ロンドン(欧州)ブレイクアウト戦略とマーチンゲールについて
前回紹介したロンドン(欧州)ブレイクアウト戦略。使用するインジケーターは『3 Tier London Breakout V.3.2b.mq4』でしたね。
もともとこのインジケーターはFOREXFACTORY内のスレッドで紹介されていたものです。
[box class=”glay_box” title=”3 Tier London Breakout V.3.2b.mq4″]
考案者である「mer071898」氏は、このツールを活用したマーチンゲール戦略を提唱していて、それがとても興味深い内容なので改めて紹介してみたいと思います。マーチンゲールについての解説は以下の引用記事をお読みください。
マーチンゲールとは?
次に「マーチンゲール」ですが、一言で言えば”負けたら倍賭け戦略”です。ギャンブルでよく使われた手法の一つです。
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最初のポジションが損切りにあったら、次のポジションのロットを倍にして建てます。さらに負けたら倍にします。2倍、4倍、8倍…勝つまで倍掛けしてく手法、これが「マーチンゲール」です。
「マーチンゲール」は最後にたった1勝すれば、どれだけ連敗していても、それまでの損失を全て取り戻せ損益はプラスに転じます。
当たり前ですが、倍々に賭けていけば、ロット数はあっというまに肥大してしまいます。コピー用紙を48回折ると月に届くと言われているように、わずか0.1ミリの紙でもたったの48回折りたためば(マーチンゲール)すれば、70万kmになって月に届くほどの厚みになるのです。それくらい現実味がないということです。
試しに、1万円をマーチンゲールしてみましょう。
1回目…1万円
2回目…2万円
3回目…4万円
4回目…8万円
5回目…16万円
6回目…32万円
…
10回目…512万円
11回目…1024万円9回連続で負けると10回目の掛け金は500万円を超えます。すでに非現実的ですね。
負けたら倍賭け…これがマーチンゲールの本質です。
「僕はマーチンゲール戦略が大好きだけど、注意してね!」
『3 Tier London Breakout V.3.2b.mq4』開発者の「mer071898」氏は、もともとマーチンゲール戦略を好むトレーダーらしく、このインジケーターもマーチンゲール前提で取り組むことができるよう工夫しているとのこと。
もちろん本人もマーチンゲールのリスクは重々承知していて、以下のようにアナウンスしています。
Before we start, as courtesy, please refrain from comments about the nature of martingale strategies. We all know by now any inherent risks involved with using them and do not need to be reminded over and over.
まず言っておきたいんだけど、マーチンゲール戦略についてあーだこーだのコメントはナシだよ!僕たちは互いにマーチンゲールについてのリスクを知ってるはずだからさ。そのことについて何度も確認するのは野暮ってもんだよ!
ごもっともです。建設的な意見の交換がフォーラムの主旨なので、いちいち「マーチンゲールは危険だからやめろ!」っていうネガティブな話をされては話の腰が折れてしまいますよね。
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ブレイクアウト系マーチンゲール戦略を解説するよ!
開発者のマーチンゲールはやや複雑というかハイリスクです。フォーラムの画像を引用して解説します。
Enter 3 individual trades of .1 lots here
最初のブレイクは上方です。このタイミングで3ロットの買い注文を入れます。
Price reversed and hit our stop for a -78 pip loss(3 ✕ -26)
ところがレートは反転し、ボックスの逆辺にまで達してしまいます。ボックスの縦幅が26pipsですので、▲26pipsの3ロット、つまり▲78pipsの損失となりますね。
Immediately enter three more trades of .2 lots
このタイミングですぐにマーチンゲールで2倍のロット数(3ロット ✕ 2倍 = 6ロット)で売り注文を入れいます。
Stopped out for a -156 pip loss (3 ✕ -26 ✕ multiplier of 2)
残念なことに、またレートが逆転してしまい、今度は上昇を始めてしまいます。レートはボックスの上辺にまで達してしまい、あえなく損切りとなります。▲156pips(3ロット ✕ ▲26pips ✕ 2倍)の損失となりました。まだまだ諦めません!だってマーチンゲール大好きだから!
Immediately enter three more trades of .5 lots
すぐに5ロットの3倍(つまり15ロット!)で買い注文を入れます。3回目のドテン。
Close out trade 1 for +80 pip(multiplier of 5 ✕ 16 pip)
ようやくターゲットライン1(利益目標1)に達しました。ここでまず5ロット(ポジションの3分の1)を手仕舞いします。ターゲットライン1(利益目標1)は16pipsに設定されていましたので、5✕16pips=80pipsの利益となります。
Close out trade 2 for +170 pip(multiplier of 5 ✕ 34 pip)
そのままレートは上方に伸び続け、ターゲットライン2(利益目標2)にも達しました!ここでまたポジションの3分の1、つまり5ロットを手仕舞いします。ターゲットライン2(利益目標2)は34pipsに設定されていましたので、5✕34pips=170pipsの利益となります。
close out trade 3 for +260 pip(multiplier of 5 ✕ 52 pip)
さらにレートはグングン上昇し、ついにターゲットライン3(利益目標3)にも達しました!残りのポジション(5ロット)を手仕舞いします。ターゲットライン3(利益目標3)は52pipsに設定されていましたので、5✕52pips=260pipsの利益となります。
マーチンゲールの威力をまざまざと見せつけられる結果に!
さて、以上で今回のトレードが終了となります。ちょっと整理してみましょう。マーチンゲール戦略をしなかった場合は以下の通り。
- 買い注文 1= ▲26
- 買い注文 2= ▲26
- 買い注文 3= ▲26
- 売り注文 1= ▲26
- 売り注文 2= ▲26
- 売り注文 3= ▲26
- 買い注文 1= +16
- 買い注文 1= +34
- 買い注文 1= +52
トータル損益は…▲132pipsです。残念ながらトータルで負けてしまいましたね。一方、マーチンゲール戦略を取り入れた場合の損益をチェックしてみましょう。
- 買い注文 1= ▲26
- 買い注文 2= ▲26
- 買い注文 3= ▲26
- 売り注文 1= ▲52(▲26✕2倍)
- 売り注文 2= ▲52(▲26✕2倍)
- 売り注文 3= ▲52(▲26✕2倍)
- 買い注文 1= +80(+16✕5倍)
- 買い注文 1= +170(+34✕5倍)
- 買い注文 1= +260(+52✕5倍)
トータル損益は、+276pipsです。大きく勝ち越したことがわかりますね。これがマーチンゲールの威力です。
マーチンゲール戦略における乗数は、「2倍」→「4倍」→「8倍」…が一般的ですが、彼(開発者)の使用する乗数は「2倍」→「5倍」というものでした。マーチンゲールの乗数については特に決まりはありませんので、自分の資金量にマッチした乗数がおすすめです。
ターゲットライン1からの反転に対応したマーチンゲール戦略
開発者が述べているように、ターゲットライン1(利益目標1)からの反転が頻繁に見られるため、倍賭けマーチンゲール戦略が有効に作用するとのこと。
最初のENTRYから気持ちよくトレンドに乗っかれることは、そうそうないわけです。トレンドが発生するまではどっち付かず(行ったり来たり)の相場が続くものです。そこで、レート逆行現象を逆手に取って倍掛けマーチンで攻めていく。うん、極めて戦略的ですね。
もちろんリスクもあります。ブレイクしてもターゲットラインに達しないままズルズルと過ぎてしまった場合や、ターゲットラインから何度も反転を繰り返す相場などのケースでは、損失が膨らんでしまいます。
『3 Tier London Breakout V.3.2b.mq4』のフォーラムはとても有意義のある意見が多数投稿されていますので、英語が得意な人はぜひ一読することをおすすめします。
[box class=”glay_box” title=”3 Tier London Breakout V.3.2b.mq4″]