【FX】ストキャスティクスの計算式はとっても簡単!
前回、ストキャスティクス(Stochastic)の概念というか本質について解説しました。
時間経過とともに変化する勢い(モメンタム)を測定することで、今後のレートがどう動くかを予測すること、これがストキャスティクスの本質。
さて、今回はストキャスティクス(Stochastic)の計算式についてざっと解説していきます。
ストキャスティクスのパラメーターには、%K、%D、%SDなどと難解そうなキーワードが登場するため、計算式も複雑なのかな?と思いますよね。
ところが、ストキャスティクスの計算方法は、とってもシンプルです。
【Stochastic】%Kとはなにか?
%Kとは、n期間の最高値と最安値の値幅(ゾーン)に対して、n期間の最安値から現在価格の終値までの値幅(上昇幅)をパーセント表示したものでしたね。
%Kの計算式は、とてもシンプルです。
- %K=(現在価格の終値ーn期間の最安値)÷(n期間の最高値ーn期間の最安値)✕100
この計算式を紐解くと以下の通り。
n期間の最高値と最安値の値幅(ゾーン)に対して、n期間の最安値から現在価格の終値までの値幅(上昇幅)をパーセント表示したものが「%K」であるということ。
まず、一定期間の高値と安値の値幅(ゾーン)を算出します。次に、値幅(ゾーン)と比較して、現在価格(終値)がどのレベルにあるのか?このレベルを数値化します。この数値を0〜100(%)の間にプロットしたグラフがストキャスティクス(=%K)です。
- 一定期間の高値と安値の値幅(ゾーン)を算出する
- 値幅(ゾーン)に対して現在価格(終値)の上昇幅を算出する
- 上昇幅を0〜100%でプロットする=%K
現在価格が、n期間の値幅(ゾーン)の安値に近いほど、%Kは0に近づきます。一方、現在価格が、n期間の値幅(ゾーン)の高値に近いほど、%Kは100に近づきます。
つまり、%Kが0%付近をウロウロしているということは、n期間の値幅(ゾーン)における安値と同じレベルの値で推移していることになりますね。
【Stochastic】%Kの計算式を解説するよ!
%Kの計算式は以下の通り。
- %K=(現在価格の終値ーn期間の最安値)÷(n期間の最高値ーn期間の最安値)✕100
具体的な例を用いて%Kを算出してみましょう。
%K=0%のケース
以下のモデルケース(ドル円)を使います。期間nは3とします。つまり3日間の%Kを求める計算となります。
- 2日前 高値:102円、安値:100円
- 1日前 高値:101円、安値:99円
- 当 日 高値:100円、安値:98円、現在レート:98円
最初に求める値は、3日間の最高値と最安値です。
- 最高値:102円
- 最安値:98円
現在レートは、98円ですね。%Kを計算してみます。
%K=(現在価格の終値ーn期間の最安値)÷(n期間の最高値ーn期間の最安値)✕100
%K=(98円−98円)÷(102円−98円)✕100
%K= 0÷4円✕100
%K= 0(%)
%Kは0%です。3日間の最安値と現在レートが同じなので安値更新中ですよね。
103円…最高値
102円
101円…中央値
100円
99円…最安値(現在レート)
結果、%Kは0に張り付くことになります。
%K=100%のケース
次のモデルケースでは%Kはどうなるでしょうか?
- 2日前 高値:102円、安値:100円
- 1日前 高値:101円、安値:99円
- 当 日 高値:103円、安値:101円、現在レート:103円
3日間の最高値と最安値はこちら。
- 最高値:103円
- 最安値:99円
現在レートは103円です。%Kを計算してみます。
%K=(現在価格の終値ーn期間の最安値)÷(n期間の最高値ーn期間の最安値)✕100
%K=(103円−99円)÷(103円−99円)✕100
%K= 4÷4円✕100
%K= 100(%)
%Kは100%ですね。3日間の最高値と現在レートが同じなので高値更新中ですよね。
103円…最高値(現在レート)
102円
101円…中央値
100円
99円…最安値
結果、%Kは上限の100に張り付きます。
%K=50%のケース
次のモデルケースでは%Kはどうなるでしょうか?
- 2日前 高値:102円、安値:100円
- 1日前 高値:101円、安値:99円
- 当 日 高値:103円、安値:101円、現在レート:101円
最初に求める値は、3日間の最高値と最安値です。
- 最高値:103円
- 最安値:99円
現在レートは、101円ですね。%Kを計算してみます。
%K=(現在価格の終値ーn期間の最安値)÷(n期間の最高値ーn期間の最安値)✕100
%K=(101円−99円)÷(103円−99円)✕100
%K= 2÷4円✕100
%K= 50(%)
高値と安値の値幅(ゾーン)は103円〜99円です。
103円…最高値
102円
101円…中央値(現在レート)
100円
99円…最安値
そのゾーンの中央値は、101円です。現在レートは101円なので、%Kは50%になります。
期間3の%Kとは、3日間の最高値と最安値の値幅(ゾーン)に対して、3日間の最安値から現在価格の終値までの値幅(上昇幅)をパーセント表示したものでしたよね。
とってもシンプルですね。
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【Stochastic】%Dと%SDの計算式を解説するよ!
ストキャスティクスにおいて重要な計算式は、%Kだけです。
%Dは%Kを平滑化(スムージング)したものであり、%SDは%Dを単純移動平均化したものにすぎません。
- %D(=%Kの平滑値)
- %SD(=%Dの移動平均値)
それぞれの計算式は次の通り。%Kの計算式と合わせてご覧ください。
%K=(現在価格の終値ーn期間の最安値)÷(n期間の最高値ーn期間の最安値)✕100
%D=(現在価格の終値ーn期間の最安値)のm期間合計÷(n期間の最高値ーn期間の最安値)のm期間合計 ✕100
%SD=%D(期間d)の単純移動平均=d期間の%D合計÷d期間
ちょっとわかりにくいですかね?
%Dは%Kをm期間で平滑化した値です。%SDは、その%Dをd期間で単純移動平均化した値です。
例えば、それぞれの期間が以下の通りだったとします。
- %Kの期間=14日
- %Dの期間=9日
- %SDの期間=3日
%D・%SDの計算はそれぞれ次のようになります。
%D=(現在価格の終値ー14日間の最安値)の9日分合計÷(14日間の最高値ー14日間の最安値)の9日分合計 ✕100
%SD=%Dの3日単純移動平均=3日の%Dの合計÷3
ストキャスティクスの計算式、知らないより知ってたほうが良いよね?
こうして順序よく考えていけば、ストキャスティクッスの計算式が非常にシンプルであることがわかりますね。
もちろん、計算式を知らなくてもストキャスティクスを活用することは可能ですが、計算式を知っておけばより理解が深まると思いませんか?