EAビジネスについて
このEAを販売している会社(トレーディングオフィス社)は、PEGASUS(ペガサス)、HAWK(ホーク)やFALCON(ファルコン)など、過去にもいくつかEAを出してますね。いわゆるEAを専門的に販売する会社です。
EA販売会社が作るEAには、2種類あると言われています。1つは、IB(Introducing Broker)狙いの超低価格EA。もう1つは、EA本体での売上を狙う、1件2~3万円のEA。※Introducing Brokerについては、以下の記事で詳しく説明しています。
今回の SCORPIONですが、EA本体での売上を狙っているEAですね。(追記:IB縛りのSCORPIONも販売されているようです。価格は1万円安いです。)
まだ販売して間もない(2011年12月13日)ので、フォワード成績のデータがほとんどありません。
実績のないEAを販売することについて
SCORPION(スコーピオン)のフォワードデータは、現時点でほとんど存在しません。何故、実績の少ないEAを売るのか?ユーザーのことを考えれば、最低でも半年、できれば1年のフォワード実績を出してから販売をスタートして欲しいというのが本音です。
もしフォワードテスト(誰もが公正に確認できる意味でのフォワード実績です)を公開し続け、1年間素晴らしい成績を出していれば、たとえ非売品であっても、「売って欲しい!」「販売して欲しい!」という声が自然と挙がってきます。当然高価格で販売ができます。それこそ5万円でも10万円でも、売れるのではないでしょうか?
仮に1年間の公開実績(フォワード)で素晴らしい成績を残すことができれば、少なくとも1年間の相場の変動に耐えうるEAであることが実証されたことになります。このEAに5万円を投資しても、その何十倍ものリターンが見込めるなら、買わない理由はないですよね。
ユーザーのことを第一に考えるのであれば、しっかりと半年~1年かけてフォワードデータ(実績)を積み上げてから、販売するべきだと思います。
SCORPIONは、スキャルピングEA
このSCORPION(スコーピオン)の内容について見ていきましょう。通貨ペアはEURUSD(ユーロドル)専用となっています。時間足は5分足を使用します。
EAの基本戦略はトレンドフォローですが、利幅は大きくありません。ポジション取りを見ていると、スキャルピングですね。リミットとストップ幅は相場に応じて、自動で変動します。
SCORPION(スコーピオン) のナンピン機能
そしてこのEAがアピールしている点は、「追撃ポジション」と「リカバリーポジション」と呼ばれる機能です。いわゆる「ナンピン」機能のようですね。追撃ポジションとは、含み益があるときに、継続的にトレンドが発生している場合に、追加でポジションを取っていく機能(つまりナンピン)です。
一方リカバリーポジションは、含み損が発生しているときに、トレンドの継続を確認した上で、その含み損を解消すべく、戦略的にポジションを取っていく機能(これもナンピン)です。
共にデフォルト(初期設定)では最大3ポジションまで建てていくようですが、この部分は設定で変更可能です。
EAは、1年後に価値がわかるもの
どんなEAでもそうですが、過去成績なんていくらでも優秀な数字を出すことができます。大事なのは公(おおやけ)の実績データです。つまりフォワード成績です。
公の場で実績を重ねて行くには時間がかかります。少なくとも半年、できれば1年の実績が欲しいです。しっかりとした実績を積み上げた上で、一般販売をスタートして欲しいですね。
ロジック非公開EAでは、柔軟な運用が難しい
それと、何度も言ってますが、他人が作ったEAを買っても、使い続けることは非常に困難です。ロジックがブラックボックスのEAは、ドローダウンが発生したときに、信用して使い続けることが難しくなります。大きな含み損や実損を出したときに、恐らくほとんどの人(99%位)が、恐怖を感じて、あるいは不信感を抱いて、そのEAの稼働を止めるでしょう。
それでも使い続ける人がいたら、よっぽど肝が据わっているか、投資に最初から向いていない人です。実際のところ、1年以上稼働させ続けていてなおかつ利益を残せているEAが、いったいどれくらいあるのでしょうか
相場は常に変化します。固定的なロジックを採用しているEAは、相場の変化についていくことができません。相場の変化に合わせて、パラメータを変えたり、EAそのものを別のEAと入れ替えるなど、柔軟な運用が必須です。
しかしロジックが公開されていなければ、それすら難しくなります。SCORPION(スコーピオン)も、ロジックを公開していただければ、より柔軟な運用ができると思うのですが、ちょっと残念です。