、EA販売者としての姿勢が問われているように思います。さらに、販売ページには以下の文言が…
この「DESIRE」は某有名国立大学の博士号を持つ現役教授が開発したシステムで、その教授の独自ルールに沿って自動売買をするシステムになっています。
(教授の名前は有名国立大学の現役教授ということもあり名前を明かすと大学に迷惑や教授の本業に支障をきたす可能性がある為、残念ならが明かすことができせませんが、嘘偽りなく本当です。)
うーん、エビデンス出せないならば記述する必要ありますか?
ここがPOINT!
- エビデンス(証拠)出せないならば記述する意味なし
FX自動売買システムDESIRE|総合評価
国立大学の博士号を持つ現役教授が開発したFX自動売買システム「DESIRE」の総合評価は以下の通り。
販売元:株式会社オタケン
責任者:大田賢二
発売日:2020/01/14
公式サイト:https://desire-system.com/
バックテストデータもフォワードデータも隠蔽されているEAの”優位性”をいったいどうやって検証すればよいのか?
EA検証において最も重要とされるStrategy Tester Reportは販売ページから削除され、エクイティカーブ(資産増減曲線)グラフも最初から欠落、さらにはフォワードデータ(実際の運用データ)も非公開…。もはやEA販売の体裁を保っているとは言い難いです。
- バックテストデータ(Strategy Tester Report)→削除
- エクイティカーブ(資産増減曲線)グラフ→意図的に隠す?
- フォワードデータ→非公開
20万円超の高額商材(EA)を販売する者としての姿勢を疑わざるをえない…
正直、20万円を超える高額EAを販売する会社としての姿勢に疑問を持ちます。なんだか悲しくなりました。
そもそも、他人が作ったEAを運用すること自体が難しいほど、昨今の相場は荒れ狂っています。中身がブラックボックスのストラテジーは、100%信頼できなければ長期運用は不可能ですましてや大きなDD(ドローダウン)が発生したらどうしますか?「ヤ、ヤバい、このまま破綻して口座がゼロになるかもしれない…ガクブル」となってそのEAを信頼できなくなれば、もはや継続運用は無理。それでもあなたは、他人が作ったEAで資産運用したいですか?
- 検証データ、なぜ消した?!
- フォワード実績(運用データ)もなし ← これ
- 残念ながら、想像通りのナンピンマーチンEAだった…
- ナンピンマーチンゲール型EAの末路は「悲惨」の一言
- なぜナンピンマーチンゲール型EAは口座破綻するのか?
- エクイティカーブグラフ(資産増減曲線)がStrategy Tester Reportから意図的に省かれた?
- 某有名国立大学の博士号を持つ現役教授って誰よ?