スキャルピングで押し目・戻りを確実に捉えてブレイクを狙う手法を紹介するよ!
先日紹介した、Bob Volman(ボブ・ボルマン)の『FXスキャルピング』(パンローリング株式会社)、もう読みました?
まだ読んでない?!早く読まないと、無料で読める期間が終わってしまうかもしれませんよ。くどいようですが、スキャルパーは必読です。
今回の記事では、書籍『FXスキャルピング』で紹介されている「トレンド中の押し目・戻りを確実に捉えてブレイクを狙う手法」を解説します。
本手法ですが、『FXスキャルピング』では「ダブル同時線ブレイク」と呼ばれています。
『FXスキャルピング』の目次を見ていただくと、第7章に「DDーーダブル同時線ブレイク」とありますね。ボルマンのプライスアクション手法は全部で7つあるのですが、その中で一番最初に紹介されている重要な手法です。
『Double Doji Break』の”Doji”ってなんだ?
『DDーーダブル同時線ブレイク』のDDとは、Double Doji Breakの頭文字を取ったものです。
この『Doji』ですが、もともと日本語の『同時』が語源だって知ってました?
翻訳者が勝手にDojiとしたわけではないんです。原書(英語版)でもDouble Doji Breakと記載されています。海外のFXフォーラムでもDouble Doji Breakというワードはよく目にします。
じゃあ、Doji(同時)ってなんだ?って思いますよね。
Dojiは、日本人の偉大な発明とされるローソク足における「十字線」=「同時線」のことを指します。日本では同時線よりも十字線と呼ぶほうば一般的かもしれませんね。
始値と終値がまったく同じレートのため、胴体がなくなったローソク足、それが十字線(同時線)です。
実際のチャートで同時線をピックアップしてみると…
たまに見かけますよね、十字状になったローソク足。これが同時線です。
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平均足や一目均衡表と同じように、日本での呼び名がそのまま海外で使われているんですね。
- 平均足=海外は「Heiken Ashi]
- 一目均衡表=海外は「Ichimoku Clouds」
- 同時線=海外は「Doji」
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同時線は聞いたことなくても、十字線は耳にしたことがあるはず。十字線も同時線も、呼び方が異なるだけで基本的には同じ構造をしています。トレーダー和也(松田和也)氏がリリースした『トレーダー和也監督 Quartet Technic Academy(カルテット・テクニック・アカデミー)』でも、十字線(=同時線)をと入れたストラテジーが紹介されているので、興味があれば以下のレビューをお読みください。
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Quartet Technic Academyでは、5分足でレンジ状態にあるときに十字線を活用して転換ポイントを探り、逆張りで仕掛けていくストラテジーを学ぶことができますよ。
『DDーーダブル同時線ブレイク』手法とは?
ボルマンの『DDーーダブル同時線ブレイク』手法を解説していきます。
ボルマンは本書内で以下のように述べています。
DD(ダブル同時ブレイク)は、本書の手法のなかでも最も分かりやすいセットアップで、見つけるのもトレードするのも簡単だ。
(中略)
もしチャートに同時線が続けて現れれば、一時的に決定力のない状態が強まっていることになる。ただ、殆どの場合は価格が一時的に失速しても大きな意味はないが、同時線が2つ以上現れると、トレンドのなかのプルバックが20EMA(指数移動平均線)近辺で終わることを示唆している可能性があるため、仕掛けに備えて引き金に指をかけておいたほうがよい。
(中略)
プルバックが害のない小さなカウンタートレードなのか、それとも反対方向の新しいトレンドの始まりなのかを予測することはできない。しかし、それを予想しても仕方がない。確率の戦いに保証は必要ないのだ。ただ、確率を信じてトレードするだけでよい。そして、20EMA周辺のプルバックは、どのチャートでもトレンド方向に仕掛ければよい場面なのである。
まあ、簡単に言えば、20EMA付近で、同時線(十字線)が複数(2つ以上)発生した場合は、プルバック(=押し目や戻り)が終わって再びトレンド方向へ動き始める可能性が高いから、ENTRYチャンスだよ!ってことですね。
実際にチャートに20EMAを引いて、同時線(十字線)をチェックしてみましょう。ちなみにボルマンはEUR/USD(ユーロドル)を推奨しているので、EUR/USDの5分足で調べてみます。
下落トレンド中に、戻りがあり、その中で20EMA付近で十字線(同時線)が2つ並んでいますね。つまり『Double Doji』です。
その後再び下落トレンドとなりました。仕掛け(戻り売り)のタイミングとしては最高ですね。
もう一つ例を見てみましょう。
え?同時線じゃないって?
たしかに、わずかにローソク足の胴体がありますよね。実は本書内では、
(実体が)3ピップス以下の短いローソク足ならば、同時線と同じことを示唆していると考えられる
とあります。つまり始値と終値に3pipsくらいの差があったとしても、同時線(十字線)と同様に捉えてOKということです。
ダブル同時線(十字線)だけを探すと、なかなか見つかりませんが、3pips以下の短い足も同時線扱いして良いならば、わりと見つけやすいです。
上のチャート図も、十字線(始値と終値が同値)ではありませんが、始値と終値が3pips以内でも構わないというルールであれば、ENTRYチャンス(押し目買い)となります。
『DDーーダブル同時線ブレイク』手法の根拠とは?
そもそも、なぜ同時線が20EMA付近で複数出現したらENTRYチャンスとなるのか?その根拠はなにでしょうか。
十字線は、買いと売りの圧力が拮抗しているときに発生しやすいとされています。本来、押し目や戻りは、そこでトレンド転換する可能性も大いに含んでいるわけですが、十字線が押し目や戻りの中で連続で出現すれば、その押し目・戻りのパワーが失速し始めたことを意味するわけですね。
元のトレンドに戻される動きが強まった結果、押し目や戻りが解消されるわけですから、まさに仕掛けのチャンスといえます。
『DDーーダブル同時線ブレイク』、仕掛けのアイデアとしては面白い!
『DDーーダブル同時線ブレイク』手法ですが、なかなか面白そうですね。
本書では、もっと詳しく解説されていて、当然注意すべきポイントも多々あります。単純に同時線が複数出現したらエントリーというわけでもないんですね。かなりの裁量判断が求められる手法です。
とはいえ、仕掛けのアイデアとしては、大いに参考になりそうだと思いませんか?
『DDーーダブル同時線ブレイク』をもっと詳しく知りたい方はぜひ、本書の第7章をお読みください。無料で読めますよ。
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ちなみに、このダブル同時線ブレイクアウトをさらにブラッシュアップした手法が、以下の『同時線ブレイクアウト戦略』です。