FX初心者ほど『成行注文』したがる…
今回は、FX初心者向けにFXの基本をおさらいします。
FX初心者が意外と知っているようで知らないのが、証券会社の便利な注文方法です。
IF-DONE(IFD)注文やOCO注文など、非常に便利な注文法が用意されているにもかかわらず、初心者ほどなぜか使いたがりません。成り行き注文や成り行き決済ばかりしたがるんですよね。
成り行き注文(決済)は高度なテクニックです。トレード戦略が明確かつ高度な自制心を持つトレーダーのみが、相場状況に応じて成り行き注文や決済をおこないます。
初心者は、戦略を決めていてもその通りにトレードするスキル(&メンタル)が備わっていません。予測不可能な相場に翻弄されてしまって自制心を保てません。初心者はできるだけルール通りにトレードするべきなので、最初は自動注文や自動決済を積極的に使うべきです。
まずは、基本中の基本ともいえる『IF-DONE(IFD)注文』そして『OCO注文』について、FX初心者でも理解しやすいように解説していきますね。
IF-DONE(IFD)注文とは?
IFD注文は、IF-DONE(=イフダン)の略であり、新規注文を入れると同時に、決済注文を予約で入れる注文方法です。
1つ目の注文が約定すると、もう一つの注文が自動的に発注されます。
ドル円の為替レートが101円だったとします。
その後100円あたりで「押し目」をつけてから上昇トレンドに転じるのでは?と見通しを立てます。
その際に、
- 100円になったら自動的に「買う」
- 102円まで上昇したら自動的に「売る」(決済する)
という注文を101円の時点で入れておくこと、これがIFD(IF-DONE)注文です。
「もし◯◯◯ならば◯◯◯する=IF-DONE」です。
先ほどのIF-DONE(IFD)注文を入れておけば、思惑通りレートが100円まで下がると「買い」注文が自動で行われ、そのまま上昇に転じて102円まで上がれば「売り」注文が自動で行われます。結果、2円の利益を取ることができるわけです。
最初に(101円の時点で)注文設定をしておくだけで、ENTRY(仕掛け)とEXIT(決済)を自動で行ってくれる非常に便利な注文方法、それがIF-DONE(IFD)注文です。
もう一つ、例をご覧ください。
同じドル円です。現在レートが100円のときに、今後のレートが上昇すると予測します。102円付近が天井(抵抗帯がある)と予測し、102円に達したら即手仕舞いをするべきと戦略をたてます。
100円の時点で以下の内容をIF-DONE(IFD)注文します。
- 101円になったら自動的に「買う」
- 102円になったら自動的に「売る」(決済する)
予想したとおりにレートが上昇し101円に達したらIF-DONE(IFD)注文が起動し、自動的に買い注文が行われます。その後レートが102円に達した時点で自動的に決済(反対売買)が行われてポジションがクローズします。利益は1円です。
最初に設定しておけば、注文と決済を自動で行ってくれるわけです。とても便利ですよね。
リスクを限定するためのIF-DONE(IFD)注文とは?
IF-DONE(IFD)注文にはもう一つ便利な使い方があります。損失を限定するための注文方法です。
以下の例をご覧ください。
現在のレートは101円です。その後レートが押し目をつけて上昇すると予測しています。
100円まで押し目をつけたタイミングで買い注文を入れいたいと考えています。ただ、その後のレートが思惑を外れて下落する可能性も十分に考えられますよね。
99円を割り込めばそのまま一気に下落が加速する可能性が高そうです。そこで、レートが逆行(下落)した場合を想定して、99円のポイントに「逆指値売り」注文を設定しておくのです。
そうすれば、レートが逆行(下落)してしまったとき自動的に99円で損切りをしてくれるわけです。
そのために、101円の時点で以下の内容をIF-DONE(IFD)注文します。
- 100円になったら自動的に「買う」
- 99円になったら自動的に「売る」(決済する)
100円まで下落した時点で自動的に買い注文が入りましたが、その後のレートが残念ながら下落。結果、99円のSL(ストップロス)が自動的に入り、損切りとなりました。
これもIF-DONE(IFD)注文の使い方の一つです。
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OCO注文とは?
もう一つの注文方法がOCO注文です。OCOは、One Cancels the Otherの頭文字を取ったものですね。
2つの異なる注文を同時に入れておき、一方の注文が刺さったら、もう一方の注文が自動的にキャンセルされる注文方法です。
相場の動きが予測しづらいときに使える便利な注文スタイルです。新規注文で使う場合と決済注文で使う場合の2パターンがあります。
新規注文でOCOを活用
まずは新規注文で使う場合。
現在価格が101円です。そこからレートが上昇するのかそれとも下落するのか読めません。
そこで以下のようにOCO注文を設定します。
- レートが上昇し102円に達したら「新規買い」
- レートが下落し100円に達したら「新規売り」
仮にレートが上昇して102円の新規買い注文が成立したら、もう一方の100円新規売り注文は自動的にキャンセルされます。
反対にレートが下落して100円の新規売り注文が成立すれば、102円の買い注文は自動的にキャンセルされます。
決済でOCOを活用
次に決済でOCO注文を活用するケースです。
上昇トレンドを予測し「買い」注文を行った後、先に利確と損切りのポイントを決めておき、OCO注文を行います。
- 102円で決済(売り指値注文)
- 100円50銭で損切り(売りストップ注文)
レートが上昇し102円まで伸びれば自動的に決済(利益確定)されます。と同時に損切り注文は自動的にキャンセルされます。
逆にレートが下落してしまい100円50銭にタッチすれば自動的に売りストップ注文が発動し損切りが行われます。同時に102円に設定していた決済注文はキャンセルされます。
ねえ、なんでIFD注文とかOCO注文使わないの?なんで?なんで?
せっかく便利な注文機能が用意されているのだから、使わない手はありません。
次回は、IFD注文とOCO注文を組み合わせたIFOCO注文(IFO注文)について詳しく解説していきますね。