市場健祐氏によるFX INNOVATION CLUBはRichesse Life Academyの焼き直しか?
FX INNOVATION CLUBというFX商材がリリースされました。プロトレーダー市場健祐氏の手法を「完全継承」するという触れ込みの情報商材です。
販売会社は株式会社 Richesse(東京都新宿区新宿 5-13-14)です。
市場健祐氏と株式会社 Richesseは、以前にもRichesse Life Academy(リシェスライフアカデミー)という名称のFX情報商材を販売しています。
おそらく今回のFX INNOVATION CLUBは、Richesse Life Academyの焼き直しと思われます。
Richesse Life Academyは昨年(2016年)にリリースされた商材ですが、当時はいわゆるプロダクトローンチという販売手法が取られており、ストーリー仕立ての動画によって興味性を高めて最終的に高額商材を売り込むという流れで提供されていました。
当時の動画が残っていたので参考までに貼っておきます(いつか消されるかもしれませんので興味のあるかたは早めに視聴されることをおすすめします)。
https://youtu.be/qjgLtaxniL8
FX INNOVATION CLUBで何を学べるのか?
FX INNOVATION CLUBのセールスページを眺めても、具体的な手法については一切触れられていません。根拠のない夢のような話や、裏付けの薄い成功体験(口コミ)ばかりが続き、結局どのような手法を学ぶことができるのか?全く不明です。
FX情報商材は、確率統計的に優位性(エッジ)が確認された手法を、第三者でも再現できる形で提供されることに意義があります。ところが、FX INNOVATION CLUBでは実際にどのような手法を学べるのか?その手法の優位性はあるのか?そのロジックを第三者が再現できるのか?という点について全く触れられていません。
地球上トップクラス、支配者階級の錬金術・・・
ワールドクラスの最終兵器・・・
10億円ファンドで圧倒的実績を実証済みの最新ロジック・・・
ノーベル賞クラスの世界を驚かせるトレードの真髄・・・
1日のトレード時間はわずか2分・・・
私自身が 専業トレーダーとして使っている 伝家の宝刀を完全継承する・・・
とありますが、具体的なロジックの解説は皆無です。ちょっと不親切すぎませんか?
そこで、FX INNOVATION CLUB主催者である市場健祐氏ご本人の手法を調べてみることにしました。彼の手法を知れば、FX INNOVATION CLUBで学べるロジックもある程度推測できるはずです。
「私が使っているトレード手法はダイバージェンスです」???
先に紹介したYouTube動画(Richesse Life Academy第2話)にも、市場健祐氏が自身の手法を解説する場面があります。
https://youtu.be/qjgLtaxniL8
5分23秒あたりから市場健祐氏によるトレード手法の解説がスタートします。
ここで解説される手法は「オシレーターのダイバージェンス」です。使用するテクニカルはMACD・RSI・ストキャスなどのオシレーターです。あまりにもシンプルすぎて拍子抜けします。
もしかすると市場健祐氏は出し惜しみをしているのか?と思いましたが、動画の後半ではこんなやり取りがあります。
ー実際に市場さんのトレード手法をホワイトボードで見せていただいたんですけど、たったそれだけですか?本当に?
「本当にあれだけなんですよ。」
ー本当ですか?実際それで利益をあげられているってことですか?
「そうですね。」
この動画で話していることが正しいのであれば、市場健祐氏のロジックは”ダイバージェンス”ということになりそうです。ダイバージェンスは古くから存在するロジックであり、このブログでも何度か取り上げたことがあります。
ダイバージェンスは万能ではない
こうして後付けで解説すると、ダイバージェンスはまさに”金脈を探り当てるGPS”のように見えますね。ダイバージェンスによるトレード手法は、昔からあります。井手式7daysFXでも動画解説されていますね。
海外フォーラムでもしきりに議論されています。 海外フォーラムにダイバージェンスの分かりやすい解説図がありましたのでご紹介します。
ご覧のようにレートとオシレーター系指標が逆の動きをした場合、トレンドが反転する可能性が高いことを示しています。しかしダイバージェンスは万能ではありません。ダマシというか、その通りにならないことも多いのです。あくまで参考程度にするべきであり、ダイバージェンスを盲信すると痛い目に遭います。
引用:ダイバージェンスは万能ではない(2013年3月28日の記事より)
乖離率とダイバージェンス
最後に、乖離率のダイバージェンスを利用したトレード手法をご紹介します。私が最も好きな手法のひとつであるダイバージェンス(逆行現象)を乖離率に取り入れた手法です。
ダイバージェンスとは、実際のレートの動きとテクニカル指標が逆の動きをする現象を指します。この逆行現象が出現した時に、現在のトレンドが収束し、相場が大きく反転するケースがあります。ダイバージェンスはめったに出現しませんが、出現した時は注意が必要です。
上のチャートでは、高値を更新しているにもかかわらず、乖離率の高値は切り下げています。これがダイバージェンス現象です。ダイバージェンスが発生すると現在のトレンドの終焉が近いことを予兆します。実際にチャート上では、上昇トレンドが終焉し、その後ダウントレンドが発生しています。
逆のパターンも見てみましょう。
チャートの安値は切り下げているのに、移動平均乖離率の安値は切り上げています。現在継続中のダウントレンドが終焉し、トレンド変換を示唆しています。このダイバージェンス現象は、RSIなどのオシレーター系指標などでもチェックできます。
引用:乖離率とダイバージェンス(2015年12月27日の記事より)
市場健祐氏が以下のように自信満々に語るロジックですが、
- 地球上トップクラス、支配者階級の錬金術・・・
- ワールドクラスの最終兵器・・・
- 10億円ファンドで圧倒的実績を実証済みの最新ロジック・・・
- ノーベル賞クラスの世界を驚かせるトレードの真髄・・・
- 1日のトレード時間はわずか2分・・・
- 私自身が 専業トレーダーとして使っている 伝家の宝刀を完全継承する・・・
それが単なる「ダイバージェンス」であればちょっと残念な気がしますね。
とはいえ、この動画はRichesse Life Academy(リシェスライフアカデミー)で使用されたものです。今回のFX INNOVATION CLUBでは全く別のロジックを学べるのかもしれません。
気を取り直してリサーチを続けると・・・
「ウォルフ波動」と「ダイバージェンス」が市場健祐氏のメインロジックだ
やはり市場健祐氏のベースロジックはダイバージェンスである可能性が濃厚になりました。その根拠はこちらの記事にあります。
投資ライター高城泰さんによる市場健祐氏へのインタビュー記事(ガチンコFXサイトより)です。
私が教わったのは『ダイバージェンス』を使ったやり方でした。
(中略)
このときに学んだダイバージェンス、市場さん現在も自己流にアレンジして使っている。
引用:市場健祐さん(2)FXでは「圧倒的な時間」が通用しない
このインタビュー記事では、さらに「ウォルフ波動」と呼ばれるチャートパターン分析が紹介されます。
MACDなどのテクニカル分析を使うこともありますが、基本はローソク足と通貨の強弱。なかでもローソク足の“波”を見るのが好きなんですよね。エリオット波動やI波動、V波動、N波動――わかりやすいものだと『ウォルフ波動』ですね
引用:市場健祐さん(3)高勝率な「ウォルフ波動」
「ウォルフ波動」とはBill Wolfe氏によって開発されたロジックです。相場の動きを「波」と捉え、実際の波の物理法則(上下運動)を相場に当てはめて未来を予測する手法です。
ウォルフ波動の解説は先ほど引用した記事にざっくりと書いてあるので参照してください。また英語ですがYouTubeによる動画解説もあります。
https://youtu.be/Ipmme65P_kE
上の動画内の「ウォルフ波動」を下の図でざっくり解説してみます。
- 「2」が天井圏であること
- 「3」が「1」より下であること
- 「4」が「1」よりも高値をつけること(ここでパターン確定)
- 「1」から「3」にラインを引き「5」の反発でエントリーする
- 「1」から「4」にラインを引きその先でレートがクロスしたら手仕舞いする
これが基本的なルール(買いパターン)です。「売り」はこの逆です。
市場健祐氏は、ポイント「5」での反発をダイバージェンスを使って予測をしているわけです。このウォルフ波動とダイバージェンスを組み合わせた手法こそが、市場健祐氏のメインロジックと推測しても間違いなさそうです。
ウォルフ波動をチャートに描写するMT4インジケーター(mq4)も存在します。
- WolfWave_nen.mq4
FOREXFACTORYにおいても専用のスレッドが複数存在します。
- Wolf Wave indicator(FOREXFACTORY)
- A new look at Wolf Waves(FOREXFACTORY)
エリオット波動ほどメジャーではありませんが、世界中のトレーダーによって議論が続けられている手法の一つです。
FX INNOVATION CLUBで学ぶ手法は「ウォルフ波動+ダイバージェンス」だ
ここまでのリサーチにより、市場健祐氏主催のFX INNOVATION CLUBで学ぶことのできる手法は、ウォルフ波動にダイバージェンスを組み合わせたロジックということでほぼ確定でしょうね。
それにしてもウォルフ波動にダイバージェンスを組み合わせたロジックを、
- 地球上トップクラス、支配者階級の錬金術・・・
- ワールドクラスの最終兵器・・・
- 10億円ファンドで圧倒的実績を実証済みの最新ロジック・・・
- ノーベル賞クラスの世界を驚かせるトレードの真髄・・・
と謳うのにはちょっとムリがありそうです。とはいえ、ロジックとしてはまともですので、ウォルフ波動(+ダイバージェンス)を学びたい人にとっては有益なFX商材となり得るかもしれません。