IMM通貨先物ポジションをFXトレードに活用したい!
IMM通貨先物ポジションをFXトレードに活用したいけど、見方が今ひとつよくわからないって悩みありますよね。
IMM通貨先物ポジションの見方は、ちょっと難しいけど、知っていれば間違いなくFXトレードに活かせる重要なデータです。
今回は、このIMM通貨先物ポジションの見方について、大切なポイントを3つに絞って紹介します。
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IMM通貨先物ポジションとは?
FX相場の本質は「実需」が作り「仮需(=投機)」がそれを増幅させる
まず、IMM通貨先物ポジションについて知らない人向けに、ざっくりと解説しますね。
そもそもFX相場は実需と仮需(=投機)の2つから構成されています。
[box class=”glay_box” title=”実需と仮需のバランス”]
- 「実需」…貿易・両替 →20%
- 「仮需」…投機 →80%
為替相場を形成するのは「実需」ではなく「投機=仮需」です。実需によって生み出された相場を投機取引が増幅させているのがFX相場の本質です。つまり、投機筋(機関投資家やヘッジファンド)の動向を知ることで、ざっくりとした為替動向を捉えることが可能になります。そのための指標の一つとしてIMM通貨先物ポジションがあります。
IMM通貨先物ポジションで投機筋の動向を探る
CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)で取引されている金融商品の一つに「IMM通貨先物」があります。この「IMM通貨先物」の出来高や建玉の内訳を、毎週末公表しているのですが、それがIMM通貨先物ポジションと呼ばれるデータです。
毎週火曜日に集計されて、その週の金曜日にデータが公表されます。通貨毎の、Long(買い)/Short(売り)の建玉数が公開されるので、このデータから投機筋のポジションをおおまかに推測することが可能になります。
CMEには世界中の投機筋と呼ばれる機関投資家や大手ヘッジファンドがこぞって参加していて、為替動向に一定の影響を与えているとされています。
CMEのIMM通貨先物ポジションを定期的にチェックすることで、為替市場の大きな潮流を捉えやすくなるメリットがあります。
IMM通貨先物ポジションはどこで見られる?
では実際のIMM通貨先物ポジションはどこでチェックできるのか?実は多くの国内証券会社が、そのデータを提供(更新)しています。例えば以下の画像は「松井証券」のものです。
出典:松井証券「シカゴIMM通貨先物ポジション推移」
各証券会社がそれぞれマーケット情報として提供しているので、ご自身でお使いの証券会社のページをチェックしてみてください。
ちなみに、外為どっとコムの公式TwitterはIMMポジション情報「今週のIMMポジション」を毎週配信してくれますので便利ですよ。
【今週のIMMポジション】ドル/円
『ショートの手仕舞い』
・5/21時点で円のポジションはドルに対して5.5万枚の売り越し
・前週の6.2万枚から小幅に減少もショートの減少が主導する形で売り越し減少その他の通貨はこちらから!
🔽PickUp(今週のIMMポジション)https://t.co/InMTd1z7Cl#fx #為替 pic.twitter.com/5inpmKG9bh— 外為どっとコム (@gaitame_com) 2019年5月27日
IMMポジションの見方について知っておくべき3つのポイント
さて、IMM通貨先物ポジションの概略がわかったところで、次はどのように見るか?です。
ポイント1.ShortとLongの建玉数の差で「偏り」を把握する
ドル円で解説します。2019年1月15日から5月21日までのポジション推移グラフですね。上のデータの一番右側の棒グラフが2019年5月21日のデータです。
- 円Long(買い)が27,540枚。
- 円Short(売り)が82,732枚。
- 差し引き、55,192枚で円Short(売り)建玉が多い。
円Short(売り)の方が、円Long(買い)を大きく上回っていますね。つまり円Short(売り)側に55,000枚ほど偏っていると読み取れます。
これが、世界中の投機筋のポジションを表している(=縮図)わけです。
注意するべき点は、偏りが大きければ大きいほど、その反動インパクトも大きくなることです。なぜなら、先物取引はあるタイミングで決済する必要があるからです。偏り具合を定点観測し、一方向への偏りを注意深く観察します。
ポイント2.建玉数の推移をチェックして方向性を推測する
そして、黒い折れ線グラフが、ポジションの増減を表しています。ご覧の通り、2019年明けてずっと円Short(売り)が優勢であることがわかりますね。
全世界的に投機筋から円が継続的に売られていることを示しています。ドル円でいえば「買い」ポジションの増加を示します。
ただし、直近の3週間程度は、折れ線グラフが少し右肩上がりになっていますね。3週連続して円売りが減少しつつあると判断できます。円Shortの増加傾向に歯止めがかかり、少し反発したのかもしれません。
ポイント3.実際の為替チャートとIMMポジションを照合し総合的に相場動向を判断する
3つ目のポイントは、実際の為替チャートとIMM通貨先物ポジションを照らし合わせて、大局を判断します。
先のドル円を比較してみましょう。
ここ1ヶ月(20190430〜20190530)のドル円は下落傾向にありますね。つまり円高(というよりはドル安)です。一方のIMMポジションは直近3週間で円Short(売り)が減少傾向にあります。
これらのデータから今後の為替市場の動向を推測するわけです。例えば、ここ最近の投機筋の円Short(売り)ポジションは減少傾向にある…円Shortが継続的に積み上がってきたことを嫌って反発したか…とはいえ、全体的な円売りは今後も継続するかもしれない…ならば長期的にはShort(売り)の方向で狙うべきか…という感じです。
つまり、ドル円で言えば、円安方向へ仕掛ける=ドル円のロングですね。ドル円のロング(買い)を狙うことが長期的な戦略として考えられるかもしれない、ということです。※正しいかどうかではなく、ひとつの例です。投資の助言ではありません。
実際は、このIMM通貨先物以外にも様々な指標がありますので、これだけで相場予測をすることはありませんが、判断材料の一つに加えるのはアリでしょう。為替相場は、国際政治や地勢的な状況に大きく影響を受けます。IMM通貨先物ポジションはあくまでも「目安」の一つです。
実際に円安が続くかといえば、なかなか難しいでしょう。昨今の世界情勢(米中貿易戦争等)を考えれば、むしろ円高へ触れる可能性のほうが現時点では高いかもしれません。※投資の助言ではありません。
各トレーダーはIMMポジションをどう見ているか?
実際にFXトレーダーはIMM通貨先物ポジション情報をどう見ているか、みんなの声を紹介します。
AUDもIMMポジションは6.6万枚売りに偏ってる。
AUDは確かにテクニカル的には売り方向なのですが、AUD USDは0.686あたり、下がっても0.668~0.673あたりで一旦買い方向に反発するかも#FX #為替
— ダメ猫FX (@dame_neko_fx) 2019年5月29日
ドル円以外、ポジション解消・
対ドルで、ユーロやポンド、豪ドル、IMMポジション、テクニカル的に
ショートカバー入りそう・・・ただ、ドル売りなので、ドル円はそのまま。 #fx #forex #usdjpy #eur #gbp #aud— SOUCafe (@SOUCafe_fx) 2019年5月27日
ユーロドルは1.1200台へ。
昨晩、NYからの値動き見てるとショートカバーで上昇してる感じですね。
ショートに傾いているIMMポジションが減少していると思いますが、大きくは減ってなさそう。#fx #forex #kawase #為替— jaguar (@FXjaguar) 2019年5月24日
その前の112円のドル売りも「正解」でした。(IMMポジションから窺える)海外投機筋よりスキルが高いように見えます。 https://t.co/gyIsns4xCO
— 神田卓也 (@KandaTakuya) 2019年5月22日
明日からの豪ドルは、先週まで明確に下落基調で0.69割れし、IMMポジションで見てもショートが増えている中で、まさかの与党勝利ということで、おそらく窓開け上昇だろうなあと思っております。
ただ、そこから底打ちして戻すか、また下値を探るかは、正直来週見てみないと分からないと思ってます。
— Yuki 為替研究所管理人 (@kawaselab) 2019年5月19日
昨夜のNYダウは上昇、IMMポジションでは豪ドルショートが積み上がっている中で豪ドル円ショートは買いづらいが、さて
— ゆう (@happybook811) 2019年5月15日
もちろん、IMMポジション積みあがってるので注意は必要ですが、レンジから抜け出すときには、ポジションがどちらかに偏るのは当然なので”(-“”-)”
GW中は逆に上方向への仕掛けも注意しておいた方がいいじゃないでしょうか😋— nori (@nori_nosuke) 2019年4月27日
まとめ:IMM通貨先物ポジションの見方|知っておくべき3つのポイントとは?
わかりにくいIMM通貨先物ポジションの見方をシンプルにまとめました。ポイントは3つ。
- ShortとLongの建玉数の差で「偏り」を把握する
- 建玉数の推移をチェックして方向性を推測する
- 実際の為替チャートとIMMポジションを照合し総合的に相場動向を判断する
この中でも最も重要なものは1番の「偏りの把握」です。偏りが大きければ大きいほど、その反動も大きくなるからです。
まずは、定期的にIMM通貨先物ポジションをチェックする習慣をつけることから始めましょう。徐々に自分なりの見方が身につくはずです。