投資とギャンブルの境界線
以前、投資とギャンブルの境界線という記事を書きました。
その中で、ギャンブルとは、
- ”プレーヤーがゲームの本質(期待値やリスクなど)を理解しておらず、起こりうるリスク(損失等)を精神的にも経済的にも許容できないゲームである”
と私なりに定義しました。投資はその逆です。
- ”プレーヤーがゲームの本質(期待値やリスクなど)を十分に理解し、起こりうるリスク(損失等)を精神的にも経済的にも許容可能なゲームである”
投資もギャンブルも確率に賭けるゲームであり、その本質は変わりません。投資とギャンブルを分けるのは、起こりうるリスクを理解し、起きたリスクを許容することができるかどうかという点のみです。
リスクを取ってリターンを得るという点においては、FX投資も株式投資もそして競馬もパチンコも宝くじも変わりがないということ。プレーヤーによってはFXや株はギャンブルにもなり得ます。同様にプレーヤーの投資スタイル・投資に対する思考によっては、競馬も投資になりうるということ(勝つか負けるかは別として)。
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「FX」がギャンブルで「株」は投資?
このブログにもときどき「FXのようなギャンブルを推奨するとは何ごとか!」というお叱り(?)のメールをいただくことがあります。株式投資は知的で立派な投資活動であり、FXは頭の悪い情報弱者が参加するギャンブルだ…という内容が多い。
そのようなメールをもらうたびに私は困惑します。なぜなら、私にとってFXも株もバイナリーオプションも、競馬もパチンコも、すべてゲームという括りだからです。
全部ゲームですが、胴元に有利なゲームもあれば、レーヤーに有利なゲームもあるということにすぎません。たとえばバイナリーオプションは胴元が圧倒的に有利なゲームですが、その事実を理解した上で自分のお金で楽しむならば、それは個人の自由です。
株式投資は立派な経済行為であるかのごとく考えている人もいるようだが、しょせんは「自分のため」におこなう行為です。自分が金儲けしたいという動機がベースです。FXとルールは異なりますが、結局マネーゲームなのです。
「FX」も「株」も、「バイナリーオプション」も、マネーゲームと呼ばれる巨大なカジノの中にあるルールの異なったゲームに過ぎないのです。自分の好きなゲームをすれば良いのです。
ゲームごとにルールや期待値は異なります。先に述べたように胴元に有利なゲームもあれば参加者に有利なゲームもあるということ。
結局、株式投資家がFX投資家を見下す行為は、目くそ鼻くそを笑うようなものだだということを言いたいのです。
「株式投資とはゲームである」
最近、『新しい株式投資論: 「合理的へそ曲がり」のすすめ』(著者: 山崎元)を読み返す機会がありました。その中に面白い記述があったので紹介します。
「あなたにとって、株式投資とは何か?」と、問われたとすれば、著者の答えは「私にとって、株式投資とはゲームである」という答えになる。
(中略)
それでもあえて、株式投資をゲームとして捉えるというのは、次のような意味からだ。
そもそも、投資する側から見て、株式投資の成果は、事前に予測したり、思い通りにコントロールしたりすることが難しい「運」と呼ぶしかない外的要因と、株式市場で自分がどう行動するかによって、他の市場参加者との間で、相対的に、勝ったり・負けたりする「ゲームの勝ち負け」によるものとに、概念上分けて考えることができる(両者を厳密に分けで計測することは難しいが)。
冒頭に述べたように、自分が結果に影響をあたえることができるのは「ゲーム」の部分だけだ。だから、このゲームの部分に全力で向き合うことが大切だし、面白いのだと思う。幸い、このゲームは、うまくいかないことはたびたびあるけれども、退屈するということが、めったにない。
同じゲームならば、自分が退屈せず、長く楽しめるゲームを選んだほうが良いですね。