「Support&Resistance.ex4の有用性がよくわからない…」
先日紹介したSupport&Resistance.ex4ですが、有用性がよくわからないとのご質問をいただきました。
ですので、本日はもう少し詳しく説明したいと思います。ただし、ex4ファイルでのみ提供されているインジケーターですので、中身のコードを確認することはできません。提供サイトに記載されている解説と推測をもとに説明することをご了承ください。
フラクタルによるタッチが最も多いとされるライン(ゾーン)を検出し、サポレジゾーンとしてプロットする
Support&Resistance.ex4が一般的なサポレジインジケーターと異なる点は、以下の2つ。
- フラクタルを基準にラインを描写
- ゾーンとしてラインを表示
通常のサポレジラインは単線です。水平線を引けそうな複数の安値・高値などを見つけて、2点以上を水平ラインで結びますよね。
一方、Support&Resistance.ex4は、そもそもラインを引く基準が異なります。解説サイトには次のように記載されています。
In turn, the S&R indicator identifies the levels with the maximum number of price touches.
Touch is a subjective concept since everyone interprets it in their way. Therefore, we used a freely available Fractal indicator to identify touches, which are also extreme levels of the price.
The formula of the Fractal indicator works regardless of the timeframe, so the Support and Resistance indicator works on any timeframe as well.
After identifying and marking the touches, the indicator algorithm will spot the levels with the maximum number of price interactions and display them on the chart.
ざっくり翻訳すると以下の通り。
サポレジインジケーターは、価格タッチの最大数のレベルを識別する。
タッチは主観的な概念であり、誰もが自分のやり方で解釈してしまう。そこで、価格の極端なレベルであるタッチを(客観的に)識別するために、自由に利用できるフラクタルインジケーターを使用した。
フラクタルインジケーターは時間枠に関係なく機能するため、サポート&レジスタンスインジケータはどの時間枠でも機能する。
タッチを識別してマークした後、インディケーターアルゴリズムは、価格相互作用の最大数を持つレベルを特定しチャートに表示する。
つまり、サポートライン・レジスタンスラインを引く基準として、フラクタルを利用しているわけですね。フラクタルによるタッチが最も多いとされるラインを自動的に検出し、ゾーンとしてプロットているのです。
そして、ラインの右端の数字は、ラインを機能させているフラクタルの数を示してるわけです。
ラインを引く際の主観性(思い込みなど)を100%排除し、客観的に引く(誰が引いても同じラインが引けるようにする)ために、フラクタルを採用しているのですね。
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ラインに厚みをもたせてゾーン化、そのゾーンに含まれるフラクタルをカウント
では、どのエリアにタッチしていればOKなのか?そこでゾーン(ラインの厚み)の登場です。
Support&Resistance.ex4の各ラインの厚みを決定づける要素は以下の通り。
The price range (height) of support or resistance areas depends on the spread between price highs and lows that the level goes through.
(中略)
The Support&Resistance indicator does not repaint. However, the occurrence of new highs/lows within the range of a specific support/resistance can expand its height.
直訳してみます。
サポートまたはレジスタンスエリアの価格範囲(=高さ)は、そのレベルが通過する価格の高値・安値間の広がりに依存する。
サポレジインジケーターは再描画しない。ただし、特定のサポート/レジスタンスの範囲内で新たな高値/安値が発生すると、その高さを拡大する。
とあります。
始点から引いた水平ラインを超えた高値や安値(ラインからの乖離)までをゾーンとして表示するわけですね。単線ではなく、ゾーンとして捉え、そのゾーンの中に含まれるフラクタルの数をカウントして、最も多いゾーンをサポートゾーン・レジスタンスゾーンとしてチャート上にプロットしていることになります。
高さについて、どの程度までの乖離(=ラインと高値安値の乖離)を含むのか?については、パラメーターで変更可能です。デフォルトは5(変更幅は1〜20)です。数値を大きくすればするほどゾーンの高さは拡大します。
いくつ以上タッチしたらゾーンとして表示するか?についても同様にパラメーターで変更できます。デフォルトでは「5」以上と設定されています。つまり5回以上タッチしたライン(ゾーン)を自動表示するわけですね。
もう一つ重要なポイントがあります。
As you can see, some of the interactions are out of the filled rectangle, but this is not the indicator’s error. These touches are used to identify levels more precisely.
Support and resistance levels themselves occupy just under 50% of the area analyzed by the algorithm.
直訳は以下の通り。
ご覧のように、いくつかのフラクタルは塗りつぶされた長方形(=ゾーン)から外れているが、これはインジケーターのエラーではない。これらのタッチは、レベルをより正確に識別するために使用される。
サポートとレジスタンスのレベル自体は、アルゴリズムによって分析された領域の50%弱を占めている。
ちょっとわかりにくいのですが、フラクタルのタッチ自体に幅を持たせているということだと考えられます。フラクタルポイントが多少ゾーンから外れていても、カウントに加えているようですね。
まとめ:サポレジにありがちな主観性を排除するためにフラクタルタッチの数をカウントしてライン(ゾーン)を描写するユニークなツール
最大の特徴はサポレジ描写にフラクタルタッチ数を取り入れている点ですよね。
主観性(思い込み)を徹底的に排除するために、だれもが視認できるフラクタルを取り入れ、そのタッチ数が多いラインを有効として描写しているわけです。
アイデアとしてはとてもユニークかつロジカルです。
海外にはまだまだ興味深いインジケーターがたくさん存在します。今後もどんどん紹介していきますね。