AmbushFXに代表されるレンジブレイクアウトに優位性はあるか?

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アジアンタイム・レンジ・ブレイクアウトに優位性はあるのか?

前回の記事でAmbushFXと類似する手法として、アジアンタイム・レンジ・ブレイクアウトをご紹介しました。

アジアンタイム・レンジ・ブレイクアウトとは、東京時間の最高値と最安値で構成されるレンジを1つのボックスと捉え、そのボックスをブレイクした方向に順張りでENTRYしていく手法です。古くからある手法の1つです。

アジアンタイム・レンジ・ブレイクアウトについては、以下の記事が詳しいです。

さて、このアジアンタイム・レンジ・ブレイクアウトですが、実際のところロジックに優位性は存在するのでしょうか?この点を検証してみたいと思います。

ロジックのメリット

まずはアジアンタイム・レンジ・ブレイクアウトのメリットをチェックしてみましょう。

なんといっても簡単なこと

とにかくシンプルで簡単です。東京時間の最高値と最安値でラインを引くだけでOKです。最高値・最安値(上下)のラインと、時間軸(左右)で構成されたボックス(箱)を、欧州タイムでどちらに抜けるかをチェックします。その抜けた方向にENTRYします。

IFDOCOを仕掛けることも可能ですので、一度設定してしまえばあとは何もすることはありません。

チャートに長時間張り付く必要がない

当然チャートに長時間張り付く必要もなくなります。一度ENTRYすれば、放っておいてもいずれ利確か損切りになります。しかも1日に1回だけチャートをチェックすればOKです。

ハマれば簡単に利益が出る

レンジブレイクですのでハマれば簡単に利益が出ます。それこそ笑えるほど簡単です。仕掛けどころも明確ですので、あっけないくらいに利益がでます。

レンジブレイクアウトのデメリットとは?

では、デメリットとしてはどんな点が挙げられるでしょうか?

ブレイク不発(ダマシ)がある

このロジックには、アジアン(東京)時間のボラティリティが低く、結果としてレンジを形成しやすいという点、そして、欧州時間で一気にボラティリティが増大し、レンジがブレイクされやすいという傾向があるという点が、前提としてあります。AmbushFXのロジックも、この点がベースになっています。

時間帯(タイムテーブル)によるボラティリティの変化や、欧州時間で相場が動きやすくなる件ですが、FXトレードをやっている人であれば誰でも知っています。欧州時間でのブレイクを狙うトレーダーがいれば、それを逆に狙い撃ちする人々がいてもおかしくありません。

一旦ブレイクしたと見せかけて、レートを戻し、ストップに引っ掛けてまた戻す。こんな力技を仕掛けてくる機関投資家連中もいます。わかりやすいポイントほど狙い撃ちされやすいのです。

わかりやすいチャートがあったので、拝借しました。Aでは、東京時間のレンジを上方にブレイクしたのですが、その後戻されてダマシとなっています。Bでは、下方ブレイクが成功していますね。そしてCでは、上方ブレイク後に戻されダマシとなっています。

1通貨ペアで1日1回しかチャンスがない

この手法は、1通貨ペアで1日に1度しかチャンスがありません。そして、タイムテーブルによってボラティリティの変動幅が大きい通貨ペアでしか使いずらい手法です。つまり、GBPUSDやEURUSDなどの通貨ペアです。全ての通貨ペアでは使いにくい手法です。

リスクリワードと勝率のバランスが難しい

そして、最大のデメリット(というか難しい点)がこちらです。リスクリワードにもよりますが、連敗が続いたり勝率が低いと、トータルプラスに持って行くことが難しくなります(つまり優位性を高めることが難しい)。

ストップ幅固定の場合(例えばレンジの逆側のライン等)、リミットをそれなりに大きくしないと(ストップ幅の3倍〜5倍)、プラスに持って行くことは困難です。

リスクリワードが1対3(損失1に対し、3倍の利益)で、勝率は25%(1勝3敗)でトントンです。リスクリワードが1対3であれば、勝率30%で期待値がプラスになります。

しかし本当にレンジブレイクで勝率30%を長期的に維持できるのか?そもそもリワードを3倍に設定することは可能なのか?この2点が問われます。とくに2番めのリワード3倍というのは、システムトレードにおいてはかなりハードルが高いです。3倍ライン(リミットポイント)に達する前に、戻されるケースも多々あります。

では、3倍ではなく2倍程度にすれば?そうすると、もっと高い勝率が要求されます(リスクリワードが1対2の場合、勝率33%でイーブン)。このリスクリワードと勝率のバランスが非常に難しいのです。

EAで検証すれば、優位性がすぐにわかる

アジアンタイム・レンジ・ブレイクアウトは、いわゆるシステムトレードです。ENTRY、LIMIT、STOPが比較的明確です。機械的に仕掛け、機械的に手仕舞いをします。ですのでEA化すれば、ロジックの優位性を簡単に検証できます。

実際に、多くのトレーダーがEAでレンジブレイクの優位性を検証してきました。リスクリワードと勝率のバランスや、ボラティリティとの関係など、数値化できるものを組み込み、バックテストを行ってきました。

もちろん、数値化できるもの(パラメータ)が増えれば増えるほど、カーブフィッティングが可能になります。どこかのバランスにおいて、右肩上がりの運用曲線を作り上げることができます。(まさにカーブフィッティング)

しかし、これはあくまで過去のデータに対して最適化しただけであって、それが将来的に利益を出し続けられるということとは無関係です。

なぜタイムゾーンレンジブレイクのEAが存在しないのか?

考えてみれば、わかることです。なぜタイムゾーンレンジブレイク型の市販EAを見かけないのでしょうか?これほどEAが世界中で販売されていますが、レンジブレイク型のEAは、ほとんんど見かけません。理由は簡単です。優位性がないからです。

仮にバックテストで優秀な成績を残せたとしても、単なるカーブフィッティングだからです。海外で市販されているEAの大半は、いわゆるナンピン&マーチンゲール型のEAです。こちらのほうがよっぽど優位性があり、長期的に利益を残せます(もちろん破綻リスクはありますが)。だから多くのナンピン&マーチンゲール型のEAが販売されているのですね。

結論:レンジブレイクに優位性は見いだせない

シンプルなタイムゾーンレンジブレイクには、優位性はありません。狙い所(ENTRYポイント)は悪くないと思いますが、やはりそれだけで勝てほど相場は甘くありません。

それなりに、トレーリングストップを仕掛けたり、利益を伸ばすための工夫(利確を遅らせたり、ピラミッディングを行うなど)が必要です。

つまり相場状況に応じて裁量判断が求められるということです。簡単には勝たせてくれないのが相場です。甘い夢ばかり見ないようにしましょう。

AmbushFXをベースに裁量トレードをオススメします

私はAmbushFXを全否定しているわけではありません。タイムゾーン・レンジ・ブレイクを極めたい方には、良い手がかりが得られると思います。

できれば、AmbushFXのロジックをベースに、トレーダー個々人の裁量判断を加える事で、勝率を高める工夫をしたり、リスクリワードバランスを改善するなどして欲しいですね。そうすれば、あなたにとって強力な武器になる可能性もあると思います。

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