W2C-Clipper クリッパー 【検証とレビュー】

ナンピン・マーチンゲール型のEA(自動売買ツール)

私は2010年から2011年にかけてEAを700個くらい作ったことがあります。基本的に私のトレードスタイルはシステムトレード(自動売買ではない)ですが、自身のポートフォリオの一つとしてEAの可能性について検討した時期がありました。

その過程で700個以上のEAを作ってバックテストを繰り返しました。参考にしたのは、主に海外のフォーラムです。

その結果、私なりに一つの結論に達しました。最も安定して勝てるEAは「ナンピン・マーチンゲール型」であるという結論です。海外で主流のEA(販売されているものから無料で配布されているものまで)は、ほぼ「ナンピン・マーチンゲール型」です。

ナンピン・マーチンゲール型の最大のリスク

ご存じの通り、ナンピン・マーチンゲール型の最大のリスクは、大きく逆行した際のロスカット(強制決済)です。口座が含み損に耐えきれなくなり、今までコツコツ積み上げた利益を一気に持って行かれるため、瞬時に破綻します。

そこで多くの開発者がこのリスクコントロールに注力し、破綻リスクを抑えるためのアイデア・工夫をEAに組み込んでいます。アイデアといっても、ナンピンの幅やマーチンする際のロット数を変動させたりというのが一般的です。

各EAの違いといえば、この変動幅、ロット数のバランスの違いくらいですね。

W2C-Clipperは極めてまともなEA

さて、このW2C-Clipper クリッパーですが、非常にオーソドックスなナンピン・マーチンゲール型のEAです。リスクコントロールを徹底しているとのことですが、それはすなわちナンピンの幅とロット数をコントロールするということに他なりません。

何が言いたいかというと、特段、W2C-Clipper クリッパーが目新しく、優れた特徴を持ているEAではないということです。海外ではごく一般的なEAであるということです。

これまでに日本で販売されてきたEAの多くは、大してリスクを説明せずに派手なバックテスト成績をひっさげて売り出され、販売開始数ヶ月後には破綻するというまさにゴミ商材ばかりでした。

EAは誰でも比較的簡単に作れます。しかも過剰カーブフィッティングさせて派手な過去成績を作ることも容易です。その結果として、ゴミ商材が世に溢れました。

そんなゴミ商材の中で、W2C-Clipper クリッパーは極めてまともなEAです。逆にまともすぎてつまらないかもしれません。

6段階のリスクコントロール

このEAでは、購入者が自分のリスク許容度に応じてリスクコントロールできるように作られています。セーフティ~ハイパフォーマンスまでの6段階でリスクを設定できます。設定といっても、Deposit(初期資金)とロット数の組み合わせで設定するだけです。

セーフティに設定すれば、リスクは小さいですがリターンも小さくなります。逆にハイパフォーマンスであれば、リターンは大きくなりますが、リスクも増大します。

ここでいうリスクとは、レート逆行時の耐えられる値幅です。リスクが小さいということは逆行値幅が大きいということです。リスクが大きいということは、逆行値幅が小さいということになります。

わかりやすく書けば、10円程度の暴騰暴落でも破綻してしまうかわりに、ハイリターンを求めるのか?それとも30円程度までの暴騰暴落に耐えられる替わりに、ローリターンで安定運用するのか?ということです(ここでの数字は例えですので適当です)。

リスクとリターンのバランスについては、バックテストすれば簡単にわかります。自分自身の初期資金や組み込むポートフォリオに応じて、リスクコントロールができるという部分は評価できますね。

結論:自分で作った方が100倍いい

EAに限った話ではないですが、自分でロジックが理解できないものを使用することは極めて危険ですし、自分自身のスキル向上になんのプラスにもなりません。W2C-Clipper クリッパーについても同様です。

ある程度、EAに詳しく(できれば自分で作れる程度)、ロジックを十分理解できているのであれば、ポートフォリオの一つとしてこのEAを使用することは、有りだと思います。

でもどうせなら、この程度のEAは自分で作った方が良いと思いますよ。海外に似たようなEAが無料でたくさん落ちていますので、いくらでも拾えます。それを自分なりに改良したりすることで、オリジナルのEAを作ることができます。自分で作ったEAを使うのが本当の意味でのリスクコントロールになります。

W2C-Clipper クリッパーにしても、ナンピン・マーチン型ですから、必ず含み損をかかえる場面があります。そのときに、あなたは心理的に耐えられるでしょうか?

稼働させているEAを十分理解し、ここまでの含み損には耐えられるということがわかっていれば、大丈夫でしょう。でも破綻ラインが曖昧であれば、あなたの不安は増大します。まさにリスクをコントロールできていない恐怖ですね。

自分で作ったEAであれば、そのEAのリスク許容度が100%把握できているので、恐怖は起きません。ですので、究極は自分で作ったEAを使うということです。

もし、W2C-Clipper クリッパーのような市販されているEAを使うのであれば、そのEAの特性(ナンピン・マーチンのパターン)を100%理解した上で使用すべきです。

ナンピン・マーチンEAの破綻リスク

ロジックにナンピン・マーチンを採用している限り、破綻リスクは常にあります。そのことを肝に銘じておく必要があります。一定の幅で相場が推移する間は安全かもしれませんが、一方向に大きく動く相場においては、ナンピン&マーチンゲールEAは大きなリスクを発生させます。

含み損を抱えつつ、ナンピンを繰り返します。しかもマーチンゲールでポジションのロットも増えていきます。相場が戻ればリスクは回避されますが、万が一相場が戻らなければ、一気に破綻リスクが増大します。最悪の場合、すべての利益を吹き飛ばし口座破綻(もしくは巨額のロスカット)となります。

その点を理解した上で、W2C-Clipperを使用するべきですね。世の中何が起きるかわかりません。

自分でEAを作るスキルや時間がない人は、W2C-Clipper クリッパーを購入して使用しても良いと思います。ただし、Depositと設定ロット数については、十分なバックテストを行ってから決めることをオススメします。