「24FX」はナンピン・マーチンゲール型のスキャルロジック
24FXの販売ページはとても良くできています。実践者の声だけでなく、リアルな実績も数多く掲載されています。初心者でも勝てそうな期待を抱かせてくれるFX商材です。
タイトル:24FX 販売:SAKURA IFB PTE. LTD. メディア:PDF 発売日:2016年9月8日 24FX【公式サイト】 |
しかし24FXには一つ注意点があります。なぜなら24FXは極めて高いリスクを伴うナンピン・マーチンゲールをリスクヘッジとして採用しているからです。
24FXの高勝率の秘密は”ナンピン・マーチンゲール”
24FXが初心者でも容易に勝てる、しかも勝率が高い理由、それはナンピン・マーチンゲールにあります。
まずはナンピン・マーチンゲールのおさらいをしておきます。ナンピン・マーチンゲールとは「レートが逆方向に進んだ際にポジションを多段階(倍々)で増やしつつ、少しの戻り(調整)で全ポジションを決済し利益を出す高度な戦術」です。
仕掛け後、レートが逆行した際(含み損を抱えた際)に、最初に建てたポジションの2倍で新たなポジションを建てます。さらに逆行すれば今度はさらに倍(最初のポジションの4倍)のポジションを建てていきます。レートが逆行すればするほど「倍々」でポジションを増やしていく点が特徴です。
①で「買い」(1LOT)でエントリーしたのですが、思惑とは逆の方向にレートが動いてしまった場合、②で再度「買い」ポジションを持ちます。その際に最初の「2倍」=2LOTで買いポジションを建てます。ここでレートが戻せばトータルで勝てますが、さらにレートが逆行して含み損を抱えた場合は③で新たなポジションを持ちます。さらに逆行すれば今度は③で4LOT「買い」を建てます。それでもレートが戻さず含み損を抱えた場合は、④で8LOTを「買い」ます。
ここから運良くレートが戻し(調整が入り)⑤で全てのポジションを決済することができれば、トータルの利益をプラスにすることができます。
計算してみましょう。仮に逆行するレート10pips毎に倍々でナンピンし、⑤で全て決済したと仮定します。
①のポジション=▲20pips(1LOT✕▲20pips)
②のポジション=▲20pips(2LOT✕▲10pips)
③のポジション=0pips
④のポジション=80pips(8LOT✕10pips)
合計=40pips(スプレッドは未考慮)
これがナンピン・マーチンゲールの”仕組み”です。含み損が拡大しても戦略的にポジションを建てることで、たった一度の調整(戻し)でトータルプラスにすることができるリスクヘッジ法です。
僕のFX手法は予想をする必要がありません。(中略)別にどっちでもいいです、どっちに動こうが利益を取ります。
24FXのマイキー田中氏が「予想する必要がない」と述べる理由は、レートがどちらに動いてもナンピン・マーチンが効果的に機能すれば利益を得ることが可能だからなのです。
ナンピン・マーチンが極めて危険なトレードである理由
FXにナンピン・マーチン戦略を取り入れて生き残っている人は、極めて稀です。もし生き残っているならそれは単に「運が良かった」だけです。運が良ければ誰でも(初心者でも)簡単に連勝できます。しかし、連敗すれば一瞬にして破綻(ルール崩壊&オーバーポジション)してしまいます。
ナンピン・マーチンが高度な判断を要求される手法であることは、FX経験者ならば容易に理解できます。ナンピン・マーチンゲールは、レートが逆行しても「多少の戻し=調整」が入るだろうという楽観的思考がベースにあります。しかしながら為替相場においては、調整が入らずレートが一方向に進んでしまうことは多々あります。倍々で賭けていくナンピン・マーチンゲールは調整の入らない一方向へのトレンドが生じたときに、あっけなく破綻してしまうのです。
8倍でも戻らなければ次は16倍です。16倍でも戻らなければ次のポジションは32倍です。あなたはどこまで持ちこたえられますか?資金的にも精神的にもキツいトレードです。精神的に耐えられても資金が破綻(オーバーポジション)します。大量の資金を用意しても、”倍々で含み損が膨らんでいく恐怖”に耐えられるほどの精神力を持つ人など、ほとんどいません。
ナンピンマーチンが「悪魔の手法」と呼ばれる所以です。
初心者ほどナンピン・マーチンゲールに「目を輝かせ」ます。夢のような手法(聖杯)に思えるからですね。
これまでも数多くのナンピンマーチン手法が考案されてきました。単なる倍々ではなく、ロット数の建て方にアレンジを加えたり、両建てしてみたり・・・しかしながら未だに有効なナンピン・マーチンは編み出されていません。理論上は勝てても実践が極めて困難なのです。理由は2つあります。
- 資金量に上限がある
- 精神的に耐えられない
無限の資金があればナンピン・マーチンで勝ち続けることは理論上可能です。勝つまで倍掛けしていけば良いだけですからね。しかしながら大富豪ですら資金には限りがあります。
また、連敗とそれに伴う含み損の拡大に、大半のトレーダーは精神が持ちこたえられません。調整が一度も入らず逆方向にトレンドが継続すれば、どこかで損切りを決断する必要に迫られます。数段回のナンピン後に損切りすれば、倍々で建てたロット数によって損失は甚大です。せっかくこれまで貯めた利益が一度で吹っ飛ぶのです。これでは損大利小です。
ナンピン・マーチンゲールを搭載したEA(自動売買)の悲惨な末路
ナンピン・マーチンゲールはロジックが明快で、機械的なトレードといえます。だからこそEA(自動売買)と相性が良いわけですね。実際に多くのナンピン・マーチン型のEAが国内外で販売されてきました。
それらのEAで現在も生き残っているものはゼロです。皆無です。全てのEAが破綻しているのです。これが現実です。このブログで取り上げたナンピン・マーチン型EAは、すべて口座破綻しています。
どのEAも口座破綻するまでは破竹の勢いで連戦連勝を繰り返していました。ところがたった一度の負けで口座を全損してしまうのです。ナンピン・マーチンの怖さです。
強靭な精神力など不要なEAですら、ナンピン・マーチンゲールで破綻することの意味を、初心者はもっと考えるべきです。
マイキー田中+マーチンゲール=「マイキーゲール」
ちなみに24FXではこのナンピン・マーチンゲールを「マイキーゲール」と呼んでいます。うーん、笑えません。
マイキーゲールとは簡単に言ってしまえば、負けをなかったことにしてしまうリカバリー手法です。
(中略)
これまでに公開したモニターさん達の取引履歴をもう一度見てください。極端に負けが少ないことに気がつくはずです。
(中略)
最低勝率の方で74.3%、最高勝率の方で94.5%でした。また全体平均で82.64%でしたので、それぐらいの勝率は見込めると思います。
24FXでは、もちろん損切りのルールも明確になっているはずです。ナンピン方法やマーチンゲールのロットの建て方など工夫を加えた部分もあるでしょう。単純なナンピン・マーチンでないことは、モニターの実績を見ても明らかです。
ナンピンマーチンをリスクヘッジとして取り入れているロジックは、極めて危険でタフな精神力が要求される高度な手法であることに変わりはありません。
マイキー田中氏ご本人の実績はなし
24FXの販売ページには多くのモニター実績が掲載されていますが、肝心のマイキー田中氏の実績はどこにも掲載されていません。
マイキー田中氏は、世界中を旅しながらFXで稼いできたと自身で語っていますね。
実は旅先でFXトレードを行い、稼ぎながら世界を旅していたのです。
マイキー田中氏が24FXの手法(マイキーゲール)を実践しながら「長期的に」稼ぎ続けているのであれば、それはそれですごいことです。長期にわたるマイキー田中氏の実績を拝見してみたいですね。
マイキー田中氏が自身の実績を掲載しないことがとても残念です。
「24FX」の欠点
24FXのデメリットについて触れておきます。以下の欠点が許容できない人は買うべきではありません。
1.ナンピン・マーチンゲールでリスクヘッジする方法は極めて危険
24FXの最大の特徴はリスクヘッジにナンピン・マーチンゲールを推奨している点でしょう。ナンピン・マーチンの危険性は初心者ほど理解できません。
ナンピン・マーチンは高度な戦略(使うタイミングなど)と、タフな精神力が求められる上級者向けのリスクヘッジ法です。初心者が手を出せば火傷をする恐れがあります。その点を理解した上で実践することをおすすめします。
2.マイキー田中氏本人の実績は「非公開」
肝心のマイキー田中氏ご本人の実績が掲載されていない点はとても残念です。世界中を旅できるほどの資金を24FXの手法で生み出したのであれば、その証拠を見たいという思いは私だけではないでしょう。マイキー田中氏の実績がほんとうに存在するのであれば、ぜひ見てみたいですね。
- ナンピン・マーチンゲールでリスクヘッジする方法は極めて危険
- マイキー田中氏本人の実績は「非公開」
「24FX」の評価ポイント
次に24FXの評価できるポイントです。
1.再現性は高い(初心者でもスグに勝ちを体験できる)
24FXで採用されているナンピン・マーチンゲールは「再現性」という点においては非常に優秀です。誰でも簡単に実践可能だからです。全くの初心者ですら、始めたその日から勝つという「体験」を得ることができます。
とはいえ、リスクも高いのでその点を十分に理解した上で取り組む必要があります。
2.トレンド相場・レンジ相場どちらでもエントリーチャンスがある
24FXではトレンド相場、レンジ相場どちらでも仕掛けることのできるロジックが用意されています。
- Tトレード(トレード相場)
- Rトレード(レンジ相場)
相場を見極めて、それぞれのロジックで仕掛けのタイミングをはかります。エントリー後は、マイキーゲール(ナンピン・マーチンゲール)でリスクヘッジをおこないます。
- 再現性は高い(初心者でもスグに勝ちを体験できる)
- トレンド相場・レンジ相場どちらでもエントリーチャンスがある
「24FX」総合評価
【結論】24FXは王道ロジックにリスクヘッジとして「ナンピン・マーチンゲール」を組み合わせたハイリスクな手法だが、ナンピン・マーチンゲール以外は特段目新しさを感じないFX商材
初心者向けにナンピン・マーチン商材をリリースすることは販売者としても「チャレンジ」だろう
24FXのロジックは、トレンド相場での「押し目買い・戻し売り」そしてレンジ相場での「逆張り」が基本です。極めてオーソドックスな手法であり目新しさは感じられません。その一方で、ポジション保有後のリスクヘッジとして「ナンピン・マーチンゲール」を採用している点が24FXの最大の特徴といえます。
ナンピンマーチンゲールの危険性はどれほど語っても語り尽くせません。初心者は簡単に勝てる方法に飛びつくので、こうした手法が新鮮に見えるのでしょう。
誰でも簡単に「勝ち」を体験できるという点においては、ナンピン・マーチンはある意味とても興味深い手法です。しかしながら初心者が勝ち続けられるほど相場は甘くはありません。
ナンピン・マーチンを全否定するつもりはありません。「ナンピン」だけならば、リスクをコントロールする戦術として活用することができます。巧みなナンピンで「持ち値の平均」を下げ、調整の戻しで利益を確保する方法は、それなりに効果的であり実践しているトレーダーも少なくないはずです。ただし、この手の戦略ナンピンが効果を発揮するケースは、相場の方向性を正しく読めている場合に限ります。ナンピン(マーチン)は初心者向けというよりは、中上級者向けのリスクヘッジなのです。
ナンピン・マーチンのリスクを承知でチャレンジしてみたいという方ならば、24FXを購入検討してみても良いかもしれませんね。
- ナンピン・マーチンゲールでリスクヘッジする方法は極めて危険
- マイキー田中氏本人の実績は「非公開」
- 再現性は高い(初心者でもスグに勝ちを体験できる)
- トレンド相場・レンジ相場どちらでもエントリーチャンスがある
「24FX」を購入したほうが良い人
- 簡単に勝てる方法を知りたい人
- 「勝ち」という体験をすぐに味わいたい人
- ナンピン・マーチンゲールに興味のある人
- 進んでリスクテイクしたいトレーダー
「24FX」を購入しないほうが良い人
- ナンピン・マーチンゲールのリスクを知っている人
- ナンピン・マーチンゲールが長期的に勝ち続けることができないという現実を知っている人
タイトル:24FX 販売:SAKURA IFB PTE. LTD. メディア:PDF 発売日:2016年9月8日 24FX【公式サイト】 |