「豪ドルがヤバい!」ってウワサを耳にするけど、何がどうヤバいの?って思ったりしませんか?
今回は豪ドルの見通しにスポットを当てて、豪ドルがなぜヤバいと言われるのか、以下の2点について詳しく解説します。
- ところで豪ドルのなにがヤバいの?
- 2022年、豪ドルの見通しはどうか?
豪ドルとはオーストラリアドル(AUD)のことじゃよ。
ところで「豪ドル」のなにがヤバいの?
豪ドルがやばい…。
Twitterなどでよく目にする「豪ドルがやばい!」というのは、主に政策金利の利下げによる為替への影響を指し示しています。
オーストラリア準備銀行(RBA=中央銀行)が政策金利を過去最低の0.1%に引き下げたのが2020年11月3日。
2022年5月6日には、政策金利を0.1%から0.35%に引き上げましたが、オーストラリア準備銀行が利上げを行ったのは実に11年半ぶりなのですね。
つまり2010年11月以降、オーストラリアの政策金利は11年半に渡って(一度も利上げされることなく)常に切り下げられてきたわけです。
オーストラリアはそもそも資源国家です。つまり鉱物資源(石油・石炭・鉄鉱石など)を主に輸出して経済を回しているわけですね。
そしてオーストラリアの主要取引先が、中国。となると、オーストラリアの経済は中国の経済に大きく影響を受けるわけです。つまり「中国がくしゃみをするとオーストラリアが風邪を引く」という関係性。世界経済の見通しの悪化によってオーストラリア国内でインフレ圧力が高まり、長期の利下げを余儀なくされてきたわけです。
結果的に、過去の「高金利通貨」の座から豪ドルが転落することに…。スワップ運用における豪ドル人気が急激に下落していきました。
これまで豪ドルでスワップを稼いでいたトレーダーにとって、「豪ドルはもうダメだ…」という見通しが蔓延していったわけですね。
これが「豪ドル、やばい」の本質です。
【2024年5月版】優位性の高いFX商材 Best4
2022年、豪ドルの見通しはどうか?
先に解説したように、2022年5月6日にオーストラリア準備銀行(RBA=中央銀行)は、0.1%から0.35%への政策金利政策金利を利上げを実施。
さらに6月6日には0.5%の利上げを決定(政策金利は0.85%)。RBAは「今後もさらなる利上げが必要と考える」と声明を出していることから、今後の大幅利上げの期待感もあります。
一方、昨年(2021年)の10ー12月の実質GDP成長率は前期比で年率+14.43%と2四半期ぶりのプラス成長に転じるなど好材料が出てきています。
つまり、長期的にはオーストラリアの経済は回復傾向にあると予測できます。
先の利上げを受けて、豪ドル円は7年ぶりの高値を記録しています。
政策金利の利上げが今後も行われ、コロナ収束による中国経済の回復、それによる鉄鉱石価格の上昇など、良材料が続けば、この円安豪ドル高基調が今後も続く可能性は高そうです。
オーストラリアは、コモディティ国家じゃから、主要輸出品である鉄鉱石価格に大きく左右される国じゃ。
その最大の輸入国である中国の経済動向に大きく影響を受けるのはそのためじゃよ。
じゃから中国経済が回復基調にあれば、オーストラリアも元気になってくるじゃろう。